「草笛光子の、粋でカッコいいハマり役!」アンジーのBARで逢いましょう かいぬしさんの映画レビュー(感想・評価)
草笛光子の、粋でカッコいいハマり役!
草笛光子さんの魅力がいっぱい! 「アンジー」はまさにハマり役! 粋でカッコよくてかわいい🩷
『在りのままで進め』の松本動監督最新作は、なんと草笛光子さん主演!『アンジーのBARで逢いましょう』。監督のご好意でマスコミ試写にて鑑賞させていただきました。
冒頭のコートの裾から入るショット、いいですね〜。ここに被ってくる音楽(アンジーのテーマ)も良い。
女性の風来坊ってあまり聞かないけど、ふらっと町に現れた「アンジー」は、オシャレで威風堂々としていて粋でカッコいい!
私にとっての草笛光子さんは、市川崑監督の「金田一耕助」シリーズからなんだけど、『老後の資金がありません!』『90歳。何がめでたい』で近年また再ブレイク。本作は映画史上最高齢(撮影時89歳)での主演作品となった。
謎だらけのアンジーがバーを開くのは、様々な曰く付きの呪われた店?
このアンジーの周りに集う俳優たちがみんな曲者。六平直政、黒田大輔、更には東京オリンピック開会式でも踊った舞踏家の工藤丈輝と超個性派揃い。
バーの向かいの美容院には『在りのままで咲け』(短編)で怖〜いお母さん役だった松田陽子さんが今度は優しいお母さん役で出てたりするのも松本動監督ファンとしてはうれしいところ。
また美人女子プロレスラーの駿河メイが初映画出演と、話題性もいっぱい。
もちろん、寺尾聰や田中要次、石田ひかりやディーン・フジオカなど、他にも大物俳優がずらりと出演しているのだが、個人的にはワンシーンではあるんだけど、沢田亜矢子の婆さん「すげ〜!」というのが一番(笑)!
「ああいう言葉を呪いって言うんだよ。本当に怖いのは人間だけだ」
「まだこんな気持ちが残ってたんだなぁ」
「過去にこだわると食い殺されてしまうからねぇ」
作品中にはアンジーや仲間たちの名言がいっぱい!
そして、アンジーと関わった人たちは、それまで世捨て人のようだった大人たちも、今まで自分に自信が持てなかった若者も、みんな顔を上げて明日に向かって歩き出す。
脚本は『うなぎ』『十三人の刺客』の天願大介!
これは確かに「幸せなおとぎ話」。今の草笛光子さんの魅力がいっぱい詰まった『アンジーのBARで逢いましょう』、オススメです。
*アンジーのバーの名前”NOBODY’S FOOL”、「騙されない」って意味です。これがまた意味深!