8番出口のレビュー・感想・評価
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オジさんGJ!
いや、オジさんが素晴らしい。聴くところ、演じたのはベテランの舞台俳優さんみたい。私が言うことじゃないけど、よくぞご出演いただきました。不気味で鉄壁の演技力、ありがとうございます。
ゲームの映画化と云うことで、非常に限られた世界観ではあるものの、その再現度が素晴らしい。そもそも、元のゲームが素晴らしかった。実写にしか見えない映像感覚で(オジさんは流石にCG感は拭えない)続編の8番乗り場のリアリズムも、もはや異常。開発者さんはその手の専門家なんでしょうか。
映画化のテーマとしては「心の迷いが生んだ時空の歪み」→「迷いから決断する勇気」ということでしょうか。「満員電車で泣く子供」「キレた他人から怒鳴られる」「それを助ける勇気が無かった」「彼女から身ごもったとの電話」「迷ってる。どうしようか決められない(泣」、そして主人公は地下に迷う。この流れ、設定付けからゲームの舞台に突入するまで、淀みなく素晴らしい。
そして進むか戻るか、このシンプルで純粋にプレイヤーの判断力が試されるゲーム性、そして決断する力は「勇気」、見知らぬ人でも助ける「勇気」、ゲーム性と主人公の設定を重ね合わせた、「ゲームの映画化」としては予測を超えて「甘さ」「脳天気さ」もない渋くて好印象だと感じました。
細かいことを云えば、「観に来た人はみんなゲームをプレイ済みでしょう?」という感じが拭いされない。プレイヤーが間違い探しに入るのが早すぎる気がする。「異変の有無」と云われて、指さし確認で間違いを探すのは、ゲームプレイの再現に入るのがちょっと早い気がした。そして迷いだしたら、まずスマホを取り出すと思う。地下で何も判らなくとも、チラ見ぐらいするのが現代人。
また、オジさんに設定付けされたのには驚いた。成る程、元はオジさんもプレイヤーで闇堕ちしたという設定ですか。元のゲームでは8番じゃない出口から出ると単なるリスタートだけど、NPCに墜とされるのは映画ならではの面白いアイデア。あの女性が歩いてくるバージョンも遊んで見たいな。自分が一通りプレイしてからも、映画化を記念してでしょうか。いくつか異変が増えていたので、女性の方もお願いします。
あと、(説明はなかったけど、ミスリードではないと思いますが)自分の未来の子供の出現も面白い。異空間での現象なら有りかと思う。ただ、最後にあの子とはぐれて、なにか思ったりしなかったのでしょうか。何か一言あるべきだったでしょうか。それとも自分の未来の子供と判ったから、もう振り返る必要はなかったのか。
結論的に自分の迷いと迷宮のサスペンスを重ねた良作だと思います。「見つけてほしいから迷子になった」「道に迷う→心の迷い」「結論を出す勇気が出せず、自分から道に迷っている」等々、迷いに関する哲学めいたものがあるような気がして実に有意義だったかと。
あと、付け加えるなら、如何に映画の中の話といえど、あんなに可愛い彼女がいるんだから、二宮さんには頑張って欲しいものです。
(追記)
付け加えで、映画版固有の異変で興味深いものが幾つか。
「電話をかけてきた自分の彼女(同じ地下道にいた)」
「通路のど真ん中で待ち構えている少年の母親」
「開いた扉の向こうで見て見ぬふりをする自分自身」
これら自分自身や自分の味方のようで、「異変」という自分の「敵」なんですよね。自分の大切なものやトラウマが自分を惑わし襲ってくる自分自身にしか通用しない罠。
似たようなエピソードが他の映画にもあったのを思い出しました。うろ覚えですが、攻殻機動隊シリーズ劇場版「イノセンス」で、手榴弾に殺されかけたトグサが「自分の妻と娘の姿が脳裏に浮かんだ」というと、バドー「気を付けな、そいつらは死神だ」という――ちょっと理屈が掴みかねますが。その他、グインサーガという小説では主人公グインのトラウマとなる人物が自分を責め立てる、自分の心を鏡映しにした罠。
小説にして映画化もされている「1984」では、これは具体的な調査の上での拷問でしょう。どうやって調べたのか自分だけが苦手なネズミで根を上げさせたり。
「鬼滅の刃」などでも最終的には自分のトラウマと対峙することはよくありますが、故意に仕掛けられる場合もあれば、見るもの触れるもの全て自分のトラウマを連想し恐怖する場合も有り、前述3つの異変を説明するとしたら、そういうことかもしれません。よくある言い回し、「自分との戦い」と言ってしまうと、ちょっとチープになっちゃうんですけどね。
まあ予想はしてたけど
ストーリーが全くといっていいほど刺さらなかった。(原作プレイ済)
大きなテーマが未来の子どもを出産させるかどうかなのも陳腐で、主人公に感情移入できない。ヒロインが瀕死状態だとか主人公が精神的にもっと追い詰められているとかだったらまだ良かったけど、完全に当人の自業自得じゃんこれは。
登場人物が絞られている上に、客に感情移入して8番出口の世界観を味わってもらう必要があるのに、主人公を魅力的に描けなかったのは最大のミスとしかいいようがない。
あと主人公の喘息設定やおじさんのくだりなど、蛇足に思えるシーンや設定が多すぎる。一個一個の異変も尺を使い過ぎている感が大きい。
映像化して物語性をつけるにしても、このゲームは向かなかったんじゃないかと思う。
せっかく導入や世界観の再現は良かったのに、ストーリーで全部台無しになっていて勿体無い。いやでもやっぱり、映像化するべきじゃなかったのかなこのゲームは…。
ホラー要素増し
ホラー映画苦手でまったく見れない人間がギリ見れるかな、という感想です。
ホラーというより世にも奇妙な物語系?演出やカメラワークが怖かったです。最初の方に振り返ったら不気味笑顔のおじさんがすぐ後ろに立っている、という異変を見せられたおかげで、カメラが回り込むたびにハラハラしていました。ただ、画面があまり変わり映えしないのでそういう手法を取るのは納得できます。人によっては飽きやすいと思います。
原作ゲームは知っていたので一人称視点での始まり方がゲームを踏襲しているのがリンクしていて良かったです。
アップデート前の異変はすべて把握していますが、ストーリーに関連した映画オリジナルの異変がたくさんあったのでゲームとの違いを探しながら観れました。が、怖い異変が多かった…。二宮和也演じる迷う男の「恋人の妊娠」に関するメタファーが数々の異変となって現れており、赤ん坊の泣き声が苦手な人は観るのが辛いと思います。(個人的に現実の赤ちゃんの泣き声は大丈夫なのですが、映画館の音響で聞くデジタル音声?の赤ん坊の声がどうも苦手です…)
ゲームにも不気味な異変は確かにありますが、どちらかというと間違い探し要素が強く、気付けなかったときの悔しさ、思わず笑ってしまう唐突さ、角を曲がって番号表示を確認するときの緊張感、振り出しに戻る落胆、見落としがちな異変に気付けた時の嬉しさ、などなどシンプルなゲームながら感情が様々なので、リアリティを持つと怖いに傾くんだなと新たな気づきでした。
地下通路の一本道は引き返す/引き返さないで分岐になり、間違えれば最初からとはいえやり直せます。でも、人生は現実に引き返すという選択肢はありません。まさに一度きりの重大な選択の前に立たされた主人公が引き返すことなく前に進めたのなら、それは異変ではないのだろうと思います。そこに少なくともこの作品を映画化した意義があると思えました。
the Boy 〜ずっと忘れない〜
よくある理不尽丸投げ作品かも、という危惧に反し、思いの外ちゃんとしてた。
電車内トラブルと別れた彼女からの妊娠報告が、テーマに繫がる導入が上手い。
ただし、慣れてる駅にしろそうでないにしろ、適当に歩きすぎという違和感はあった。
(電話に気を取られたにしても、通勤中だし)
想像以上に狭い範囲を行きつ戻りつするが、カメラワークのなぞる部分とズラす部分のバランスが絶妙。
“異変”も、あからさまなモノがほとんどの中で、適度に分かり難いモノを差し込んでくる。
視点人物の交代という意外な展開も含め、飽きさせない工夫を感じた。(実際はギリ飽きたけど。笑)
どう見ても“異変”なのになかなか引き返さないのには、正直イライラ。
自分だったらポスターの一字一句も気にしてしまうので、確認の雑さにはムズムズ。
少年が普通に喋り出した時は、今までのはなんだったのか、という気分にも。
(実際彼は並外れた観察力と瞬間記憶能力でも持っているのか、一度も“異変”を見逃さない)
彼が喋っていれば“おじさん”も助かったろうに…
台詞の断片から“おじさん”はニノの父親の可能性も?
ラストの変化も分かり易い。(もっと早よ行け、とは思うが)
原作が“異変”を見つけるだけの間違い探し的な内容と聞くと、よくここまで練り上げたと感心する。
音と無音の使い方も非常に巧みです。
恐らく最初に見ていたネットニュースも意味があるのだろうが、ほぼ読めなくて残念。
もうひと味ほしくはあるが、十分楽しめた。
私には、しっくりきて良かったですよ
レビューを見てると、賛否の差が大きいですね。私には、しっくりはまってよかったです。
理不尽巻き込まれ型ホラーだと巻き込む側が、尊大な神様だったり悪魔だったり、ひどい場合は「こうすれば、面白いやろ!」と前後の繋がりを考えない監督だったりします。この映画は、決められない男の迷いが具現化したようなものです。しっかりした仕事に就けず、彼女との将来も決められず、そこに赤ちゃんができた。。。弱い男には、ぐっとくるシチュエーションです。逃げたい、でも逃げられない、決められない。。。それが、出口がない8番出口に捕まってしまった。もうひとつ良かった理由として、決心をしたところですね。はっきり描かれてませんが、見て見ぬふりをやめて決心して行動に移せたラストに見えました。おそらく、この後は彼女と結婚を決意し、男の子が生まれ、これからも迷いながら、でも幸せな家庭を作っていくのでしょう。私は、思いのほか視聴後感はよかったです。
もっとアトラクション的な仕掛けか、ゾクゾクする要素があれば・・・
最後。
やっと辿り着いた「8番出口」に向かって歩いていくと、外ではなくホームに行き、また最初の電車のシーンに戻るんですが・・。
これって、結局、外には出られず無限ループする(してる)ってことなんでしょうか?
そこがどちらかよくわからなかったのと、
それぞれのステージ?での「異変」の有無がイマイチしっくりきませんでした。
ちなみに、元になってるというゲームについてはまったく知りません。
映画でやる意味はどこにあったのか?
最初とエンドロールでラヴェルの「ボレロ」が流れる。最初の方はぶつ切りで、エンドロールの方は短縮版だ(本来なら16分半はある曲だ)。
ラヴェルの「ボレロ」を一躍有名にしたのは、映画「愛と哀しみのボレロ」だろう。大戦を生き抜いた複数の家族が最後のチャリティーショーで邂逅する場面でラヴェルの「ボレロ」が流れ、当時世界一と言われたジョルジュ・ドン(45歳の若さでエイズにより逝去)の圧倒的な踊りが花を添える。「ボレロ」が流れてくると、私はあの場面を思い出す。
本作でラヴェルの「ボレロ」が使われたのは、同じ旋律を何度も繰り返すという曲の特徴が、同じところをぐるぐると回るというストーリーに一致しているという理由なのかもしれないが、先人の作った作品への敬愛は殆どない。
エッシャー展のポスターがあるのも、エッシャーの絵が無限性を指向しているからだろうが、それ以上の意味はない。
主人公の背景が描かれていない。身分の不安定な派遣社員で、別れを決めた恋人から妊娠を告げられたことから、主人公の心理はかなり不安定ということはわかるが、なぜ故に主人公があの迷宮に迷い込むのかは判然としない。
主人公が迷宮からの脱出ヒントをかくも平然と受け入れるのかも不明。
この映画が全てゲームですというなら、映画でやる意味と必要性はどこにあるのだろうと思う。
主人公が初めに迷宮に迷い込んだとき、天井に「引き返せ引き返せ」の文字があるが、あれは何んだったのか
「世にも奇妙な物語」で放映される30分のショート物、あるいはオムニバス映画の一遍であれば、何とか成立するかもしれないというレベル(それでもいくつかの改善は必須)。
主人公役の二宮さんの不安げな表情が本作とマッチしているのが、数少ない収穫点だろううか。
惹き込まれる
小学生の子供らが観たいとの事で一緒に観賞。途中娘は怖くて泣いていた。。地下道、迷う男、歩く男、彼女、子供、女子校生と登場人物も少なくコンパクトにまとまっている印象。結局は二ノ宮君演ずる迷う男の人生を象徴しているかの内容。
最終的に受け入れて、、な感じで終わる。
おじさんは秀逸です!動きにムダやブレもなくひたすら歩くって凄すぎ。流石でした。
流し見るには程良い出来
何しろ元のゲームをやった事はない。動画でどんなゲームか知っている程度だ。
あの異空間を作品のギミックとしてしっかり成立している。
しょっぱなから派遣労働で安定しない生活をしていそうな二宮和也演ずる主人公が何とも頼りない。
別れた彼女が妊娠してどうしよう?ってそれすら決められない。
喘息も相まって咳込むことを繰り返し、観ている観客を「こいつダメだ〜」と呆れさせる。
カメラワークで目に見える異変を見付けられないのがモヤモヤ。
とは言え異変も新たなキャラクターが現れる為、こりゃ異変だろ?と思うのに、違うかったり異変だったりするのでちょい混乱させられたりする。
途中の異変はゲームの域を出ないが、歩いていたおじさんや子どもまで考えたり、喋ったりして継ぎ足しのドラマ部分を支えている。
しかし二宮和也の主人公の決意が定まるまでの内容で、引っ張ったのは厳しかったがその我慢がラストを良くさせたので、★3としたい。
異変に気がついたら引き返せとは、、、
ゲームが話題になり気になって実況見て、実際にプレイもして、その上で映画化って聞いたもんで、どう映画にするの?という最大の疑問を解くため公開初日に見に行きました!
そして、、、んーーー!
期待していのとは違う方向に行ってしまったかなぁ〜冒頭から序盤まではわりかし面白かったのよ、しかもずっと1917や、ウトヤ島、Netflixのアテナとかみたいにこれは長回しで最後まで行くきなのか!と思ってたら、、、意外と序盤の怪異でカット割りしちゃうw
長回ししますよ的な、今までの思わせぶりは何?それでもおじさんへのスイッチングは、中々に主人公変えるパターンか!?とまたもや気持ちが上がるも、結局蛇足
おじさんのストーリーは子供がいる分余計な気がする、どうせおじさんやるなら意味持たしてほしいよね
で、肝心のストーリーは、喘息持ちの彼女と別れようとしていて、電車内のトラブルも引き返しちゃう無視しちゃう人を二宮くんが演じているんだけど、取ってつけたようなストーリーに意味深ぽい映像が挟まれたりするんですが、まあ意味なし
元々世にも奇妙な物語的な話を、無理くりにストーリーつけているから、どうにも辛い、どうせなら二宮くんたどり着けず主人公変わるくらいの英断欲しかったな、でないと脱出できる未来はほぼ判っているのだから、そこまでの過程をもっとドラマチックにしてほしい
喘息持ちも最初その演技させたかっただけ?ああいうのは終盤で活かすか、何かしないと、、、勿体ない
そして、小松菜奈との子供が出来た話
子供が小松菜奈の事お母さんって言うけど、これがこの世界が己の罪の意識や、妄想の世界だとして、子供は未来の2人の子供という解釈は、おじさんパートがある分謎すぎる
そして、この子供異変気がつくんだけども、その異変、、、おじさんも二も、気がつけや!結構気がつくぞあれは
子供が見ている、停まっている
これは大ヒントすぎるし、人って結構違和感に気が付きやすいのですよ
あのドアノブ気がつくよね〜もっと違う変化の方が良かった気がするなー
で、仮に子供が未来の子供への気持ちから産まれた概念だとして、そもそもの今回の映画の違和感
そう違和感
このゲームは異変、違和感を感じたら引き返せ、戻れ!が絶対ルールなんですよ
異変、違和感に立ち向かえじゃないんです
故に最後主人公の二宮君が、電車に戻ってきて、あの赤ん坊の親子に怒鳴り散らしている人に立ち向かう場面、グッと来づらい
話としては判る
そうしたかったんだなというのは判るけど、違和感に逃げていくゲームとの相性は如何なものか?あんな波から逃げるのはそりゃそうなんだけど、、、ああいうのは乗り越えて進む姿が成長的な暗喩になる気もするしね、引き返すって世の中では大事だけど成長と繋がりにくいよね
ストーリーに引き戻らずに失敗した何かがあって引き返す的なものならわかりやすかったのか?
おじさんは話さないけど、女子高生が話し始めるのも怪異、異変としては中々に特別だが、それも大きな意味が無い
どうせなら意味が最後まで無い怖さを描いたほうが世にも奇妙な物語的で怖かったのでは?
おじさんパートが丸々カットしても話が通じてしまうのが、、、勿体なさすぎる
意味の無い羅列の方が良かった気もするなーやっぱり二宮君が失敗する、主人公変わるという英断は無理か
それと、怖さも中途半端なんだよなー
それなりに怖いけど、また見たくなるような映画では僕の中では無かったな
まあ謎解き、間違い探し的な内容と、これを映画化しようという心意気は素晴らしい、これからも挑戦してほしいですね
でも、川村元気監督作、百花もそうだったけど合わないんだろうね〜今の所
次回作に期待!
あくまでも僕の個人的な意見です
有名人の通過は異変
原作のゲームは複数の実況にて把握済み。よって感想は原作ゲームのネタバレも含む。
ゲームのヒットを受けて急いで映画まで作ったよ!という分かりやすい姿勢はそれはそれでいい。
急いで作ったにしては、それなりにホラー映画になっていたと思う。
もうちょっと面白くできた気もするがグロを増やしても原作ゲームと違ってくるし、ドラマを増やしてもほぼストーリーのない原作ゲームからかけ離れるので、これくらいの「めっちゃグロくはないそこそこホラーでなんとなくドラマもある」くらいの落とし所になったのだろう。
原作にあった見つけずらい異変の「ポスターの肥大化」はなかった。あれは映像だと極端にやらないと分からないだろうからなくて良かった。双子も明らかなシャイニングパロディなのであれもなくてもいい。
しかし。「壁男」がないのはもったいないだろう。いつ壁男が走ってくるのかワクワクしていたのに。ないんかー。
まあ分かるは分かる。たぶんCGや全身タイツとかで試したみて面白い感じになったからカットになったのだと思う。
少年は未来で生まれる息子なのか?そうでないのか?という絶妙な加減。パパには会ったことがないと言うが、貝殻をお守りとして持っていた。そして後半にパパ、ママ、息子が海に来る回想だか妄想だかの場面があらわれる。ここで息子がママに貝殻を見せて「お守りにしなよ」とママに言われる。
この意味深な場面で「どういうこと?」と思わせつつ最後まで明確にしないのは、まあ落とし所として意図は分かるは分かる。謎な雰囲気を残したかったのだろう。
個人的にはもっと明確に「未来から来た息子でした」と示してくれても良かった。
おじさんが8番出口を探して歩きまわる場面は意外性があって良かった。誤った間違いの8番出口から出てしまったがゆえに永遠と地下を歩き続ける人ではない存在になってしまった、という感じの演出。ここは良かったと思う。原作ゲームにも嘘8番出口はあるが入っても最初に戻るだけだから。あのゲームならではの永遠とループする話しかけても無反応なおじさん。彼はなぜああなったのか、作り手が考えて示したアレンジは良かった。
目や耳がついたマウスは原作ゲームには出てこず、赤ん坊の泣き声がするコインロッカーも映画独自のものだがこれくらい足してホラーにしないとね、という意図は分かる。
ならば証明写真機もその横のゴミも何かに使って欲しかった。せっかく映画で足したのに使い切れてなくてもったいない。
津波が去ったあとに色々な家具らしきものであの通路が埋まるのだが、あれも主人公の家具だったりするのか。そういう伏線、ストーリー上のつながりみたいのは欲しかった気はする。
と色々書いて「もっとこうだったらより面白くなったのではないか」と口だけなら言えるのだが、結構それって「原作にない要素を付け足す」ことになるので。それはそれで「シンプルな分かりやすさ」が魅力の原作ゲームの魅力を損なう気もする。
ということでこのくらいのバランスの映画の落としどころになったのかなと思った。
音楽が中田ヤスタカだったのだが、あんまりヤスタカ感を感じれなかったので、エンディング曲はヤスタカ作曲のPIKIのコラボソングのやつで良かっただろ、と思った。映画の雰囲気にあってるし。でもおそらく作り手の判断で「いい曲だけど、エンディングで流すとちょっとコミカルな感じになっちゃう気もするんだよなあ。う~ん、コラボソングという落としどころで!」という流れになったんじゃないかと予想する。
ボレロの方が「繰り返すメロディ」が「繰り返される空間」に合ってるし壮大な感じも出る、という判断だったのだろう。でも正直ボレロの雄大さに映画は負けている。ただ、作り手の意図は伝わった。エンドロールでも文字の表示の仕方を工夫しており、なんとか映画らしいことをやろうとする姿勢は見えた。
序盤でニノが電車から降りる場面でヒカキンが乗客として乗ってきて、すごく堂々とヒカキンで「いきなり有名人が通り過ぎるの、立派な異変だろ」と感じた。ただ、こういう要素も入れないと映画にしたかいがないのも確か。
ニノが普通の人っぽい感じを出すのがうまくて、さすがだった。
序盤からニノ演じる主人公は頻繁に咳をしていて水飲んだり吸入器を使っており、どうやら喘息持ち設定らしく。これが緊迫感を生んでいるのは分かるが。
後半でリュックをおろしてその場に中身ぶちまけたまんま置いていき、また同じ場所を通る時はリュックは消えており、これも異変だろ、と感じてしまった。なんなら後半でほとんど呼吸の荒さが出てないのは主人公自身が異変じゃないのか、と思ってしまった。成長した、みたいな表現なのかもしれないが、前半でちょっと咳を強調しすぎた気はする。
ラストカットが再び冒頭と同じ電車内で、今度は降りずに横に移動したところで映画は終わる。あれで「たぶん赤ん坊抱えたママに怒る男の乗客に注意しにいったんじゃないか」と思わせて終わるんだが、そこはもっと明確に描写してよかったようにも思う。ただやっぱりそういう要素を入れると「原作にない余計な付け足し」になるんだよな。だからシンプルさが魅力のゲームの実写映画化はやっぱりなかなか難しいと思った。
期待度大!ガッカリ大!
予告など期待度MAX!
二宮和也主演で、映画「CUBE」を彷彿させる様な謎めいた予告。
映画冒頭のつかみは予告編の通りで、この後どんな事が起こるのか相当ワクワクさせられた。
しかし、話しが進んでも展開がない・・・この後どうなるの?と待てども待てども大した展開もないまま終映。
期待度が高かっただけに、ガッカリも大な作品。
途中、通路の蛍光灯の並びが変わったり、ニッチな変化はあったものの1時間35分が長く感じた。
たまたま上映スケジュールが良く、この作品の後に「国宝(上映時間2時間55分)」を鑑賞したが、長さを全く感じさせない後者と比べるまでもない。
鑑賞後のサプライズが秀逸
ラストシーンのカットまでは「やっぱりこのストーリーで映画にするには無理があったかな」「ちょっと駄作かな」と思っていたが・・・。最後、冒頭と同じ電車で「迷う男」が違う行動に・・・というシーンで終了したインパクトで、「あ、異変に気付いたんだよね・・」となり、そこから振り返って「人生のメタファー」というメッセージ性に気付いた次第。
やはり冒頭の電車のシーンでモヤモヤしたままだったが、やっぱり無関心はよくない。ただただ「歩く男」になってしまう。寄り添う気持ちがないと異変には気付けない。無関心でただ生きているだけの人生になっていないか?というメッセージか。
エンドロール時にそんなこんなを考えていたら劇場が明るくなったので、入場時に入ってきた出口から出ようとすると、劇場の係員が「お帰りは、前方の出口から出るようお願いします」と言って後ろの出口を封鎖。なんでやねん、と思いながらわざわざ前方から出て地下通路を歩いていると、そこには映画と同じ「0番出口」から始まる看板が掛かってるではないか!そして「1番出口」「2番出口」・・・と続き同じポスターまで貼ってある。7番まで行ったけど8番が無い。あれ、これもしかしてループして出れなくなるのかな、これ現実なんかなと錯覚し始めたら、コーナー曲がって暫く歩いたところに「8番出口」が。
「ふぃ~~」。これからは常に周りに関心を持って生きていこう、と思って劇場を出ました。
面白いような面白くないような
ゲーム知らずに見ました。
スマホ、イヤホン…そして何となく無気力で面倒なことには目を向けない、今の日本人の象徴のような迷う男。
迷いながら喘息がでてくる。狭い地下鉄の通路と喘息のヒューヒューという音。そして、不快な音…見ている者も、閉塞感とか不快さを感じてしまう。
んだけど、そういうゲームだから仕方ないのは分かるけど、何度も繰り返されてちょっと中弛み感を感じる。
と、今度は歩く男に焦点が当たる。中弛み…ちょっと挽回しつつも、また繰り返しに中弛み感。
と思ったら子ども
うまい感じで、中弛み感を回収したかな。
コインロッカーから赤ちゃんの泣き声がしたり、津波?が押し寄せてくるシーンは、冒頭の電話の話が迷
う男に潜在意識を植え付けたためか?
だけど、きっと迷う男は父親になるんじゃないかな?とふと感じた。
ボレロの流れるエンドロールが、ポップで新しい感じがして好きだった。
映画館出口を出た後の行動を問われる映画
長回しにして本当にゲームの世界に迷い込んだような撮り方や、8番出口のセットは多分1つのはずなのに、繋がってるように見せる撮影技術とか凄すぎですね。どこでカットしてるんだろう。
場面はずっと同じなのですが、飽きさせないようにちゃんと展開を作ってあって素晴らしかったです。
途中、おじさんにスポットライトを当ててくるとは思いませんでした。この辺はゲーム知ってる人じゃないとサプライズ感無いのかも。
冒頭で、主人公がスマホで人の耳付きネズミや津波動画等の記事をスルーして下にスクロールを進めてたのが、8番出口で実際にネズミや津波に遭遇したら恐怖を目の当たりにして引き返そうとする(ルールのこともあって)のが対照的でした。
とにかく無駄が無くて洗練されてて、実験的なアート作品という感じで素晴らしかったです。
ストーリーとゲームの無機質な世界観のバランスも良くて、ストーリーでコテコテになりすぎてもイメージと違うし、ゲームそのまますぎても淡白すぎるので、丁度良かったと思います。
ラストも主人公が新たなアクションを起こす瞬間で画面真っ黄色、ボレロのリズムに合わせて表示される断片的なテロップ描写、アートですね。
もう少し主人公達の行動にリアリティがあれば最高だったんですが、十分楽しめました。
8番出口の予備知識がない方は、ゲーム実況をYouTubeで見て、ゲーム内容をある程度把握してから見ると何倍も楽しめると思います。
じじい
には全く理解できなかった。
理解できないとするとゲージツか???
とも思うが、ゲームベースらしいからそれはあるまい。
評価が意外に高いので、二ノなら何でもありなのか?
それともゲーム世代には理解できるのか?
とにかくじじいはつまらなかった。
手持ち無沙汰で何度も時計を見た。
それでいろいろと妄想を・・・・。
小松菜奈と言えば私の印象は魔性の女。
これは小松菜奈が仕掛けた8番出口を舞台にした父親適性試験か?
あの子は実は何らかの事情でできたおっさんとの子でおっさんは失格。
仕方なく二ノに押しつけるために誘い込んだ。
まんまと策に嵌まった二ノは父性に目覚める。
まあ、違うだろうしどうでもいいけれどそれほどつまらなかった。
せめて、小松菜奈にもっと本領発揮して欲しかった。
賛否両論とはこの映画のことかな
公開日に新宿で見ました。
若い方を中心にほぼ満席の劇場。
結論から言いますと、面白くはないです。
駅構内、しかも改札出てから出口までだけという1つのシチュエーションですが、空間が広くも狭くも感じる展開がいいと思います。8へのカウントダウンが空間を無限の広さに感じさせ、合間に挟まれるおじさんさんが空間の息苦しさを引き立てる。不思議な感覚が良かったです。
ただ全て見終わった時に、「あれはなんだったんだ?」と謎のまま終わる部分が多すぎます。というか全てが謎のまま終わるので、映画の終わりは何も感じることができません。
こんな感じで、他の作品を見ることをお勧めします。
背筋が伸びる
自身の人生への迷いそしてその決断を迫られていく映画。
迷う男はその名の通り決断しきれぬまま迷うのだが、おそらく未来の自分の子である少年と出会い、咄嗟の判断で命を助ける。ここでもう迷いから抜け決断しているのだろう。
そして少年も迷う男も8番出口から出ることができ、迷う男は電車内でも決断し一歩踏み出そうとしている。きっと男には海辺で親子3人戯れる未来があるのだろうし、少年は8番出口に入り込むことはないのだろう。そういう希望を見いだせるような最後が良かった。
個人的にゾッとしたのは、迷う男が開いてる扉を開けた先に電車に乗ってる自分の顔を見たとき。罪悪感を抱える行い真っ最中の自分の顔を真正面から突きつけられる…あらゆる負の感情に襲われ怖くて仕方なかった。涙が出た。
あと8番出口の本当の出口が下り階段だったこと。またさらに地下に入らなければならないんだと。登り階段で地上に出れる、、いや、出たいと思ってしまうではないか。
そう、私はこの世界観に放り込まれたらおじさんと同じ行動をとってしまう。
0に戻されたら子供の前でも発狂するし、我に返って精いっぱいの作り笑顔をし一緒に異変を探すよう強要するし、反応の薄い子供にイライラする。そして登り階段を見つけたら嬉々として登って行く、、人間じゃないバケモノコース一直線な自分が容易く想像できてしまう。
せめて歩き方もおじさんみたく姿勢正しく美しく歩きたい。そう思い、最近は背筋を伸ばして歩くようになった。
がんばった方、ではある。
二宮くんを使ってやるのもいいし、映画独自のエッセンスを落とし込むのもいい。単調ではない。
だが、流石にそれだけでは拭いきれないものはある。
まず主人公が理解するスピードが「少し早い」。リアリティを求めるならもっと隅々まで確認をするフェーズがないと、こういう「ゲーム」系は厳しい。だから「ゲーム」系は説明役の人間が存在し、教える役割がある。
自分は実況を見て仕組みを知ってはいるから飲み込むのが早いけど、知らない人はどうだろうな。
一個一個異変を咀嚼し、そのスピードをだんだん早めた方がリアルで良かった。
あと最初の手持ちカメラ、やめてほしい。
画面酔いする。
ラースフォントリアーか。
まぁ、あそこまでは酷くないけど体調悪化したわ。
二宮くんターンで圏外になっていた電話が途中で復活して未来の奥さん?に電話するシーン。単調を打破したかっただろうがまず電話が繋がったなら「いまこういう事が」という報告がいの一番に来るだろうに、冷静になって「赤ちゃんが泣いてて」じゃないのよ。
あと異変があったら「異変だぁ」みたいな感じになるのやめなよ。そりゃ圧巻のCGとか見せたいだろうけど、普通なら引き返すよ、異変なんだから。うわぁ〜じゃないのよ。
おじさんのターンも、おじさんの説明を省いているから感情移入が出来ない。なんかネックレスに奥さんが…みたいなのも絶対欲しかったな。ただのデカいハゲおじさんにしかなってない。
感情変化が映画のキモなので、最初と最後で同じシーンを繋げて最後が違うアクションなのは良かった。あと子どものほっこり感。
知り合いと行ったので、帰りの地下鉄で異変があるぞー!ってやれたのが楽しかったので、行かれる方はぜひ楽しいお友達と行ってください。
あと画面酔いする人はマジでやめた方がいい!あのちゃんの例のCMで酔う人は無理かも。
頑張った方ではある。
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