「ストーリー上の重要設定について共感できなかった」ChaO Bigcatさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーリー上の重要設定について共感できなかった
ここまで書いてしまっていいのか恐縮ですが、書かずにはいられなく。
「ネタバレ」設定にはしていますが、未鑑賞の方は特に、本レビューは読まないことをおすすめします。
物語後半で、ステファンの両親がスクリューに巻き込まれ事故で亡くなったことが明らかになるのですが。
本作品で非常に重要な部分だと思うのですが、ここの部分のストーリー設定があまりにも雑に思われ、共感できませんでした。作品中の、他の良い面全てを打ち消してしまうくらい残念でした。
点検にいくのであるから、さして慎重でない人でも、終わるまで決してスクリューを動かさないようにしてから点検するものだと思うのですが、なぜそうしなかったのでしょう。せっかく大人2人いるのだから、ひとりがスクリューをしっかり停止させて他人がうっかり航行させてしまわないよう見張り、もうひとりがスクリューの確認に向かうのではないでしょうか。
そのようにできない事情も、作品中では特に描かれていなかったと思います。2人とも安易にスクリューに向かっていって、なぜだかスクリューが回りだしてしまう。案の定巻き込まれて亡くなってしまうというのは、そりゃあそうだろうと、何とも興ざめでした。
どうしてこんなツッコミどころ満載の設定のままで作品が作られてしまったのか。映像へのこだわりの方に費やした時間のうち、1日分だけでもこのストーリー設定の検討に回すことができていれば、とても素晴らしい作品になれていたのではと想像され、重ね重ね残念でした。
製作者さんの中にもそう思う人はいたはずと思いますが、おそらく大人の事情でアンタッチャブルなところだったのでしょう。もう少しこんな設定にした方が、という発言もままならないような製作現場・人間関係だったのかなと思わざるをえません。
ステファンには申し訳ないですが、そりゃあご両親亡くなってしまうよ、容易に避けられたはずの状況での事故で悔やまれます。大変お気の毒でしたとしか言いようがないです。
あの事故はひどく間抜けな出来事にされてしまってた。
母親は産後すぐに亡くなり、父親と二人暮らしだったが、船の事故でって、すれば、まだ自然だったと思います。
