劇場公開日 2025年8月15日

  • 予告編を見る

「異文化異国人と暮らすトラブルの戯画化?」ChaO コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 異文化異国人と暮らすトラブルの戯画化?

2025年8月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

相変わらず、STUDIO4°Cらしい超絶作画の世界は素晴らしく、芸術方向に振っている(振り切っている)のだけれども。

主人公=観客に対して、誰からも何も説明なく、ヒロインも含めた登場人物たちが責め立て、意思を無視し、行動を強制し、勝手に評価するという「周囲全てが碇ゲンドウ」状態が、ひたすらストレス。

とにかく「人の話を聞かない」「会話が成立しない」「準備した回答以外は、裏切りと決めつけ」から生じる、トラブルの連鎖。
「まず作品側が、観客に理解させることを拒絶してないか?」と最初は思ったほど。

終わる直前にやっと「実はこういうことだった」と回想とともに後出しされ、「ああそういうことだったのね」と設定を理解できてからしか物語への共感ポイントが生じないため、鑑賞時間の9割がイライラ。

ただ、海外向けなら日本人向けのしっとりした感情刺激より、「とにかくわちゃわちゃした絵を見せる」から導入を狙うのもわかる。
また、世界中のどこでも生じている移民トラブル同様に「相手がなぜ戸惑い、喜怒哀楽を示すのかわからない」という状況を写したようにも思えた。
異文化、異人種同士が理解することの難しさ。
「初手から間違い、理解が遠い」
その点で、海外向けIPとして計算されているのかもしれません。
海外の映画祭で評価されるタイプかなと。

コメントする
コージィ日本犬