劇場公開日 2025年4月11日

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「アクションは派手に、でもモヤモヤも感じた」ベテラン 凶悪犯罪捜査班 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 アクションは派手に、でもモヤモヤも感じた

2025年4月14日
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鑑賞方法:映画館

前作から10年。続編が作られるペースとしてはかなり遅い。それでも前作が好きだったから続編ができたことは単純に嬉しかった。
暴走したり、ちょっと過激な発言をするドチョルは健在だったし、チームのメンバーや上司との関係性も変わらない。今回、チョン・ヘインが加わることでアクションがちょっと派手になった印象。あの雨の中でのアクションシーンはなかなか見ごたえがあった。
それでもちょっとモヤモヤが残ってしまう。それは犯人のバックボーンがあまり語られなかったこと。犯人がなぜあんな殺人を繰り返すようになったのかが伝わってこなかった。いや、犯人の心情なんて語られなくてもいいのかもしれない。ファン・ジョンミン演じるドチョルが大暴れすればそれでいいとも言える。でも、すっきりしないのだ。
前作は、金と権力に物を言わせて横暴を繰り返す財閥の御曹司を最後にドチョルが逮捕する。ものすごく嫌なやつ(わかりやすい悪)を倒すことで観客がスカッとするという、この手の物語に王道とも言える構図になっていた。本作はそうではない。連続殺人を起こしている犯人はこの時点で悪なのだが、殺されるやつらも悪の側面があるから微妙な感じになってしまう。
息子がいじめられていることもドチョルの行動に影響を及ぼすというのも少し寂しい。現実的にはそんな対応の変化が求められるし、それは喜ばしいはずだ。でも、これは映画の世界だもの。暴走したり、周りに迷惑をかけながら犯人を追い詰めていくベテラン刑事を観たいじゃないか。
さらなる続編が示唆された終わりだったので、3作目では変わらずドチョルが暴走する姿を観たいものだ。

kenshuchu
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