「「最高」に到達しないからこそ生き続ける、表現者という人たち」岸辺露伴は動かない 懺悔室 ruさんの映画レビュー(感想・評価)
「最高」に到達しないからこそ生き続ける、表現者という人たち
いや〜良かったです
さすがにこれ以上はないかな、ありがとうという気持ちですが
自分にしか見えない「最高」に手が届かないからこそ、もがき続けるのが表現者の性と受け止めました
てことは…まだ会えるのかな…??
実は邦画・ドラマはちょっと苦手です
やたらと、大声で諍いながら「本当の気持ち」をぶつけ合ったり、空に向かって本音を叫んだり
自分には騒がしくて💦
このシリーズは、キャラクター自身が何を感じているのかすらわからない、そんな描ききらない感じがあって好きなんです
露伴先生の怯えたような、たまらなく魅了されているような表情が最高ですw
夕暮れのヴェネツィア、いつまでも眺めていたい
最後のセリフも、なんか夢があるから知らないままにしておこうかな
すてきな作品をありがとう…!
*追記*
なんとラストシーンは朝焼けのヴェネツィアだったそうですね(ラスト=夕焼けの思いこみ、簡単に騙されたw)
鑑賞後はやはり「ヴェニスに死す」を思い出しますね
いうまでもなく、絶望と歓喜を透けるような薄〜い表裏一体で描いた最高傑作です!!
この先、時々でいいから露伴先生と泉くんにまた会いたいな
個人的には、白髪混じりになって、ヘブンズ・ドアのページを読む時にどっこいしょ、腰痛いとなる露伴先生や、明るくたくましいおばちゃん編集者になった泉くんも観てみたいですw
*追記2*
2週連続で観に行ってしまいましたw
初見では、大東さん戸次さんの濃さに圧倒され(褒めてますw)新さんを余白のように感じたのですが、改めて本当にすごい!!
作中にもありましたが、ヴェネツィアンマスクや能面のように、如何ようにも読み取れる表情
あと、新さんの声は不思議で、正面で話しているのに後頭部に響くような気がする(?)
個人的お気に入りシーン
「(岸辺露伴)それは、僕だ」と言えるのは高橋さんだけですね
空想と現実が混ざり合ってクラクラした
各ハトのアップも最高でしたw
あと、ラストシーンのイタリア語ですね
つい、聞き耳立ててしまいました
con voi 一緒に、って言ってませんでしたか??
気のせいかも
(後日判明→Non voglio 要らない だったそうですw)
エンドロール、指揮棒のようなラインを描き鳥が映り込む
街・演者・光がまねく偶然がいとおしい
お気に入りの作品になりました