劇場公開日 2025年4月11日

「正当進化の第2弾!」ベテラン 凶悪犯罪捜査班 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0正当進化の第2弾!

2025年4月15日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

2015年のヒット作「ベテラン」のシリーズ第2弾。シリーズ作品であることを知って、慌てて前作を鑑賞し、公開4日目に鑑賞してきました。平日の最終上映回といこともあり、観客はまばらでしたが、前作以上におもしろい作品でした。

ストーリーは、悪行が疑われながらも法律で裁かれることのない者たちが殺される事件が相次ぎ、ネット配信を中心に盛り上がり、犯人を善と悪を裁く伝説の生き物になぞらえて「ヘチ」と呼び、一連の連続殺人を悪人に正義の鉄槌を下す行為だとしてもてはやす中、捜査に乗り出した熱血ベテラン刑事ドチョルたち凶悪犯罪捜査班が、ヘチの正体と事件の真相に迫っていくというもの。

立ち上がりは、前作をきっちり踏襲して往年のヒットナンバーに乗せての潜入捜査。今回は「Yes Sir, I Can Boogie」をバックにミス・ボンが見事なコメディエンヌぶりを発揮し、突入するチームメンバーの軽いノリにも笑わせてもらい、オープニングからすでにご機嫌です。

その後、別作品かと思えるようなシリアス展開も前作同様ですが、事件の核を私刑執行人とネット配信という現代テーマにアップデートしています。前作では財閥を取り上げていましたが、世の中の風潮を反映した犯人像を描いているところに、作り手のこだわりを感じます。

そして、このアップデートはドチョル自身にも求められていきます。悪党に毅然と立ち向かい、容赦なくねじ伏せてきたドチョル。そんな彼に憧れを抱き、必要以上に強力に犯人を制圧する新人刑事パク・ソヌに、ドチョルは自分の姿を客観的に見せつけられたような思いがしたのではないでしょうか。並行して描かれる息子の問題もあわせて、ドチョルが揺れ動くのも見どころの一つと言えそうです。

また、事件の真相をめぐって少しずつ真犯人に近づいていく展開も、二転三転して楽しませてくれます。いかんせん匂わせが強くて早い段階から犯人の予想がついてしまうのはちょっと残念ですが、それでも終盤にかけてよい盛り上がりを見せてくれます。

クライマックスはやっぱりドチョルの大立ち回りで、腕の立つ犯人を相手にボロボロになりながらも辛勝を収めます。ド派手なアクションこそありませんが、こうしてドチョルが等身大の刑事として描かれているのは悪くないです。帰宅後に家族でラーメンをすするシーンもなんだかほっこりします。

最後まで楽しく鑑賞できたとはいえ、サイコ野郎とも思える犯人の狙いはなんだったのかと、モヤモヤしながらエンドロールを眺めていたら、まさかのポストクレジット!ですよね、そうこなくっちゃ!このキャラを使い捨てるにはもったいないですよね。次作でさらにヤバいやつとして帰ってきてほしいです。あと、アクションシーンのほとんどが夜で、せっかくのファイトがわかりにくかったので、次作は明るいところで暴れちゃってください。

主演はファン・ジョンミンで、前作以上にベテラン刑事らしい雰囲気を漂わせてドチョルを演じています。脇を固めるのは、チョン・ヘイン、オ・ダルス、チャン・ユンジュ、アン・ボヒョン、オ・デファン、キム・シフら。

おじゃる
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