「不思議な世界への没入感はあるものの。」不思議の国でアリスと Dive in Wonderland えがおさんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な世界への没入感はあるものの。
試写会にて鑑賞しました。
まさに不思議な世界へ引きずり込まれるような没入感。自分が生きている現実世界がよくわからなくなってしまうような。ページをめくるように場面が切り替わるせいもあるかもしれません。この没入感は良かった。アリスの現代版。
そういえば原作のアリスも突拍子もないことが次々と起こっていましたね。今回もそんな感じで、不思議な感覚ではありましたが一歩間違えると何が言いたいのかよくわからない出来事の連続のような。
この映画の伝えたかったことは、好きなものを大事にすること、すなわち就職活動で見失ってしまった自分のやりたかったことを見つけてそれを仕事にし、見失ってしまった自分を取り戻すこと、かな?自己肯定感。
このメッセージに辿り着くまでの話の整合性があまりになく、世界的に有名な原作アリスがなぜ世界で評価されているのかがそもそもわからなくなってきました。
主人公りせ以外の登場人物は自分勝手過ぎて共感できず、違和感が強かったです。そういえば原作はそんな話だったでしょうか。記憶があやふやですが。
自分と共に鑑賞した中3の娘は、アリスが食べるなと言われているのに勝手に食べ、自分のせいで身体が大きくなってしまったのに我儘言って大泣きしている場面など、色々と受け付けなかったそうです。
不思議な世界への没入感という良さと、整合性のなさという悪さがごちゃ混ぜで、全体の評価として良いのか悪いのか判断が難しい映画でした。
私はそもそも、本作というより原作アリスの世界観が受け付けなさそうだと本作で気付きました。