劇場公開日 2025年12月5日

「多様な世界が広がる、正統進化の続編。」ズートピア2 コレッキャ・ナイデスさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 多様な世界が広がる、正統進化の続編。

2025年12月5日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

カワイイ

前作は鑑賞済みですが、細かい内容は覚えていません。それでも本作は十分に楽しめました。冒頭で前作ラストのおさらいが入るため、記憶が曖昧な方でも問題なく物語に入っていけます。
ただし「2」から「1」の順で観ようとする方には、ネタバレになるので注意です。

〈世界観〉
今作は、動物たちの都市ズートピアの外側に暮らすマイノリティが中心に描かれます。

水辺の動物たちの街「マーシュ・マーケット」は、陸と水中の二層構造になった賑やかな商店街で、ズートピアには無い喧騒と猥雑さが楽しめます。
さらに、爬虫類たちの隠れ家は、ズートピアから弾き出された為に場末の酒場のような雰囲気で、湿っぽく荒んだ空気感が印象的でした。

ニンジンの冷凍食品、蛇用のくねくねした絨毯など、小物に至るまで世界観が丁寧に作り込まれており、それらがテンポよく映し出されるので飽きさせません。

個人的に、ビーバーのキャラクターが特に面白かったです。
おせっかい焼の中年女性を彷彿とさせる陰謀論系の配信者という設定となっており、車内は齧った木屑だらけ、配信された動画はジュディ以外誰も観てないような視聴数で、思わず笑ってしまいました。

〈ストーリー〉
前作が「居場所を手に入れる」物語だったのに対し、本作は、「居場所を守る」為の物語だったと思います。
信念に従い正義を遂行する事と、手に入れた居場所を守る事。
天秤に掛けられた問題に対して、ジュディとニックの価値観の違いがテーマに据えられています。

陸と水辺の動物たちの価値観の違い、爬虫類への差別などもしっかりと描かれています。
マジョリティとマイノリティの対立。「命」と「誇り」を天秤にかけた捜査といったシリアスなテーマを扱っていますが、可愛らしい動物達を通して描かれる事で、説教臭さが打ち消されているのが魅力的でした。
重い話と優しい雰囲気が上手く同居しているお話です。

ただ、一族郎党に関わる大きな被害を出した事件の為、決着があっさりしていた点には少し物足りなさを感じました。

〈アクション〉
ズートピアでのカーチェイス、ツンドラタウンでの雪上サーフィンアクションなど、各地の特色を活かしたスピーディーな追跡劇が楽しめます。

特に印象的だったのは「マーシュ・マーケット」での追走シーン。
水上を泳ぐ蛇を、ジュディとニックが水辺の動物たちの頭を跳ねて追いかける演出は、可愛らしさと爽快感が両立しており見応えがありました。

基本的にアクションは楽しめたのですが、戦闘シーンにはあまり力を入れていないようで、ボス戦があっさり終わった点は惜しく感じました。

〈総評〉
ズートピアの外側も含めた世界の広がりが見事で、ぜひ今回登場した街を丸ごとディズニーランドで再現してほしいと思うほど魅力的な作品でした。

動物たちのオーバーリアクションや背景の作り込みも素晴らしく、ルック面でも高い完成度です。大人も子供も楽しめる作品として、強くおすすめできます。

余談ですが、TOHOシネマズのズートピアのマナーCMで、ジュディが爆音を鳴らすのはキャラと合わないと感じていました。しかし、エンドロール後のハイテンションなジュディを見ると「確かにありえるな」と妙に納得してしまいました。

コレッキャ・ナイデス
ゆーきちさんのコメント
2025年12月6日

続編公開に9年、ヒットが見込まれるからこそ、コケるわけにいかない作品ですからね。爬虫類を絡ませてあれだけの深いストーリーにするとは、さすが、ディズニーでした!

ゆーきち
ゆーきちさんのコメント
2025年12月5日

共感ありがとうございました。

すごくよくできてる作品ですよねー。続編に時間がかかったの、理解できます。

ゆーきち
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