フロントラインのレビュー・感想・評価
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豪華客船の中でどう対処したのかは理解できたが。
豪華客船ダイヤモンドプリンセス号の中で医療従事者達が患者達と向き合い、どう対処したのかは理解できたが、肝心の最初の患者からどう感染していったのかまでは残念ながら書かれていなかった。それは中国に対し、忖度したのか?とさえ思ってしまう。そもそも中国でのウィルスを、持ち帰ってきさえしなければ、ここまで問題にならなかったと個人的には思っている。悪いのは中国で、未だに責任を取っていないし(視点はずれるが、日本に対しては未だに慰安婦問題等で難癖つけてくるのに)。ただ、豪華客船の中でただ何もしていなかった訳でなく、医療従事者はじめ、厚生労働省は働きかけていたのだと言う事実のみは観ている者に伝わったのではないか?と私は感じました。
政治家はどこにいる。
増本淳氏が企画、脚本を担当している。
彼は元フジテレビプロデューサー。あのテレビ局の内情は内部告発であり信憑性が高い。
全編、DMATの医師・看護師、クルーが不当に評価されてきたことへの怒りと、その名誉回復への情熱に満ちている。
身を挺して救命に尽力している人々が激しい差別と排除に遭い、口惜しさと情けなさ、彼らへの感謝で、涙なしには見られない。
ただ、こうなると、どこまでが事実であるのかが気になる。
①厚労省の役人 立松(松坂桃李)はウソをついてでも、入院先を確保する。
②テレビ局の現場取材を行う、女性が報道の仕方に躊躇を感じる。
③400人を受け入れた愛知の病院はその後どうなったのか?
④現場のリーダー 仙道は具体的に、特定の人物として存在するのか?
彼はコロナウイルスを上陸させないことよりも目の前の命を救おうとする。
全て事実だとしたら驚くべきことだ。
組織とルールに逆らってでも、自分の信念を守り通す姿勢が、現場のスタッフのみならず、厚労省の役人や、患者を受け入れる病院にも広がっている姿には感謝しかない。
DMAT指揮官・結城(小栗旬)が報道の女性に「どこか面白がっていませんか?」の言葉に女性は答えることができない。あの忸怩たる思いは事実だと思いたいが、ここは信用できない。
ただ、あのマスコミの態度を助長しているのは私たちなのかもしれないとも思う。
ひとつ気になるのはこの映画の中で「政治家」は全く登場しないことだ。
立松が意見を上申するのは厚労省の役人だ。政治家ではない。
そこは暗澹たる気分になった。政治家が何かを決断した形跡は見えない。
最後に、立松は医師が行うべき判断を独自にして、陰性の兄と陽性の弟を同室にする。
おそらく明確なルール違反であろうが、それが尊い。
最初いけ好かないいなややつに見えたが、結城との関係がどんどん親密になっている。
「偉くなれよ、お前みたいな役人がいてくれれば現場の俺たちはもっと働きやすくなる」
なんという賛辞であろうか!
いつの間にか厚労省の役人をお前呼ばわりしているのもこの映画の真骨頂に思えた。
仙道医師(窪塚洋介)真田(池松壮亮)も素晴らしい。書きたいことありすぎ。
キャスティングにも配慮された佳作❤️
下馬評通りの佳作。あのダイヤモンド・プリンセス号で何が起きていたのか、人の生命を救うことに必至だった人々を描いた、愛と感動と涙の物語。本作は、医療従事者だけでなく官僚もマスコミも登場人物殆どみんな良い人に描かれてて、唯一の悪者 報道番組の上司も普段誠実な人柄の役が多い光石研さんで、脚本だけでなくキャスティングにも配慮された作品でした💕
但それだけに、世界を未曾有の大混乱に導いたコロナ禍の現場って、本当はもっともっと大変だったんだろうなぁと思わせる所もありました。
アフターコロナの世界より
記録映画として観るのが正解なのかな
他の方の評価が意外と高いのに驚いた。全般的にキャストの演技が控えめで淡々と物語が流れていく。主演が小栗旬なのでDMATがメインで話が進んでいくのだが客船に派遣されるまでの隊員たちの葛藤とか未知のウイルスに対しての不安など描かれることもなく(池松壮亮の家族だけサラッと)、また厚労省の役人である松坂桃李も患者の受け入れ先を何の苦労もなく(そう見える)決めていったりしてウラでどんな苦労があったのか全然見えない。DMATもどれくらいの隊員が派遣されたのかもわからず、窪塚洋介が現場で指揮を取っていたが全体像が全くわからず消化不良に終わってしまった。
医療従事者の方々には本当に感謝しかないのだが、取材したことが活かせてないのでは思ってしまった。喜びや悲しみ、葛藤や衝突などドラマとしての見せ場もなく中途半端な感が否めない。エンタメにするのが憚られる(?)のであるのなら記録映画としてきっちり作り込んでも良かったのでは。
ウィルスよりも怖いもの
メディアを疑うリテラシー、これ大事
観てよかった
この世界は誰かの献身の上で成り立っている
まずドキュメンタリーと言うものはなかなかに難しく、それが映画となると尚更だ。現実を元にしたフィクションと言われた方が気が楽だし、映画としては受け入れやすい。民間のメディア作品は一定の収益を求められるし、映画である以上、映画である事を多くの場合は求められる。娯楽や感情に刺激を与えてくれる芸術か物語か?現実の記録となると、この複雑で多面的に移り変わりゆく世界を正しく捉える事ができるのだろうか?ドキュメンタリー映画と聞くと、少しそう構えてしまう。今回はコロナ初期に、乗客約3700人が隔離されたダイヤモンド・プリンセス号における、政府と医療従事者、船のクルー側の観点から描いた作品だ。
物語は有事の際の仕事として行政の箇所は淡々と、そして時に仕事の上での人道と現実のぶつかり合いが起きて進んでいく。そこはリアリティが高いし、実際の現場でもそうなるだろうと言った内容だ。役人の無茶も現実にあり得そうな範囲の勝負だし、病院の調整も現実に起き得そうな議論だ。なので、そこまで劇的なイベントはなく、圧倒的なヒーローもいない。ただ映画的には目立たなくても、現実では大半が頭を抱える問題であり、向き合っているそれぞれが名もなきヒーローであり、主人公だ。
風評被害を恐れて、感染者を受け入れたくないと言う病院側。コロナに関わった医療従事者に子供を触れさせたくない親達。その気持ちは分かるが、今回はその被害を受けた行政や医療従事者側の苦しさや辛さを描いている。特に、DMATの隊員である池松壮亮が吐露する家族への心配や不安のシーンには心を打たれた。「僕の家族、隊員の家族のことは、誰が考えてくれるんですか?」子供を持つ親なら悔しくて泣きたくなる、自分は誰のために頑張ってるんだ?と叫びたくなるその状況。DMATはボランティアで成り立っていると映画では説明されていた。ボランティアで頑張っている人達が、悪気はないにしても迫害されてしまう世界。簡単な事ではないが、我々は誰かの犠牲や献身の上で、この世界が成り立っている事を忘れてはいけないと改めて思った。そして、彼のあの話し方は変わらずしっかりとした重みを持って、メッセージを腹の底に届けてくれる。小栗旬が病院内での議論で、「こんな非常時に対応するための医者だろう!」と言う言葉は、現実と、本来のその職業の役割とのぶつかり合いで、白熱した仕事の場で見られる情景だった。仕事の種類が違っても起きうる事だ。胸が苦しくなった。とは言え、普段は利益や利害で動いていても、ぎりぎりの所で残るのは自分の仕事への矜持ではなかろうかとは思うのです。最後の下船者は船長だった、この一文にも彼の仕事の矜持を感じ、皆がプロフェッショナルとして最善を尽くしたんだと思った。
一方で、乗客側の目線からすると、必ずしも十分と感じられる対応でなかった所があったのも事実だろう。ダイヤモンドプリンセスの中での対応に不満を挙げている人達も複数いる。常に満点の対応なんて難しい。現場は現場で最善を尽くすしかない。そして、それでも全てがハッピーエンドにはならないのがこの世界だ。ただ、このダイヤモンドプリンセスでの経験が、その後のコロナ対応に大いに役に立ったと言う事には当事者ではないが、当時の論調を考えると救われた気がした。
自分が好む映画的なイベントはあまりなかったが、俳優陣達はしっかりしていて、安心して観ていられたし、プロデューサーの増本さんが相当に取材を重ねた事が伝わってくる。結城役の小栗旬と仙道役の窪塚洋介は逆の配役の方もしっくりくると思ったけど、座長は小栗旬の方が良いんだろうから、そうするとこの配役になるのかと思った。何でもないシーンで泣いている場内の観客の人達は被害者か、関係者か、同じような状況にいた人達なのか。盛り上がるシーンじゃない所での、その人達の嗚咽がコロナと言う災害の苦しさや辛さを表しているように感じて、胸が苦しくなった。毎日ニュースで流れていた出来事や、周りが苦しんでいた状況を思い出す。時間が経って、コロナとは何だったんだろうか?と思う事もある中、忘れてはいけない事実を再認識させてくれた良い作品でした。
与えられた役割
小6の冬、突如として新型コロナウイルスが影を落とした。
卒業式までずっと休校。「普段通りなら」2時間程ある卒業式は、卒業証書を次から次へ渡す流れ作業の30分。写真撮影は無し。歌も無し。
中学2年生でもその猛威は続き、「普段通りなら」秋に行く予定だった修学旅行は、直前1週間前に中止となった。隣の中学校は時期を前倒したことで、第3波だか第4波だかが来る前に修学旅行に行けた。
中学3年生の卒業式、生徒代表のあいさつで語られるのは、「普段通りなら」学校行事や修学旅行の思い出。
壇上にあがった生徒代表のことばの大部分は、中止になった修学旅行が占めていた。
スーツケースに服やカメラを入れたこと。お金を靴下にかくしたこと。巡行ルートを話し合ったこと。部屋決め、班決め…
みんな泣いていた。
ニュースの画面に、「一斉休校」「緊急事態宣言」の文字が映し出されたとき、父が「お父さんが子供の頃にはこんなものなかった」と言ったのが忘れられない。
コロナ禍は前例のない、「普段通り」が通用しない、まさしくフロントライン(最前線)だったのだ。
フロントライン
今作、一ヶ月前から楽しみにしてました。
ダイアモンドプリンセス号でなにが起きていたのか?当時のぼくはよくわかってなかったので、「なにがどうなっていたのか」知るために観に行きました。
社会をもし演劇とするなら(僕が演劇部なので例えに使っちゃいます笑)、それぞれ与えられた役があるでしょう。では、もしそんな劇に、こんな役があったら?
「未知のウイルスの最前線に飛び込み、恐怖におののきながら、世間からバッシングを受けながら、家族が差別にあいながらも、患者のために全力を尽くす」
誰もやりたがらないと思います。そんな役、死んでもごめんです。
今作はそんな役割を与えられた者たちを描く作品。
次々と起こるトラブル、メディアの偏向報道…
まさにとんでもないフロントライン。
なにがおきるのか?このウイルスはなんなのか?
それも分からず、現場で咳を浴び続けた名もなき人たちに頭があがりません。
作中のセリフに「次また同じようなウイルスがでたとき、また同じ対応をしますか?」というものがありました。
ポストコロナが今後現れたとき、そのときどうするのか?僕は、後輩たちに僕のように中学校の青春を失ってほしくありません。
大学は経済学部に進学して、社会の仕組みを学ぼうと考えています。
コロナ禍以降ディーマットにウイルス災害対応の一文が追加されたように、
過去の失敗に学び、社会はまた組み替えられていく。そしてその積み重ねが防災、減災につながっていく。
本当に感動しました。
追記
自殺しようとした女性を、さいごに止めたのは人とのつながりでした。どこまでも与えられた役割を演じ、責任転嫁が巻き起こる社会でも、根本で大切なのは人と人の関係なんだと強く思いました。
英語、もっと話せるようになりたいですね!
英語の勉強が楽しくなりそうです笑
実話なのだが
ドキュメンタリーではないので…
申し訳ないが若干、迫力に欠けた気がした。
想像するに本部、現場、クルー、乗客、全ての立場の苦悩や苦闘を描きたかった、でも誰も悪者にすることは出来なかったのだろう。それこそ、DMATの方々のご家族・ご本人を直接間接に責めた人たち、要請に応えられなかった人たち、告発したり身勝手な振る舞いをした人たちのことも。まぁ、いかにも感じの悪い人が幾人か、いたはいたけど。それも多分、悪者にしたいわけじゃなさそうだし。そういう点で、要件とか制約とか多すぎたのかな。結果、広く浅くになってしまった感じ。ドキュメンタリーなら当事者の証言とかで全体を短時間で掘り下げられるけど、映画というかドラマとして2時間そこそこで描くなら、誰か一人のエピソードにフォーカスしてくれた方がより感情移入出来て、心に迫っただろうな、とは思った。
そんな風には感じたけど、でも見応えあった。そして自分はこういう事態が起きた時に何か出来るような職種ではなくて、それが何か少し残念な気持ちになった。まぁしょうがないけど。
5年しか経っていないんですよね
C国で発生したコロナウイルスが日本にも上陸しようとしたのを水際で食い止めようと各医療機関の方たちの奮闘をわかりやすく描いていました。
あの時、俯瞰のニュース映像でしかダイヤモンドプリンセス号のことを見ることができませんでしたが、船内ではパンデミックになろうとしている中、クルーの皆さん達も奮闘されたこと、未知のウイルスの蔓延を防ぐため先ずDMATに声がかかったこともはじめて知りました。
各医療関係者のご苦労もあったとは思っていましたがその後、国内の蔓延を食い止めることはできませんでしたが先陣をきって挑まれた方たちの苦労はけっして無駄ではなかったと思っています。
あらためてDMATの皆さん、ありがとうございました。
先日九州を旅行した時、佐世保港でダイヤモンドプリンセスを見た。ああ...
DMAT…目立つちゃいけないヒーロー
面白いかと言われると困るけれど
船の中にいたのは特別な人ではなく、隣人だった
まずはこんなに記憶に新しい出来事を、映画として見られることが新鮮だった。
未知のウイルスというものへの漠然とした不安感に包まれていた当時、それでもやはり自分にとっては「漠然とした」感覚でしかなかったと思う。
日々増えていく感染者の数字を見ながら、心を痛めさえすれど自分ごとではなかった。
「フロントライン」は毎日のように変化する報道に、へー大変だなあ、くらいの気持ちで見ていた裏で、最前線で戦っていた人たちがいたことを思い出させてくれた作品だった。
そもそもDMATという存在を知らなかった(私の無知かもしれないけれど)。
作品内で描かれている扱われ方がどこまで真実かは分からないが、ボランティアとして危険の中に飛び込んでいた人たちがいることは、もっと周知されてしかるべきだと感じた。
映画を見て1番に感じたことは、
災害の最前線は自分とは遠い世界のできごとではないということ。
医師や看護師たちも家族がいて、普段の職場がある。
船の乗客たちもそれぞれの生活の中で船に乗っている。
船の中は想像もつかないようなフィクションの世界ではなくて、ひょっとしたら近所に住んでいる普通の人たちなのだと、自分の想像力を省みるきっかけになった。
また、作品内ではマスコミや政治家はその一面がピックアップされているという点も忘れてはいけない。
マスコミの報道をそのまま鵜呑みにしてはいけないというメッセージが込められているが、この作品自体もまた、これが真実の全てであると鵜呑みにしないようにしたい。
自戒をこめて。
とにかく、映画としては見応えがあり、見終わったあとに人と話したくなる良い作品だった。
p.s.久しぶりに窪塚洋介を見たが、色気があってこんなにかっこよかったっけ?と驚いた。
本当に、本当に、本当にお疲れさまでございました(_ _)
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