「図鑑」不思議の国でアリスと Dive in Wonderland ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
図鑑
完成披露試写会当選、ありがたい限りです。
上映前に舞台挨拶もあり和気藹々とした時間を過ごしてからの本編です。
不思議の国のアリスの世界観を知っている前提で進む、しかも不思議の世界に迷い込むのはVRというのが意外な組み合わせになっており、好きなものを好きでい続けるという自分が大好きなテーマもあったりとで楽しい作品に仕上がっていました。
就職活動に悩む主人公・りせが祖母の開発した不思議の国のVR世界に飛び込んで、その世界にいるアリスと共に自分探しをする冒険に出かけるといった内容で、中身はファンタジーなんですが導入がデジタルなのが今作の変わったところだと思います。
りせ自身は決して空気読みで悩んでいるとかはなく、漠然とうまくいかないなーと思っている感じはめちゃくちゃ分かるわ〜と頭ブンブン。
アリスとの出会いはめちゃくちゃファンタジックで素敵でしたし、空飛ぶチェス盤や巨大風船なんかの映像表現のカラフルさも美しかったです。
エピソードが区切り区切りで進んでいくのは絵本のような進み方だなと思いましたし、そのエピソードごとに登場する不思議の国の登場人物との出会いがどれも個性的で面白かったです。
ファンタジーの中に現代人の要素(タイパ、SNSの承認欲求等々)の組み合わせはハマるところもあれば、ちょいくどいかなと思うところもあったりとで、地続きのストーリーではあるんですが、1本筋のストーリーとして観たかったなというのが本音ではあります。
後半ではりせが自分の行動は正しいんだろうかと悩み苦しみ、その行動が透明人間になったり自分とは全く別の形になって罪の意識を持ってしまったりと、色々抱え込んでしまう様子はとても分かるなと猛烈に共感してしまいました。
そんなりせを助けに来てくれて、好きなものをたくさん喋ってくれるアリスの明るさには救われっぱなしでした。
最終的に辿り着く"推し"がいるからこそ日々が輝くという着地にはもう共感しっぱなしで、アリスが近くにいるからこそりせも前を向いて歩いていっているというハッピーな終わり方も好みでした。
声優陣は本職の方々の方が少ないのですが、皆々様上手かつ本人のイメージとは全然違う役になっていて驚きました。
原菜乃華さんは「すずめの戸締り」の時もお上手だったんですが、今作ではラップ披露含め感情の大きい子なのもあってより表現豊かになっていて凄かったです。
マイカ・ピュさんの天真爛漫なアリスもバッチリハマっていて、アリスがピョンピョン飛び跳ねているところとかもうニコニコしながら観れました。
キャラクターにハマりつつ、自分の色を出す、理想的な配役だったなと思いました。
少し物足りないところはありつつも、P.A.WORKSのアニメーション、自己肯定というテーマも盛り込まれていて楽しめる作品に仕上がっていました。
オリジナルアニメはやはり健康に良いです。
公開されたらもう一回観に行こうと思います。
鑑賞日 7/22
鑑賞時間 18:30〜20:35
鑑賞方法 先行試写会にて(舞台挨拶あり)