ノスフェラトゥのレビュー・感想・評価
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えっ、そっち??
1922年の「吸血鬼ノスフェラトゥ」は観たことがないが、ヴェルナー・ヘルツォーク監督、アジャーニの「ノスフェラトゥ」(日本公開は'85)は観ているが、いわゆるド真ん中のものはあまり関心がなかった。漫画「怪物くん」のクラシックモンスターは茶化されるキャラクター設定が当時ガキだったオレにとっては、恐怖の対象にはなりえなかった。
吸血鬼もの、というと、オレらの世代だと、なんだろう。コッポラの「ドラキュラ Bram Stoker's Dracula」('92)、クルーズの「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」('94)、「フライトナイト」、変わり種で「スペース・バンパイア」('85)といったあたりが思い出深いが、その象徴は共通して、「エロス」。
ノスフェラトゥ、の意味とは一説によると「不浄な者」、「病を含む」などあるらしいが、まあ、そういうことは映画を観れば、おおよそのことはその解釈でよいが、不浄に性的な意味をもたらせば、ふしだら、みだら、といったことになるだろうし、オレはそういうジャンルだと思ってみている。「エロス」がなければ、ゾンビもの。
だが、そのジャンルよりも本作を上半期最大期待作とさせるのは、あの「VVITCH」で鮮烈デビューを飾ったロバート・エガース。しかし、そのデビュー作から、ちょっとずつ、明らかに作品の評価が下がってきているのだが、本人、オリジナルに憧れ、長年の思いを込めたらしい。
「ノスフェラトゥ」
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エガースの前作「ノースマン 導かれし復讐者」(’23)は土着嗜好にこだわりの映像に評価はするが、話が全然面白くなく、豪華俳優陣も紙芝居的演技。期待した分、落胆も大きかった。で本作。
序盤のデップの祈りが「VVITCH」の続編か!と思わず膝を打った。ちゃんとエロスを感じさせるオープニングに喜んだのもつかの間。
前リメイク版(オレの場合、ヘルツォーク版)と大筋は変わらないのだが、シンプルな話をもったいぶった映像とコテコテCGでまぶしていく手法にうんざり。
禍々しさや妖しさが足りない一方で影絵な演出もあって、ギャグかと思った。
衣装に至っては、本当にその良さが暗さのせいで台無し。ゴシックホラーって全編真っ黒だったり、無意味に照明を使わない手法がそうだ、と言わんばかりの撮影にイライラ。ほんと、アカデミー賞ノミネートって信じないほうがいい。
一方の演者の方も、残念。
デップには荷が重い。顔芸と屈伸振動運動と広いオデコしか印象にない。やればやるほど、「エクソシスト」('73)のパロディか、と。オレと同じ世代の観客は「ノスフェラトゥ」が「エクソシスト」をパクったんじゃねえか、と思ってしまうから、要注意。っても「エクソシスト」もクラシックで、まあ、どっちがパクろうが、どっちでもええがな、ということなんだけど。(「エクソシスト」の「悪魔」はまあ、パクってるし、自己犠牲もそうかな。)
でもこの役、難しいよね、ネズミの大将が、子分(と疫病)を連れて、ヤリに行く相手なのだから、それほどの女かとみればオデコしか目に入らなくなる。
ネズミがわんさかくるのに、デップとデフォーのそばにいる猫は、善の象徴なのかもしれないが、実際何の役にも立たない。
ホルトは素晴らしき「悩める男」(オレは勝手にクルーズの後継者と思っている)も画面が暗いこともあり、その良さが発揮できていないように見える。(どうせなら、ヘルツォーク版の如くレスタト誕生をやればよかったんじゃねえかとも思ったりして)。デフォーも今回は取り立てて言うことなし。
そして、個人的期待のエマ・コリン。「チャタレイ夫人の恋人」(’22)でドキドキいただき、「デッドプール&ウルヴァリン」で大物2人をクッた彼女。
「えっ、そっち?ブラムストーカー原作側の方じゃないの??(ストーカー原作よりだと、ムフフ)」とゲスいオレは、ショック&ガッカリ倍増。
で主役のスカルスガルド。旧「ノスフェラトゥ」のハゲ、ネズミ出っ歯にすると、ペニーワイズまんまになってしまうので、どうしてこの人にキャスティングしたんだろ?と思いながら、その姿がはっきり見えたとき、「えっ、そっち??」
エガースはあれかな、あっち側の人なのかな。別に構わないんだけど、ハゲひげマッチョだとそう見えてしまうのは、すまん。偏見だと思うが、そうすると、いわゆる男性目線の「エロス」は興味がない、控えめになっても仕方ないのかもしれないが。
その姿を「あえての」悪の象徴(病の象徴)とするのであれば、「忌み嫌っているか」、デップのように「自己犠牲」をもって、悪と向き合う(抱き合う)のか、どちらとも取れそうだが、たちが悪いのは、冒頭邪悪なものを招き入れ(あるいは無理やりに襲われた)、そのトラウマを抱えて生きてきた主人公が、「(夫への)愛は世界を救う」と言いながらも、結局そのトラウマの相手としか満足できない、という「低俗な」結末にもとれることだ。
これでは、「エロス」を描きようがない。
だが、もはやオレにはどうでもいい。
追記
本作、双子の子供が「VVITCH」に続いて出てくるんだけど、本作でも容赦ない。興味深いな、エガース。
意外と好き
吸血鬼映画好きなんですよね。ビル・スカルスガルドくんとニコラス・ホルトくんが出てるのも嬉しかったです。
物語の始まりはエレン(リリー=ローズ・デップ)が伯爵(ビル・スカルスガルド)の眠りを解いてしまい、伯爵と結ばれるところから始まるだけど、もうこの時に結末は決まっていたんだと思います。愛するトーマス(ニコラス・ホルト)と出会い幸せな生活が訪れると思っていたのに、トーマスは導かれるように伯爵の元に行き屋敷から出られなくなってしまう。
トーマスを待ち続けるエレンは何かに取り付かたかのように我を失い、助けてくれていた友人夫婦の手にも負えなくなってしまう。伯爵の思惑通りに動かされている2人が、どうにかしてそれに抗おうともがき苦しむ姿をこれでもかと見せられるんだけど、とにかくリリー=ローズ・デップはめちゃくちゃ頑張ってたと思うよ。取り憑かれた演技が凄かったもんね。
始めはトーマスの味方をしていた私ですけど、なんだか伯爵が一途でちょっとかわいく見えてくるんですよ。ラストでやっとエレンを手に入れた時も、がっつきすぎて夜が明けるのも気付いてなかったし。2人で息絶えるラストがめちゃくちゃ好きでした。美しかったな〜。
60点
リメイク
1922 吸血鬼ノスフェラトゥ
1978 ノスフェラトゥ
1992 コッポラのドラキュラ
2024 ノスフェラトゥ
エクソシストのパクリ
エレン(レ二)
首には噛まない
長い
デフォーかっけーな
めっちゃ怖いかと思いきや展開が読めず面白かった!
吸血鬼を倒す方法が独特なんも👍
フリードリヒ家が可哀想すぎたけど。
ウィレムデフォー出てるって知らんかったけどいいところ全部持ってった🤣
ロバート・エガースが吸血鬼の始祖を新蘇生させるのは“神の摂理”だった
ロバート・エガース監督の勢いが止まらない。
『ウィッチ』で鮮烈なデビュー。個人的に超インパクトの『ライトハウス』。『ノースマン』も意欲作。
どちらかと言うとビジュ爆発のアート系の印象だが、ここに来て興行的にも当ててきた。
本作は世界興収1億8000万ドル超えのヒット。
また一つキャリアアップさせたエガースが挑んだのは、100年以上も前の1922年にドイツで作られた吸血鬼映画の古典『吸血鬼ノスフェラトゥ』のリメイク。
自身も多大な影響を受けたらしく、何だかピーター・ジャクソンが『キング・コング』をリメイクした時と通じるものを感じ、密かに期待していた。
現ホラー/スリラーの鬼才が蘇らせた吸血鬼の始祖の怪奇と耽美な世界に酔いしれた。
1922年のオリジナルとヴェルナー・ヘルツォークによる1978年の最初のリメイク版は昔見た事あり。どちらも印象的だが、ぶっちゃけ1922年版の製作舞台裏を仰天設定で描いた『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』の方がインパクトあり過ぎて…。
話はほぼ踏襲。と言うかオリジナル自体、ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』を非公式に翻案したもの。要は、『荒野の用心棒』なのである。
お馴染みの話って、客観的に見るとツッコミ所や失笑所もあり。ノスフェラトゥは立派なストーカー。トーマスを騙して署名させ、ちゃっかり妻エレンからのロケットを盗む。重い腰を上げて現れて、ペストも流行させて大迷惑。求めた女の血を夢中で吸っている余り、朝になっている事に気付かず、陽光を浴びて御陀仏。閣下、お戯れを!(だから『レスリー・ニールセンのドラキュラ』なんて作られた…?)
そこをエガースは、呪われし運命、おぞましき愛、自己犠牲などを強調。怪奇色の強かったオリジナルに悲劇性を濃くし、独自視点で新構築した。
ビジュアル面は期待に違わず。
ヘルツォーク版はくっきりとしたカラーだったが、本作は所々モノクロを感じさせる色調。これがオリジナルへのオマージュやゴシック感を際立たせる。
壁やカーテンに浮かぶノスフェラトゥの影の演出も雰囲気抜群。サイレントでもあったオリジナルに対し、本作は音でも聞かせる。
オスカーにノミネートされた映像・美術・衣装・メイクは言うまでもなく。
殺人ピエロから吸血鬼になったビル・スカルスガルド、エガース作品常連ウィレム・デフォー、ニコラス・ホルトやアーロン・テイラー=ジョンソンらのアンサンブルもさることながら、キャストのMVPはリリー=ローズ・デップだろう。
ノスフェラトゥと繋がり、夜な夜な悪夢や痙攣発作に苦しめられる。捨て身のような憑依怪演と顔芸は唖然…。
すっかりゴシップスターとなった父親だが、かつては鬼才やインディーズの意欲作に引っ張りだこの演技派だった。その血を受け継ぎ、新星の誕生。もうただのジョニー・デップの娘なんかじゃない!
念願の作品を成功させて余韻に浸る事なく、期待度大の作品が続々待機。
ウィレム・デフォーを主演に迎える『クリスマス・キャロル』の新映画化、吸血鬼に続いて『狼男』のリメイク。
ロバート・エガースからますます目が離せない!
美しい
しっかりと踏襲しつつ
ロバート・エガース監督は、前作「ライトハウス」もそうだった様に、決して商業的に成功する様な作品では無いが、観た後に深い余韻を残す作品を作るのが上手い。本作のオリジナル作品なんて現代においてはもう観た人の方が少ないのでは無いかと言うくらい何十年も昔の作品になるのだが、それを現代の解釈で再映画化したとて…と思ってしまう所もある。しかし観るとやはり唸らされる作品になっているのである。
しっかりとゴシックホラーの風格を呈し、演技力の高い役者陣で固めただけあって作品から放たれるオーラはケタ違いである。ビル・スガルガルド演じるオルロック伯爵も現代風ではあるが、それでも古臭さを感じさせない程度の古風な佇まいで、キャラクターとして成り立っている。記憶ではオリジナル版のオルロック伯爵はあそこまで喋らなかった印象だったが、恐らく“怪物"としてでは無く、1人の“登場人物"として描いているという事なのだろうか。
正直オリジナル作品を正確に覚えてはいないが、新解釈という冒険はせずに、基本ストーリーはそのままになっている。不動産の契約から街にオルロック伯爵がやって来る迄のストーリーもほとんどそのままと言って良いだろう。吸血鬼伝説が語られる様になったちょうどその頃、巷ではペストの大流行が起き、近年で言うところの新型コロナウイルスの世界的パンデミックと近い状況だった。そのせいもあって、吸血鬼がネズミと共にペストを広めたという説も実際にあるのだが、吸血鬼とペストと言う、どちらも“未知の存在"が街を闊歩する中で漂うあの終末感はかなり不気味で怖かった。
ドラマ、「THE IDOL -ジ・アイドル-」が酷評であり、脇役のBLACK PINKのメンバー、ジェニーに高評価が集まり、どこか体を張った演技が無駄に感じてしまったリリー・ローズ=デップが本作でも体当たり演技を披露してくれている。女優魂というべきなのか、思わず笑いが出てしまう位の目玉をひん剥いた変顔で罵るのは反則である。彼女はオルロック伯爵から好意を抱かれる存在なのだが、ニコラス・ホルト演じる主人公の妻を迎え入れるという自分勝手な契約書(しかも人間は読めない)を交わし、その為にわざわざ病気持ちのネズミをわんさか従えて国中を混乱に陥れるなんて、バカな男だなと思うが、あれだけ孤独に籠城していればそうなっていくのだろうか。ラストを観ると彼の人生がどう言うものだったのか、知りたくなる様だ。恐らくこんな企画はそうそう生まれないだろう。面白いかそうで無いかでは無く、映画が好きなら観るべき作品だと思う。
おい、おいおいおい、おい
この監督の画作りは以前から好みだが、ここまでしっかりヤラれると重厚さを通り越して笑えてきた。
(僕が、お笑い体質なんだと思う。
でもハートウォーム物はしっかり泣けるし、リズムある物は心も踊りだす、
ので本作は笑えるノスフェラトゥなのだと結論する。)
最初のうちはリリー・ローズ・デップさんの異変に
(だ大丈夫?)とマジメに観ていたが、
中盤になると
(あれ?あれ?あれあれあれあれアレ?)
となり後半からは
(ひょぇ〜、アヒャ〜、ハハハハハ?アンタ病院へ行きな
さい入院入院!)
とツッコミ出している自分を止められなくなった。
よかった映画館で観なくて、大笑いする自分に困る。
(ワンコは何事かと僕を凝視したが、いつものことだと
うたた寝をはじめた。)
タイトルなし(ネタバレ)
大好きなロバート・エガースが吸血鬼映画とゆうことで制作情報聞いた頃からオリジナル版も観たり、吸血鬼映画を未漁ったりして楽しみにしてたのですが
見終わったあとは、けっこう咀嚼が必要…とゆう感想でした。
期待通り、グロいし、ハードだし、ゴシックだし!なんだけど
1番受け取り方が難しく感じたのは、扱いが大きくなった(ほぼ主役!)エレンを性被害者として描き、オルロック伯爵を性加害者として、そして2人の間に絆があり、それは加害者からのグルーミングでもあるが
女性が抑圧され女性の性欲が不可視化されていた時代において開放でもあるように描かれているように見えるのだけど結局は出発が性被害なので、
どう受け取っていいのかと複雑な気持ちになってしまった。性被害者への誤解を深めかねない表現だとも、受けとれてしまうんでは…と日本の性加害への寛容さ(皮肉です)を考えるとなかなか複雑な気持ちに。
とはいえ、惚れ惚れする様な衣装や
オルロック伯爵の醜悪なビジュアル、エクソシストっぽい展開や、癇癪症として抑圧された女性の扱いと、デフォーの解決力の高さそうなフランツ医師がかっこいい!となりテンション上がりました。
それにしてもニコラス・ホルトの不憫な役へのハマり具合はもはや名人芸の域だと思ってる。
リリー・ローズもニコラス・ホルトもガイコツっぽい美形なので100億点のビジュアル。ロバート・エガースは役者を王道使いするのも好きなポイント。
次回作もロバート・エガースの作品が楽しみ!
悪夢的な映像美
ドラキュラ映画の元祖と言われるF・W・ムルナウの古典的ホラー「吸血鬼ノスフェラトゥ」を現代的なアプローチでリメイクした作品。
物語の大筋はほぼムルナウ版の「吸血鬼ノスフェラトゥ」と同じだが、細かな部分まで突っ込んで描かれいて、オリジナル版よりも深みのあるドラマに仕上がっているような気がした。
上映時間の違いもあるし、オリジナル版はサイレント映画なので単純に比較はできないが、現代風にアップデートされた”ノスフェラトゥ”という印象を持った。
例えば、エレンの苦悩はオリジナル版よりもじっくりと煮詰められており、それによってクライマックスの彼女の”選択”には説得力が伴ったように思う。
エレンを演じたリリー=ローズ・デップの熱演の賜物もあろう。特に、後半はもはや悪魔憑きと言わんばかりの怪演で周囲をカオスの渦に巻き込んでいく。正に体当たりの演技である。
ただ、シーンによっては間延び感が目立ち、若干テンポが悪いという印象も持った。じっくりと描くべき所と軽く流す所。そのバランスを図ればもっと観やすい映画になったかもしれない。
尚、本作の前にヴェルナー・ヘルツォークも「吸血鬼ノスフェラトゥ」をリメイクしている。そちらもオリジナル版を踏襲しているが、本作よりもコンパクトにまとめられている。ちなみに、ラストがムルナウ版と少し異なっており、ある意味で野心的な作品となっている。
製作、監督、脚本は「ウィッチ」、「ライトハウス」のロバート・エガース。氏にとって今回のリメイクは長年の夢だったらしく、オリジナル版には相当強い思い入れがあったのだろう。それは画面の端々から感じられた。
ムルナウ版はドイツ表現主義の傑作として名高いが、その最大の特徴は強烈な陰影演出にあると思う。本作にもそうした明暗のコントラストを利かせたビジュアルが各所で確認できる。
例えば、暗闇からエレンの白い顔が浮かび上がってくる映画冒頭のシーン、トーマスが森の中でオルロック伯爵が差し向けた馬車に遭遇するシーン等は、神秘的で悪夢的な映像美に引き込まれた。
また、終盤の不気味な影の演出などはオリジナル版をかなり意識していることがよく分かる。ノスフェラトゥと言えば、あの長い爪が印象的だが、そのシルエットがエレンに襲い掛かるスリリングな演出は白眉であった。
もう一つ、本作はプロダクションデザインの仕事ぶりも特筆すべきで、作品世界を見事に盛り立てている。オルロック伯爵の城はゴシックムード満点であるし、19世紀初頭の空気感を再現した町並みも、CGを駆使しているのだろうがクオリティが高い。
全体的に陰鬱なトーンで統一された画面が続くが、このあたりはエガース監督の映像感性だろう。寒色トーンはこれまでの作品から一貫しているように見える。メリハリに欠けるという印象もあるが、今回はそれも計算してるように思った。実際、クライマックスはそれまでの”暗”から見事に”明”に切り替わり、ドラマ的にもカタルシスを生んでいる。
キャスト陣では、オルロック伯爵役でビル・スカルスガルドが出演している。前半は顔のパーツのクローズアップや暗い影に覆われて表情がまったく見えない。中盤からようやくその全貌が露わになるのだが、そのビジュアルはかなりモンスター感が強く、彼が演じていることが分からないくらいである。オリジナル版の怪異性、ヘルツォーク版の人間臭さが後退しており、これも時代に合わせたアレンジだろうか。
また、エガース作品の常連ウィレム・デフォーがエレンを救うオカルト学者として登場してくる。少し軽妙な役作りが絶妙なアクセントとなっていて面白かった。
彼は、ムルナウのノスフェラトゥが本物の吸血鬼だったら…という架空の映画「シャドウ・オブ・ヴァンパイア」でオルロック伯爵に扮した怪優マックス・シュレックを演じていた。聞けば、本作も当初はデフォーがオルロック伯爵を演じるという話があったそうである。そんな裏話を知ると本作は更に楽しめるかもしれない。
ノスフェラトゥ
好みじゃないけど凄い
何か昔の時代(ザックリ…)とか、吸血鬼とか
ぶっちゃけ自分は全く魅力を感じない!めちゃ興味ない!
でもライトハウスとか前回のバイキングのやつとか
この監督の映画はいつも凄みがあって
見たことの無い絵とイカれたウィレム・デフォーが観れるので
興味ない題材だけど観てみた。
そして観てみると、やはりそんな自分が観ても
美術の作り込みや、監督の「これがたまらないんだよ!」という思いの伝わる印象的なシーンがいくつも記憶に残るので
本当に凄い作品だと思う。
リリー・ローズ・デップは、この役は彼女以外考えられないってほど素晴らしかったし
ノスフェラトゥもキモくて怖くて意味不明で良かった。
特に死に方の描写が面白くて好きだった。
ただ話の展開としては迷惑女が迷惑吸血鬼を呼んだせいで
みんな大迷惑すぎてドン引きだし展開には意外性がない。
ラストも責任取るべき人が責任とった感じで
そりゃそうだろって感じ。
全体的に隅々まで細かく描かれていて上手だけど
緩急がなくどこを見ていいのかわからない絵画みたいだった。
だけど監督の次回作も結局観に行っちゃうんだろうなぁ笑
映画の本質を見た、感じかな
ブラムストーカーのドラキュラを随分昔に読んだ。
そのあやふやな記憶をたどってみると、ホラーというより、上質なミステリーという印象が残っている。
男性は紳士で、女性は淑女。もちろんドラキュラも紳士である。時代を感じさせる冗長さも心地良い読み心地であったと思う。
これが映画となると、相当に力の入った、おどろおどろしい映像作品になっている。音楽も効果的で、存分に恐怖感を煽ってくれる。
映像の強みを存分に生かすためには、そうするしかなかったと思うし、それは間違いではない。
お決まりの女性の首筋にかみつくのではなく、心臓のある胸にかぶりつくというのも、斬新というか、サービスショットというか、エロさは全くないけど、おおっと思ってしまった。
話しの展開はやや、強引過ぎて、?と思うところもあるけど、それは2時間の尺しかないのだから、目をつむるべきであろう。読破するのに、12時間以上はかかるのではと思う、原作にはとうてい及ばない部分があるのは仕方がない。
でも、それを補って十分な映像と演出を楽しむことができたと思う。
満足です。
ただ、最後はあーいう結末だったかは記憶があやふやでちょっと気になる。原作を再読してみようと思う。さて、何時間かかるかな。
古典だし
リリー=ローズ・デップの顔芸が秀逸!
ロバート・エガース監督の前作
『ノースマン 導かれし復讐者』のビジュアルの質感が好きで
本作も楽しみにしていた。
それのみならず、吸血鬼🧛ネタが好みでもあるため
自分自身としては必見の映画だ。
エレン(リリー=ローズ・デップ)の夫、
トーマス(ニコラス・ホルト)が不動産の契約のため
オルロック伯爵(ビル・スカルスガルド)の城を訪れ
騙されて妻を手放す契約書にサインをし、その後、
城から脱出するためにあれこれするところまでが、
実にスリリングで面白い。
オルロックすなわちノスフェラトゥのビジュアルも
見えそうで見えないあたりもいい感じなのだ。
中盤以降は、ノスフェラトゥに操られるトーマスの雇い主
やエレンの顔芸がオンパレードでなかなかに疲れる(笑)
そして、劇伴がだいたい鳴りっぱなしなのも疲れるし、
たびたび驚かされるのも疲れてしまうという
ザ・ホラーなつくりなのだが、今では相当に新鮮味を欠く
演出に感じた。
ラストは吸血鬼らしい倒され方ではあるが、
エレンの一人勝ちというか、もはや救世主だ。
ウィレム・デフォーが良い役というのも、
違和感があってよかった(笑)
この人がいい人を演じた作品をほとんど見たことがない
ので、このキャスティングは新鮮だった。
めちゃめちゃ期待して観たけど、
期待通りなのはビジュアル。
あとはちょっと物足りなかった。
でもこうやって吸血鬼作品がつくられるのは嬉しい。
『アビゲイル』のような新鮮な作品に期待している。
最恐の契約シーン!!
シネクイントで視聴。
1922年版未視聴のニワカ。
ホラー味が強い今作。
とにかく映画全体で彩度を絞って、前編ほぼモノトーンな画面作りに。
特に映画見所は前半!
夫が伯爵の城へ向かうシーンから脱出までが恐ろしい。
宿でのジプシーの不遜な歓迎からの嘲笑で掴みはバッチリ。
そして城に到着してからの、伯爵との会話(脅迫)シーンが白眉。
伯爵の顔を全然見せないまま、”契約書”にサインするまでが恐ろしい。
王道だけど、顔を隠したり低音の呼吸音でめちゃくちゃビビらされる。
あんな空間にいたらサインしちゃうよね🤮
正直後半は結構間延びしてるけど、
主役のリリー=ローズ・デップの体を張った演技は注目。
トランスからの白目を剥いて◯◯◯するシーンよ。
コッポラ版が好きなので、もっと叡智なシーンとか戦闘シーン盛り盛りを期待したが、まあテイストが全然違うよね。
デフォーがもっとバンバン銃とか撃ってもいいのにw
とはいえコレはコレで全然アリ!
ずっと鳴ってる
ホラーは苦手。ひとりぢゃ観れない。
でもこれはそんなあたしでも『絶対に映画館で観るべき映画』だと直感したから付き合ってもらって観賞。
結果、美し過ぎ……圧巻……
観終わってまもなく24時間が経とうというのにまだ考えがまとまらない。でもまとまる気がしない。だから雑でも書く。
息を呑むほどのゴシック・ホラーの建造美。
白と黒とくすんだ淡い藍色のコントラストが見事で。
トーマスが馬を無くして途方に暮れてる時に差し掛かった十字路のシーンの完璧さ。
あたしの理解では、これはトーマスとエレンの愛の物語。
愛する人を守るため、自己犠牲をも厭わない大きな愛。
オルロックは愛を知らないという。
エレンも伯爵に愛が分かるわけがないという。
それなら二人が結ばれたのはどうして??
愛ではなく執着??
愛してやまないウィーンミュージカルの『エリザベート』ではエリザベートがトート(=死)に愛されてしまった運命を辿る物語。『死神』にではなく『死』という概念に愛されてしまった(≒取り憑かれてしまった)悲しくも儚い物語。似て非なるものではあるけれど、今作『ノスフェラトゥ』でも観ていてそれを思い出した。
考えが纏まらないのは『愛』と『性』と『生』と『死』のベクトル。孤独を抱えた少女エレンが読んでしまったのは彼、ノスフェラトゥ。血を吸われているのか、息を止められているのか、何をされているのか見えないけれど、やたらと短く漏れる吐息が喘いでいるようにも聴こえて………やっぱりそーゆーことたったのかー!と納得。でも当時の交わりと今改めて伯爵がエレンと交わりたいと願う気持ちは当時のそれとは違う気がする。
うーん、まとまらなくて残念。
とにかくウィレム・デフォーが最上級の隠し味🌀
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