おばあちゃんと僕の約束のレビュー・感想・評価
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Redefening Mortality
The big emotional pull of death often drives us to the movies, but wouldn't it be refreshing to see a film that breaks the trend of mourning our own mortality? How to Make Millions Before Grandma Dies is exactly that film. It is spiritual without being overtly religious, offering a thoughtful and practical examination of how our fleeting time on earth strengthens the bonds of family love. This Eastern perspective provides a profound way to reframe how we view life's final chapter—a "graduation ceremony" filled with meaning and grace.
新人女優(78歳)の自然体の演技
俳優の資質というのは必ずしも演技の勉強をしたとか
何年も修業を積んだとか、そういうことで開花するとは
限らない、そう思わせるおばあちゃんの演技。
この映画が長編映画初出演というウサー・セームカムが
非常に良い味を出している。自然体の演技がとても良かった。
彼女の人生経験が演技に役立ってはいるだろうが、人生経験を
たくさん積んだ人が皆良い役者になれるわけではない。
その辺にいるおばあちゃんを連れてきて演技をさせたって
台詞を棒読みするのが精いっぱいで、役を演じることからは
ほど遠くて見るに堪えない場合がほとんどだろう。
画面に映る彼女は祖母メンジュがそこにいるという佇まいで、
人気俳優のビルキンことプッティポン・アッサラッタナクンや
他の役者さんたちに負けない存在感を放っていた。
オーディションで彼女を選んだ人の目に狂いはなかった。
バンコクに住むある家族。一人暮らしをしている祖母のメンジュが
ステージ4のガンに侵されていることが判明して物語が動き出す。
冒頭の墓参りの場面から淀みなく話が進む。息子・娘、孫たち
との関係性がどこにでもいそうな家族の姿として描かれる。
脚本の妙で、登場人物それぞれが話す言葉が人物像を反映した
生きた会話になっていて引き込まれる。
映画の中の家族は中華系で、子孫の繫栄を願って立派な墓を建てる
とか、観音様にお祈りするとか、タイ人の中でも独自の風習がある
のが興味深かった。
おばあちゃんが毎朝早起きしてタイ式お粥を売って生計を立てて
いるとか、庶民の生活ぶりも描かれる。日銭を稼ぐ慎ましい生活。
一方で息子や孫世代になるといかに楽をして金銭的に豊かに
なるか、そんなことを考える者もいて対照的だ。
映画の題にある”約束”とは何なのかは終盤になってようやく分かる。
孫のエムに対しておばあちゃんが何を遺してくれたのか?これが
一つの山場となる。
公式サイトによると、本国タイでは鑑賞後に号泣する観客の様子を
SNSに上げるブームが勃発したとのこと。
自分の感想は”心温まる良い映画”ではあるが”号泣”まではない、
といった感じ。
泣く人がいてもおかしくないが、SNSのブームは主演俳優のファンが
感想を”盛って”いるのでは?と邪推。日本でもアイドル主演映画の
口コミ評価が異様に高い傾向があるのでそれに近い気がする。
それはともかく、過剰な演出を避けて家族の自然な姿を描いた本作は
観て良かったと思う。静かなピアノの音楽も映画に合っていた。
俳優でありミュージシャンでもあるビルキンが歌うエンディング曲も
余韻に浸らせてくれて良かった。一点だけ違和感があったのは
歌詞の เธอ が 君 と訳されていたこと。映画の内容から
おばあちゃんへの思いを綴った歌だと思うが、祖母を君とは
あまり言わないだろう。
おばあちゃんと僕の約束
自分の人生は…
中国系泰人家族
泣きました
人の欲や損得感情を分かりやすく描いていて、見事に感情を揺さぶられました。
お金は人を良くも悪くも動かし、喜びも絶望も教えてくれる。そして、本当に大切なものが何かも見せてくれるものだと思います。
遺産が欲しいと思っている人には、欲や争いばかりの景色。お金なんて要らないと思ってる人には優しさや思いやりで溢れた景色が見えている。同じ出来事・現実を生きているのに、捉え方や心の在り方で見えてる景色は全く違うということを改めて感じました。
お金を取っ払った時に出てくる人の本質、後悔や謝罪、そして感謝。色んな気持ちを味わうからこそ人は成長すると思いました。
悲しくて泣き、切なくて泣き、感動して泣く。とても良い映画でした!
ということで
動機は何でもあり、人間としての大事さを心に刻めれば。だね
一言で表せば、「心に染みた」でした。
人間関係が希薄になるのは日本だけのことではないのですね。
それなのに、お金が絡むと親族内に目の色が変わるものが現れたり、諍いが起こったりするのも万国共通のようですね。
おばあちゃんの、一本筋が通った生きざまが素敵だった、でも、ダメな息子が可愛いと甘やかしてしまうのも憎めなかった。
紆余曲折ありながらも、ラストはこうあって欲しいなと願う方向に収まって、柔らかな気持ちになれました。
ワタシ的には、主人公エムが「4:11」のアラームと共にシャキッと目覚められるようになったシーンが一番のお気に入りです(お粥は作らなかったけどね)。
今月、年老いた母の顔を見に帰省したばかりで、その時に兄が母とのツーショットを撮ってくれたのですが、その時に「もう握れないかもしれないから」なんて呟きながら包み込んでくれた母の掌の温もりをちょっと思い出したりもしました。
計算されつくした映画
多分、1番前で観るないし耳のいい人しか気付かないと思う。
日常音、ありがちなピアノ曲と下手なタッチと思いきや、映像とマッチしており、エンドロールに入ってエンディングソング最後の最後まで細部に渡る自然さが憎い。
日々の暮らしから、シナリオの鉄板1要素、時間限で家族ひとりひとりの感情、状態がただ淡々と流れていくだけのストーリー。
タイトルで大体の内容が読めるが、主要キャストがその役者だからという演じ方ではなく、キャラクターにブレがなく、家族の誰かに似た癖があるところまで演じきっていることに気付いただろうか。
ただそれだけを映画というダイナミックな媒体に創り上げた今年観た中で1番計算されつくした完成度の高い映画。
孫エムの表情や佇まいの素晴らしさに心打たれる
孫とおばあちゃんのホンワカした心温まる映画と想いきや、ある意味に現実的で切なさをまとった映画だ。
冒頭から登場人物の全員、孫やおばあちゃんも含め、誰にも共感できないところから物語が進んでいく。
誰もが他者を信用せず、自己都合ばかりで、観ていて気持ちは重くなるばかりだった。
バラバラで暮らす家族なのだが、打算によって始まる孫とおばあちゃんの暮らし。
生活の時間を共にすることによって芽生えてくる信頼や互いを想う気持ちが絆となっていく過程が、孫エムの表情や佇まいを通じて見事に表現されている。
計算高かったり、面倒くさがったり、お金が欲しかったり、選ばれずに悔しがったり、そして普通に気遣ったり、優しかったり、無邪気であったりと。
実に素直で正直なキャラクター造形が見事で、それを完璧に体現している孫役のプッティポン・アッサラッタナクンが素晴らし過ぎる。
ストーリーではなく、人物の何気ない表現や仕草が涙を誘う、そんな映画だ。
中国系タイ人のお粥を売るおばあちゃんの話
おばあちゃんっ子だったな
涙は全く出ません
タイの華僑のお墓は琉球と似ている
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