「Straight」FEMME フェム ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Straight
ドラッグクイーンの復讐劇という予想できそうでどう転がるか分からない話にそそられて鑑賞。
特典はキラキラポストカードでした。
思っていた方向とは違う方向へ行きましたが、その方向がとても好みかつ面白く、それでいて切ないと来たもんですから観ていた時の感情はわったわたでした。
同日公開の「ベイビーガール」と切り口は近く、今作は加害者と被害者、「ベイビーガール」は上司と部下という構図だったのですが、展開はかなり違うものになっていたのも興味深いところです。
ジュールズとプレストンが再会したのがゲイ専用のサウナという側から見ると異質な環境で、あちらこちらでAFが繰り広げられるという大変(彼らにとっては社交場)な場所での再会で、すぐさま復習を企てるために近づくというのが視線だけで表現されててゾッとしました。
そこから車で出かけたり、プレストンの自宅へ行ったり、一緒にご飯を食べたりとしているうちに、復讐心は据え置きでいち友人として見れるようになっていたのも面白い変化だなと思いました。
立場が逆転していく様子がスリリングに描かれているのもとても良かったです。
最初は主従関係に近い感じでジュールズを支配していくプレストンでしたが、仲間内にゲイである事がバレそうになった時やハメ撮りを隠し撮りされそうに焦ったのをきっかけに徐々に保っていたと思っていたバランスが崩れ出すのもスリルがありました。
ストリートファイターでバチバチにやっている時のジュールズはとても活き活きしていましたし、ジュールズに触れたくてドギマギしているプレストンはもう可愛げのある少年のようでした。
ネイサン・スチュワート=ジャレットの声色の変化や仕草の仕方がもう素晴らしすぎて…。
ドラッグクイーンである時やプレストンと2人きりの時は少し高めの声で、仕草は女性のような柔らかそうな動きをしていて、表情も乙女の顔をしていたりと本当に圧倒されていたところで、男としての振る舞いが来た時のインパクトは凄かったです。
声のトーンがグッと下がって、動きも表情もワイルド寄りになっていたりと演技の振れ幅がギュインギュインしていてハートは鷲掴みにされていました。
ジョージ・マッケイもこれまた素晴らしく、最初は読めない表情や行動に振り回されていたのに、立場が逆転してからの情けなさやなりふり構ってられないと思ってからのアクションだったり、心情の揺れ動き方が静かに、それでいて派手で美しかったです。
R18+か?と聞かれると直接的な描写は特別多くないのでR15+とかでいいのでは?と一瞬思いましたが、めちゃくちゃAFしてたのでそりゃR18+だわと1人で解決しました。
イチモツをア○ルに突っ込むという経験はした事ないですし、するのもされるのも痛そうすぎてご勘弁ですが、好意があればあれも快感になるのかなと今作を見て思いました。
ただ今作のAFは痛そうに見えなかったのは主演2人の感じ方が気持ちよさそうに見えたからでもうお見事としか。
多様性が謳われる現代で、ここまでど直球に恋愛の切なさに昇華した今作のドラマは凄まじかったです。
心情が複雑なラストもこれはこれで味のあるものでしたし、100分ない時間で詰めれるところ全部詰め切った製作陣と役者陣に大感謝。
鑑賞日 4/2
鑑賞時間 13:25〜15:10
座席 D-8