FEMME フェムのレビュー・感想・評価
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スパイスの効いた作品
普段見ないジャンルなのでスルーしていましたが、評価が高いので気になった作品。今週終映とのことで滑り込んできました。
結果、大正解でした。とても見応えがありました。
まさか、見終わった瞬間の感情が「切ない」とは予想もしてませんでした。主人公の複雑な感情がとてもよく伝わってきました。葛藤の末のステージ上の発言は、許してあげたい。でも、元はと言えば主人公も結構悪い。
途中のゲームきっかけの人間関係の転調も絶妙だし、結末も完璧でした。
ただ、かなり性的絡みも多いし特殊な世界のお話なので、知人におすすめはしづらい…からここでおすすめしときます。
帰宅後ネットで主人公達のインタビュー動画を見ました。まるで別人に見えます。演技力に脱帽。
多彩な表情と感情の変化に釘付け
セクシャルマイノリティの難しい部分
ヨーロッパ方面の映画という事で
おそらく日本人には中途半端に映る結末は想定していました
が僕はその通りその先どうなるの!
という結末ではありました。
ゲイサウナの場面や性描画もあるので
理解されるかわからない部分もあると思いましたが
自分を受け止められる人とそうでない人
その中にある感情の複雑さ
ゲイである事に悩み始めた時期に感じた感覚にい似た感想を持ちました
そして見た目と感情の狭間
揺れ動く感情
そして最後のやりとり
そして最後の手の動き
プレゼントとそのメッセージ
この映画が表現されていた
だからこそ
日本人の僕には
そのさき!
と思いましたが
セクシャリティーに関係なく
たくさんの方に見ていただいて
考えてもらえるきっかけになればと思いました
珠玉の拗らせ愛
こんな拗らせ系BLが実写映画で観れるなんて…が、見終わった後にまず出た一言。
(真面目な映画にこんな感想ですいません。もちろんこれは褒めています!)
狂犬のようなプレストンと、復讐のためにプレストンに近づくジュールスの緊張感に溢れたやり取りがたまらないです。
自分を暴行した男と知りながらも、プレストンの抱える闇に触れて、復讐心とプレストンに惹かれる気持ちの狭間で揺れるジュールス。
プレストンはゲイフォビアを装いながらジュールスと関係を持つ過程で、自分の生き辛さを自覚し、ますますジュールスとの関係にのめり込む。
プレストンのジュールスにだけふとした時に見せる、リラックスした表情が…いいんですよね。
プレストンの弱みをジュールスは復讐に利用しようとするのだけど、皮肉にもその弱みが二人の関係を強固にしていくのです。
途中まではジュールスが復讐を忘れて、このままハッピーエンドになったらいいなーと見守っていましたが、まあ二人とも拗らせてるんでね…
急転直下からのエンドが切なすぎる。
拗らせ愛の結末としては完璧、だと私は思いました。
ジュールスはドラアグクイーンで、ステージ上ではいかにもな見た目なんですが、ノーメイクだとどんどん美人さんに見えてくる不思議。
プレストンは冷たい目とガチムチの身体で、その筋の人にはたまらないんじゃないかと。
演じた役者さん、二人とも最高でした。
特典でポストカードをいただいたんですが、映画を観終わってから見返すと涙出ますね。
考えた方、どなたですか??
(座布団10枚差し上げます)
恋愛映画の変化球
惹句ではドラッグクィーンによる復讐劇となっていますが、ベースに流れるのは恋愛映画のテイストですね。
ただ加害者が隠れゲイなので、同性愛嫌悪という真逆の態度を取らざるを得ず、それを逆手に取った脚本がなかなかに面白いです。またSNS、格闘型ゲーム、偽ブランド服など小技も効いています。
被害者ジュールスは当初は復讐目的があったはずなのですが、支配被支配の立場の逆転もあり、終盤は赦しの感情に変わっていると思います。そうでないと再出発のステージで加害者の服をリメイクして使うなんてことはしないでしょう。
復帰ステージは残酷な展開(二人の表情が切ない)ですが、将来へ希望を残すラストが用意されていたと私は見ました。
18禁だし、ゲイサウナの描写などもありちょっと敷居の高い作品なのですが、いろいろ皆様のご意見を伺いたくなる一作でした。
癖どストライクwww
俳優って大変だな。
手に負えません!
解釈に困ると、僕の中にある人格のうち小森和子さんが登場する時がある。
たまに、本当にたまに1年に2度3度くらいである。
おばちゃまがスラスラ代弁してくれるのである。
本作のエンドロールを観ながら僕が唸っていると、
おばちゃまが話しだした。
おばちゃま、よく分からないけど、
なんかね凄い映画を観たなぁって、ドキドキしながら、
どうなっちゃうんだろうって、先が気なって気になって、
ハラハラしながら観てたのよ。
主演の2人が魅力的で目が離せなかったわねぇ。
セフレ以上恋人未満。
なのか、こういう心情、僕にはよく分からなくて、
おしり探偵でもないしクレヨンしんちゃんでもないから、分かりません。
おチリの穴にこだわったことも、悪ぶったこともムショのお世話になったこともないので、全く未知の世界です。
隠れおチリの穴フェチ(隠れホモなのかもわからない。本編観ている限りは
男のおチリの穴にこだわりのある野郎、
って感じ)と、
ドラァグクイーン(男からのDVに酔っている感じ?としか見えない)
の手に負えない映画。
小森のおばちゃま。
何度か映画会社の試写室やホール試写の時にお会いして、
六本木のお店にはうかがえませんでしたが、御人柄も可愛い方でした。
素晴らしかった。
昨日観た「ベイビーガール」と導入が似ていて、驚いた。
社会的なモラルと、個人的な性嗜好は全く別に存在していて、しかしモラルを保ち心理的安全性を確保した状態でのセーファーセックスは可能ということを示した「ベイビーガール」。
それと似た題材で、しかしもっと複雑に個人の内面を表出させたのがこの「フェム」である。
終り方は「ベイビーガール」の方が好みだったが、「フェム」の方が何倍も面白かった。というか今年暫定ベスト。最高だった。
最初のパワーゲームもハラハラしたし、段々とプレストンの弱みが見えてくるのがまあ良かった。ここが「ベイビーガール」との違いなのかもね。あのインターンって、本当にオムファタールそのものって感じで、人間味なかった。本当に怖い存在。だからこそあの映画は、夫と健全な行為がラストにくるんだけど。(まあそれも家庭に帰着するというのはやや保守的だが)
フェムは、プレストンの心の闇を描いたことで、社会を描くことに成功したんだと思う。
あのプレストンでさえも、ホモソーシャルな空気に飲まれていただけだと知ったジュールズが、それでもなおプレストンに寄り添うだけでなく、自分の生を心から楽しむこと堂々と生きることを選んだのが良かった。良かったのだが、やはりそれが皮肉な結果を生む。それを見たプレストン側も痛みに気付き、傷つくのだ。二人の出会いを考えると、当然と言えば当然なのだが、どうしても社会を恨まずにはいられない。社会、というか家父長制か。
いやー、でも問題となるのはラスト。
勿論、あの皮肉な誕生日プレゼント(本物のパーカー…)は本当に切なかったし、あのパーカーこそプレストンの存在そのものだったんだ、って気づいて大変上手だなと思ったんだけどさ、やっぱりさ、ハッピーエンドを期待するじゃない……。あの、あとどれだけでも待つのでもう30分続き作ってくれませんか?という心境。もっといける気がした。
プレストンが気にしてるギャングたちの事もやや宙ぶらりんな気がしたし、ドラァグパフォーマー仲間ももうちょい活躍できそうな気がする。そしてなにより、ジュールズとプレストンは殴り合いをしたけど(それも良かったのかもしれないけど)、もっと対話が必要なんじゃないかい!?
あのオープンエンドの先には、我々が勝手に想像していいハッピーエンドがあるんだけどさ、それよりも本当に視覚的に見せてもいい希望があの物語の続きにはあるんじゃないんかい!?
やっぱりああいう形で出会ってしまった二人にそれは許されないってことなのかい……。。
まあそんな願望は置いておいて。
なにを差し引いても本当に最高な傑作でしたよ。ありがとう2025年。
わたしはもう今年けっこう満足した。
痛そう
ナイトクラブでドラァグクイーンとしてステージに上がってたジュールズは、タバコを買いに行った店でタトゥーの男プレストンに悪態をつき、彼らから暴行を受け、その後引きこもりとなった。3カ月後、ジュールズはゲイサウナで偶然プレストンと再会した。プレストンに復讐しようとしてたジュールズは彼に接近し、セッ○スをしていくうちにプレストンの葛藤を知り、ジュールズの感情が乱れ・・・そんな話。
評価が高いけど、どうもBLやゲイが苦手で、汚い話だけど、太いう○ちした時に切れた事を思い出して、肛○が反応してしまった。
23センチって言ってたけど、痛そう、という感想しか持てなかった。
復讐しようとしてた相手に近づく為とはいえア●ルセッ○スした時点で何を考えてるのか意味不明だった。
合わなかった。
春麗vsシャドルー
ヒャッハーにボコられたドラァグクイーンが、偶然再会した自分を襲撃した男に仕返しを謀ろうとする話。
煙草を買いに行った店で冷やかされ、減らず口で応戦したら、後を追われてボコられて、引き篭もること3ヶ月…久々の外出でそういうサウナに行ったら、なんとアニキがいて巻き起こっていくストーリー。
あらすじを読んでいなかったら、復習しようとしているということが少々判り難い序盤だけれど、アフロディテ・バンクスであることがバレないように、そしてプレストンがキレるラインを越えないように、心のキズと戦いながらご機嫌を伺い、手綱を握る機会を伺い行動していく展開がとてもスリリング。
そしてあらすじ紹介に少々書かれ過ぎだけれど、そこは皆に愛されるドラァグクイーンならではの感情の変化が相まってとても面白かった。
真実の愛を知らない私はまだ本当の自分を知らない
余韻残る映画
どっち??
こういうジェンダー系トピックの作品は好きです。
あらすじでは主人公が復讐を目論んで
相手に近づいた末に葛藤が芽生えるように書いてあるけど、激しく求め合う恋人ができたようにみえる。
だからこそ最後はとても切ない。。
『レッドロケット』よろしく主人公が
あられもない姿で街中を闊歩するけど
都合良く、その姿に気付く人はいない。
リアクションする人がいるとエンディングになれないんだろうけど、どちらかと云えばストーリー的な着地点を求めてしまう。
ジェンダー問わずリベンジポルノには
気をつけなければならないし
してはいけないですね。
自身のジェンダーや性的嗜好がマイノリティであるとの自覚から、同類他者へ攻撃的な振る舞いをする人もいるのだなという学びになりました。
人間とは葛藤と矛盾を抱える生物
ゲイフォビアのプレストンに暴行されPTSDに陥ったドラァグクイーンのジュールズ。ところがハッテン場で存在するはずのないプレストンを発見。最初は復讐の為に近づくジュールズだったが…
やがて内に秘めたセクシャリティを持つ者同士として別の目的で近しくなっていく2人。ゲイである事をオープンにしているジュールズとクローズにしていたプレストンの、両者のパワーバランスが時折逆転する展開も巧み。「ドラァグは単なるフェミニン表現ではなく、ジェンダーと権力のパフォーマンスそのものを象徴」とする監督のコメントが腑に落ちる。ゲイであるか否かという以前に、人は葛藤と矛盾を抱える生物なのだ。
当然ながら2人に待ち受ける顛末は悲しすぎるし、特に2人をつなぐあるアイテムが余計切なさを煽る…でも目が離せない。
プレストン役のジョージ・マッケイは『トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング』では実在した荒ぶるギャングを演じ、奇しくも日本で本作とほぼ同時期公開の『けものがいる』でも複雑な役どころをこなすなど(作品自体も結構クセあり)、出演作選びに芯が通った俳優だと思う。
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