「そこそんなにバッサリいくの」スーパーマン 弁明発射記録さんの映画レビュー(感想・評価)
そこそんなにバッサリいくの
面白かったけどエピソード2感すごい。仕切り直しの新シリーズの1作目でここまでエピソード1的な展開をカットするとは思わなかった。そこそんなにバッサリいくんだ。
過去のスーパーマンを観たことある人ならヤングの頃の話は知ってるでしょ?今作が初スーパーマンの人は過去の話は察して!というノリの清々しいほどの潔さ。
これの何が惜しいかと言うと、スーパーマンもいいキャスティングだと思うしロイスもいいし、新聞社のメンバーもルーサーもいい感じなのよ。であるがゆえに、全体的にどういう過去があり、こういう状態になったかがあまりに描かれてないので、ちょっと置いてけぼり感もあるのよ。
付き合って3か月でそんなに色々知ってるの?とかルーサーはなんであんなにスーパーマンが嫌いなの?とか、あのスーパー犬も故郷の星から来たの?とか。
ラストにスーパーガールがちらっと出てきて犬はスーパーガールのを預かっていたと説明あるんだけど、彼女はいとこというが過去どういう経緯で互いに地球来たのよ?とか。
後半の攻め込まれている民の中で少年がスーパーマンのマークの旗を掲げるんだが、そんなに君はスーパーマンに思い入れがあるの?とか。
結局、過去がほとんど描かれていないので、想像するしかなくて。それでもいいけど。もし可能であれば、もう少し過去の写真なり映像を作って見せる方が良かったのではないか。少年が旗を掲げるシーンを作るなら、一瞬でも彼を助ける場面があっても良かったと思う。
こうした点が多かったのでもったいなかったなという印象。これだけ詰め込むなら新聞社メンバーの出番はもっと減らしても良かっただろ。
で、こういう作りだと「過去編は配信ドラマ見てね」とかそんな戦略なんかと思って、そう思わせるのも良くない。
ジェームズ・ガン監督は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のシリーズ観ているし、そのノリも分かるけど、あっちの映画ではここまで最初の経緯を端折ってなかっただろ。やっぱりスーパーマンという有名シリーズだからこそ、こう序盤をカットした感は否めない。
あと、序盤からやられているスーパーマンの描写で「活躍の前にやられたシーン見せるなよ」感あったし、結構中盤までずっとルーサーにやられっぱなしだし、何の罪もない捕まったおじさんがピストル2発目でスーパーマンの目の前で殺される展開は胸糞だったし、地味にホークガールが大統領を殺したのもなんか嫌だし、実の父母の後半のメッセージはマジで地球人を支配しろなんかよという点も地味に嫌。こういう地味に嫌ポイントが多い。
でもミスター・テリフィックが小さいマシン飛ばしながら雑魚敵を倒していく場面は良かったし、そもそもこの顔面ティーおじさんは後半まで結構活躍するし、グリーンランタンの緑の巨大な手とかで戦う見せ方も良かったし、あのスーパー犬も大活躍だったのは意外で良かった。
基本的には面白かったし、ルーサーという敵役をあれほど見事に描けているのは素晴らしいと思うし、立体的なアクションもすごかったなと思う。良いところが結構いっぱいあったので、ちょっとこう、微妙にもったいない。
こんだけ何度もリメイクしてるコンテンツだとこれぐらい新規軸を色々試す必要があるのだろう。
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