「本物のクランとは命をかけて助け合うもの」プレデター バッドランド しんでぃさんの映画レビュー(感想・評価)
本物のクランとは命をかけて助け合うもの
本作はザ・プレデターという過去最悪な作品のせいで制作すら危うい状況だったのに、プレイとプレデター:最凶頂上決戦のおかげで持ち直し、正統続編としてもカウントできるレベルにまでなった偉大な作品である。
ジェットコースタームービーとなっており、テンポの良さも相まって物語に引き込まれる。
そしてこれは復讐劇でもある。
まずプロローグからして、衝撃の展開。
デクはかつて兄のクウェイを命がけで救い、歯を1本失いながらも2人とも生還することに成功した「勇者」である。
しかし、クラン内ではそれを認められず、父プレデターからは疎んじられ、ついには兄に弟の抹殺を指示していた。
兄もかつての弟がしたように命をかけて弟を救い、ひとまず故郷から離脱させることに成功する。
兄は自分が殺されると分かっていたはずだ。
このシーンでは、命を救われたものに命を差し出すという、プレデターの哲学を垣間見ることができる。
行き先は最高峰の獲物が住まう星。
そこでサバイバルを繰り広げるが、ここでも命を救い救われ、仲間として行動を共にし、クランを形成するに至る。
異星間種族のメンバー同士でクランを形成する様は、まるで昨今のオンラインゲームのクランそのもののようである。
(古くはスターウォーズといったところ)
だがここでプレデターズを思い出して欲しい。
他のクランには容赦しないのがプレデターの世界。
クランとは絶対なものなのだ。
そこで命を救い救われた者が団結してラスボスに挑む。
最高にクールだ!
最後はゴジラとかウルトラマンみたいな怪獣大決戦みたいになっているが、そこも良い!
新型パワーローダーも出てくるが、ボスになっているところとかアーケード版AVPではないか!
主人公デクは紛れもない強者であり、ハイテク装備を使わずに戦闘を進め、AVP2のウルフプレデターのような知力も用いて戦う。
クランを形成するとき、ウェイランドユタニ製アンドロイド(英語ではシンセと言っていた)のティアが説明していた狼の群れ(ウルフパック)からもわかるように、ウルフプレデターを意識しているものと私は読み取った。
裸眼のままで最後まで戦い抜いたデク。
プレデターにとってマスクは重要なアイテムであり、環境適応に必須の装備と言ってても過言ではない。
それを最後まで使用しないデク。
ティア救出の際には自作のボーンバイソンのマスクを被っていたデク。
こんなにもハイテク装備に頼らないプレデターはかつていなかった。
もはやダッチ・シェーファーの再来である。
さて、ここまで読んであなたは劇場に行くことを躊躇うのだろうか?
迷ったのなら観れば良い。
新しいプレデターはここにある。
ありがとう。
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