「よくもわるくも作画アニメ」ChaO sugsyuさんの映画レビュー(感想・評価)
よくもわるくも作画アニメ
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猥雑かつ豊穣、細部まで描き込まれ活発に動く作画が冒頭から終幕まで淀むことなく続き、それだけでも十分一見の価値あり。一方ストーリーは王道、というか平凡でいわゆる「人外ヒロインが冴えない男子のもとに転がり込んでくる」ラノベ的ジャンルを一歩も出ない、がそれをこのキャラデザでやるのは斬新…というか蛮勇?「美女と野獣」の性別逆Ver.でもあるのだが、キャラデザが尖りすぎていて、ともすればヒロインの人魚形態より魚形態の方がキュートに見えてしまうのも、困りもの。いやでもほんと丸っこくてヌメヌメしてて可愛いもの、チャオの魚形態!ストーリーの凡庸さは後半になる程気になりだし、山場のカーチェイスや人魚王との対決も、スペクタクルではあるが、作画の質に物語が追い付いていない感が強くなる。むしろ前半のごちゃついた街並みや主人公カップル2人のわちゃわちゃしたやり取りの方が印象に残るのは、ペース配分として誤算だろう。あと全体にギャグが昭和。人魚と人間の共存が成り立って変貌した本編後の世界の方をもっと観たかった、とも。
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