「激動の1年」サスカッチ・サンセット TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
激動の1年
事前に確認したところ、本作に対する米国映画レビューサイトの評価は結構低い。そのため「劇場鑑賞は見送ろう」と思っていたのですが、酒の勢いでついついオンライン予約してしまった本作。と言うことで公開初日の本日、新宿ピカデリー10時35分からの回に行ってきましたが、小さいシアターとは言えまあまあの客入り。ちょっと意外に思うも、やはりアリ・アスターが製作総指揮(の一人)として参加していることからの「期待」かなと思われます。
本作はSPRING(春)から始まる四季を通じた1年間、ある森に住む「サスカッチ」と呼ばれる未確認動物(UMA)を追ったフェイクドキュメンタリー作品。ちなみに本作にレイティングは設定されていませんが、このサスカッチは野生生物とは言え動物と言うより人間寄りの生態(まぁ、そりゃそうでしょうけど)。そのため、一般的に下ネタに分類されるようなことも容赦なく、「下品」という表現も言い過ぎでないレベルですので念のためアテンション。お子様連れや、デートムービー向きではないと思いますのでご注意ください。
などと、冒頭から早速ネガティブな印象を植え付けてしまいましたが、、4頭のサスカッチ、人間の言葉は話さず見た目は毛むくじゃらのため始めこそ見分けがつきませんが、それぞれの個性をつかみ、群れにおける関係性と距離感・バランスが解ると不思議に「何を考えているか」も想像できて、ちゃんとストーリーが見えてきます。
好奇心が強く、特に(冬を越した後の)春は食欲も旺盛。鼻を利かせて食べられそうなものを見つけると、躊躇しつつも取り敢えず食べてみるとこをは勇気なのか、ただの食い意地なのか。また、他の動物たちとの絡みもあって、ほのぼのするシーンもあれば想定外のリアクションに慌てふためいたりと、その奇想天外な言動は観ていて飽きません。
ところが、季節が進むにつれて思いもよらない展開が待っています。自然界において抗うことが出来ない「弱肉強食」、或いは、場所によって見え隠れする「人間の影」に対し、欲望に負けての暴走や、夢中になり過ぎて事故を起こしたり、有事が絶えない群れの様子は正にサバイバル。「作品」にまとめるためとは言え、群れにとっていろいろあった「激動の1年」の締め、エンドシーンのカットはえも言われぬシュールな画。そしてエンドクレジットのバックに流れるのはメス・サスカッチ役のライリー・キーオが歌う「The Creatures of Nature」。一体、何を観させられたんだか(苦笑)。
つまらなくはないです。でも、好みは分かれる作品なのは間違いありません。
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