劇場公開日 2025年4月11日

「ゲッベルス=映画プロデューサー」ゲッベルス ヒトラーをプロデュースした男 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ゲッベルス=映画プロデューサー

2025年5月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ゲッベルス=宣伝、プロパガンダプロデューサーとの触れ込みで、
ナチスでは間違いなくそうだと思うが、
この人が今の時代の人だったら、映画プロデューサーとして名を上げたかもと感じた。
そのくらい優秀なプロデューサーだと思う。

ゲッベルスは人間らしい心の持ち主だなと感じたのが、
ユダヤ人と付き合っていたことがある、女性と恋に堕ちたら突き進む、
ナチスにおいても平和を全面に押し出した宣伝活動をしていた、といったエピソード。
これ、ヒトラーにも同じように、人間らしさが垣間見えるエピソードを差し込んでいるので、
今までの彼らへのイメージが少し変わった。人間だったんだなと。

一方で、ナチスの大虐殺やら戦争の最前線で起こっていたことには、目を向けていなかった模様。
あくまでもデスクトップで物事を考えて指示をするだけであり、現場なんて見ていないがゆえに、
自分に直接関わらない人に対する心がない。
ヒトラー次第で自分の常識を変えざるを得ない状況になれば、自分を差し置いてでもそう動く。
もはや皆狂った状態だったのだろう。
これほどの大量殺戮は史上類を見ない。
この経験をした人類が、いまだに戦争が無くせない現状をみるにつけ、なんと学ばないことかと思う。
そういう生物なのかもしれない。

本作は出オチで始まり、
ラストはそこへ収斂されていく。
様々な実際の映像も折り込みながら、映画にして見せていく手法は
リアリティの追求としてはアリだと思った。

それにしてもナチスを取り扱う映画はそこそこ集客力がありそう。
みんな興味はある。でも戦争は無くならない。

ひでちゃぴん