岸辺露伴は動かない 懺悔室のレビュー・感想・評価
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静謐
細工格子越しに物語は進み観る者を飽きさせず、映画はここというところで観客を神秘的なベネチアへ誘う。
荒木飛呂彦の人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズのスピンオフ「岸部露伴は動かない」の全編ベネチアロケによる実写映画版第二弾。
撮影が素晴らしい。カメラワークというか構図の撮り方というか、グゥッと奥行きや空間の広がりが感じれる、魚眼レンズによる広角撮影だろうか、天井画まで背景に入れた荘厳な教会でのシーン、落書きのある迷路のような路地裏も格調高く見えてしまう。細工格子越しに物語は進み観る者を飽きさせず、映画はここというところで観客を神秘的なベネチアへ誘う。
もう一つの見所は、呪われた仮面の男にまつわるゲームシーン。まさに荒木節だ。観客をストーリーに引き込ませ方が秀逸。手に汗握るし、あの微妙ないたずら感が何とも言えない。「ヘブンズ・ドアー」の使い方もちょうど良い。原作のスタンドは、どんでん返しでわりと読者の予測を超える強引な使い方が多い印象を持っているが、今回はマジックのネタのように違和感がなく鑑賞後の消化不良も無かった。
原作を読んでなくとも、ヘブンズ・ドアーという超能力を持った主人公だ、くらいの認識で観られます。是非あの世界観を映画館のスクリーンでお楽しみいただきたいです。
岸辺露伴に最高の幸せなんて…
全編ヴェネチアロケという
バブル時代さながらの、今時あり得ない
贅沢な作品です。
撮影スタッフの方々も現地の方と
NHKならでは?
舌の粘膜の中で動く、グロくて
キモくて、しつこい呪いにはじまり
シーン、一つ一つが
とにかく、やたらしつこい。
玉城ティナさん、
イタリアが似合いますね。
なんの違和感もない。
ウェディングドレス姿も素敵でした。
チャペルも素敵でした。
それにしても戸次重幸さんの
ソトバは、最初から最後まで
浮浪者姿の汚い役で、
海外で、ずっとあの格好は不憫でならない。
総じて、気持ち悪さに耐えて
初めてストーリーが追いかけてくる。
挫折せずに、見終われて良かった。
岸辺露伴に、人並みの幸せが押し寄せて
幸せと感じるか?苦痛と感じるか?
ひねくれ者には通じまい。
露伴先生のヘブンズドア(スタンド)が、いっぱい見られて楽しかった。
「サブスタンス」を観た直後だったので、「岸辺露伴は動かない 懺悔室」
上品で格調高く、心穏やかに楽しめました。
日本の女優さんはおっとりしていて美しいですね。
玉木ティナさん(ハーフですけど、)も飯豊まりえさんも可愛い、優しい。
そして変人にして特殊能力とファッション・センスに長けた
岸辺露伴の高橋一生さんは、ハマり役ですね。
カッコいいけどどことなくユーモラスです。
今作はベネツィアのオールロケという事ですが、
観光地を避けて普段着のベネツィアが親しみやすかったです。
(それにしても運河やゴンドラを写さないのは英断ですね)
ストーリーは若い頃に、日本人の浮浪者を
見殺しにした実業家の田宮(井浦新)が、
その時に掛けられた呪い、
「幸せの絶頂の時に“絶望“を味あう」
その呪いのせいで、娘の幸せを壊そうとする話し。
割とストーリーは薄目ですが、
露伴先生が機転を効かせて、難局をくぐり抜ける技が
冴えていました。
食べ物を食べるシーンも、ホントに少なくて、
そこら辺も異色の映画でした。
でも、クラシックのBGMや風景に気持ちよく癒されました。
ただ気になった点が一つだけ。
(娘の幸せと、自分の命を天秤にかけて、○○○が大事って変‼️)
高橋一生の岸辺露伴に魅入ってしまう
言っている事は、
理屈なのか哲学なのかの境目だなと、いつも感じるんですが、
それでも、岸辺露伴というキャラクターは、とても魅力的ですわ。
そして、高橋一生さんが、自分のものにされていて、スゴイと思います。
そこに魅入ってしまいます。
今回は、大東駿介さん、戸次重幸さん、井浦新さんの顔芸が凄かった。
特に、大東さんには、笑ってしまいました。
上記の3名の今に至る諸々出来事みたいなのを聞かされての時間が、
約1時間弱だったんですが...
思わず「面倒くさっ」って呟いてしまった。
まぁ、面倒くさいから今回の物語が成り立つのだけどね。
ベネチアの風景と音楽、良かったです。
全体的に暗いので、
泉京香のテンション高めのキャラクターが出てくると、
なんだかホッとしました。
日本が舞台の方が好みかも。
旅気分と不思議の世界
「薄め方」がちょうど良い
原作漫画やアニメはほぼみたことがない。「ジョジョ」にしても「岸辺露伴」にしても、自分にとってはヴィジュアルやセリフ廻しが「過剰」な印象が強くて避けてきたところがある。
でもNHKのドラマと、それに続く映画版2作は明らかに「違うもの」になっている。というと語弊があるかもしれないが、いわば原作漫画が濃厚なポタージュであるならば、ドラマと映画は出汁のよく効いたすまし汁であるといえるのかもしれない。世界観は異なるが「旨み」は同じだけある。だからここは好みの問題であって、私のようにドラマと映画しか観ないっていう人がいてもおかしくないんじゃないかな。
前置きはさておき、本作は前作「ルーブルに行く」よりかなり良い。前作が致命的に駄目だったのが「黒い絵」を巡るストーリーが安っぽい因果応報ばなしにしか見えなかったところ。いや原作自体がそうなんだろうけど、そこを払拭できるだけの演出ができなかった。全編パリロケとならず国内ロケとセット撮影がかなりの比重を占めているところ、肝心の「黒い絵」の見た目があまりにもセコいところ、説得力がなく美しくもない主演女優(飯豊まりえさんじゃないよ)の存在がその印象を後押しした。
前作と同様、演出は相変わらずモタモタしているが、全編ベネチアロケだし、高橋一生のなりきりぶりは素晴らしいし、助演組も頑張ったし、音楽も素晴らしいしまずまず観られる内容となった。
2つだけ残念なところ。玉城ティナさんの結婚相手だけどもうちょっとマシなイタリア人はいなかったの?なんであんな反っ歯の安物俳優にやらせなければいかん?
それと飯豊まりえさんだけど今回は出番も少なかったし彼女の衣装もやや地味めだったと思うんだけどね。
ベネチアは美しい!
原作ファンなら楽しめるかな?
岸辺露伴って歴史上の偉人?ルーヴルへ行ったりベネチアへ行ったり
文化探訪の旅をする人?という頓珍漢なことを最初に思ったくらい
原作もテレビドラマも知らなかった。
今回は「邦画初となる全編ベネチアロケで映画化」というのに惹かれて
鑑賞。紹介文を読んだり予告編からの情報でフィクションという認識は
あった。
それなりに楽しめたしベネチアロケのおかげで視覚的に独自の世界観が
味わえた。ファンの人ならもっと満足したのかもと想像。
独特の風貌をした主人公・岸辺露伴が活躍するファンタジー。彼が持つ
特殊能力が独創的。
「幸せの絶頂を迎えた時に“絶望”を味わう」という呪いの発想も興味を
引いた。呪いを恐れる者からすれば幸運や幸福は絶望をもたらす災難
として襲ってくるのだった。
主要な登場人物が日本人ばっかりで、呪いの件にしてもベネチアである
必然性を感じなかった。「仮面」がベネチアらしさを強調していたけれど
それがなくても成立する物語だし。
ファンタジーは良いとして、それ以外のドラマ部分が取って付けたような
印象で物語に入り込めなかった。ファンタジーと関係なく物理的に不自然
と感じる部分もあった。
ベネチアロケの効果で雰囲気は抜群に良かった。ただ、物語には感心しな
かったので満足度は今一つ。
日常でありそうな世界観
井浦新さんの演技がとても上手で引き込まれていく映画でした。岸辺露伴とベネツィアもとても世界観があってて素敵でした。
ジョジョの世界は気持ち悪いシーンがあったりするのですがその気持ち悪さと人の弱みにつけ込み不安になっていく人の姿をみてると最後どうなってしまうのか気になってしまうストーリー展開で面白かったです。なにより幸せになってしまうと絶望を味わう事になってしまうという話はどことなく誰にでもありそうな話をジョジョの世界観で見れるのも面白かったです。
見終わったら幸せを感じるといつか絶望がくるのではないかちょっぴりそんな気持ちにもなりました。映画館に行ってじゃなくてもお家のテレビでも十分楽しめそうですが、映画はリアリティが増すので見るのオススメします。
25-067
ヘブンズドア、デビュー出来ました。
アートだ、と言ったら先生に叱られますが
とにかく美しく、役者の皆さんが絵になりすぎです。なんであのへんてこな衣装がバチっと決まるのでしょう。
テレビシリーズからのファンですが、とにかく小物や音楽、カット割りや画質などが病的にこだわりすぎててクラクラします。
ルーブルもよかったのですが、今回はイタリア語の響きにやられました。
病んでる新さんを久々に観られて眼福。崇徳院を思い出しました。
ティナちゃんは綺麗。ほんとに綺麗。この路線が続いているので嬉しいです。とはいえ指輪が転がって可笑しそうに笑ってる顔は自然で、ミステリアスな役が多いけど普通な役も良いのだろうなーと想像します。
大東さんはNHK多いですね。ちゃらんぽらん気味の役をやってる時が好きです笑
戸次さん、まっったくわかりませんでした笑
まりえちゃんは衣装が毎回楽しみです。なんだかありえない格好なんですけど、着こなしててすごい!そしてものすごく鋭いことを言ってくれる人。無自覚に核心をついてくるのを露伴先生が受け止める時の表情がよき。
高橋さんは言わずもがなです。露伴の発声が好きです。普段より高く金属的な声色を使っていますよね。
べろおばけ、エイリアン好きとしては段々可愛く見えてきて…
呪いというのは、自分で自分にかけるものなのかもしれないなぁ…と。告解もまたしかり神に懺悔しているようで、語るという行為そのものが機能することなのでしょうか。
シリーズファン向け作品
原作見ていたけど、ポップコーンのくだりが印象的で、他がうろ覚えだった状態で視聴。
30分くらいでまとまってたアニメ(漫画)を、無理無くストーリーを肉付けして長編映画になっていました。
ドラマシリーズや前作映画も観ているから特別に違和感はないが、能力はもちろん摩訶不思議な出来事も、起こっても不思議じゃない前提で見ないとわけわからんと思うけど、シリーズ好きとして楽しめました。
あの役が戸次さんとは気づけなかったw
そして井浦さんのジョジョの言い回し良かった。
変な怪異も全て妄想で、哀れな人間だったという展開?いやぁヘブンズ・ドアーあるしな‥
露伴の世界観と仄暗い影を落とす風景がぴったり
原作未読、前作映画未視聴。テレビドラマ視聴済。
舞台はヴェネツィアであり、美しい風景が多く見られると予想して観ていました。
しかし冒頭で、過去に流行り病が蔓延した土地だと紹介されたことにより、美しい街並みにほの暗い影が落ちたようにみえました。
冒頭の説明により自分の認知していたヴェネツィアに急に奥行きが出てきて、岸辺露伴の世界観に手招きされ引き込まれていくような心持ちになり、ワクワクしました。
最も印象に残ったシーンはポップコーンのシーンでした。個人的に本作のハイライトでした。大東さんの演技力は固唾を呑みましたし、鳩と大東さんの心理戦とも言える攻防戦を映像表現のみで表していたことは映像美であり分かりやすく面白かったです。
懺悔室である話を聞き、図らずとも深みにはまっていく露伴先生と、いつもと変わらず飛び抜けて明るい京香の通常運転の会話は作中ホッとできるシーンでした。露伴先生の流暢なイタリア語は必聴です。
満足感のある作品でした。面白かったです。
井浦新がジョジョのキャラになってるじゃあないか
井浦新がジョジョらしさ全開だったのはさておき、個人的には「岸辺露伴 ルーブルへ行く」よりも遥かにパワーアップした傑作であったと感じる。
高橋一生の今回の舞台に合わせた衣装は彼のスタイルを際立たせ、ジョジョシリーズでのキャラクターの威容さを表現しているかの印象を受けた。また今作の舞台ベネツィアでの風景、雰囲気、様相はここまでかと言うほど作品の世界観を圧倒的に表現していたのではないだろうか。
そうした細かい作りを徹底してるからこそ岸辺露伴ワールドそして実写映画として完璧であると評価しても良いのではないだろうか。
岸辺露伴シリーズは幾つもの短編構成で多くのジョジョファンの人気を博しており、これまで高橋一生によるドラマシリーズは完璧に近い程の内容度となり、前回のルーブル映画化も高評価を得たのはもちろんだろう。
そして今回の懺悔室を評価したい点として原作の終盤に加え、新たなストーリーを展開していったことだろう。
この作品自体が短編作品である為、ドラマシリーズはそこで終わることは可能だが、劇場映画化となると改変もしく新たなストーリーを加えていかなければならない。
それでも人気を誇る岸辺露伴ドラマシリーズは今回も裏切らなかった。本作の重要キャラクターとなる「田宮」の話は原作以上に展開していき新たなストーリーも魅了していいった。そう振り返ると終わり方としては原作に近かったのではないか。
そういった評価も含めて今作品は芸術と言いたい所だが、露伴先生にとって自らの作品を芸術と表現されるのはとてつもない侮辱であるため、とんでもない「漫画」であったと言うべきだろう。
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