フロントラインのレビュー・感想・評価
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脇役なんていない
今もどこかで戦っている人々がいて彼等に感謝と尊敬の念を持つキッカケをくれた2020年。
ダイヤモンドプリンセスで起きている緊急事態に対し、当時の私は遠い出来事として俯瞰しどこか冷めていたと思う。そして過熱する粗探し報道により世間の“イジメ”がより巨悪と化してから異常なことに気付いた。
有効な治療法もない中、新型コロナと対峙する医療従事者の苦悩は計り知れない。それでも過去の教訓や3.11の経験を活かし最善の方法を常に考えベストを尽くすDMATの存在は勇気を与えるものだった。
それだけでなくクルーや乗組員の乗客への気配り以上の温かさには胸が熱くなった。
本作は史実を元にした脚本にオリジナルキャラクターの存在がいて、特に桜井ユキさん演じる上野の心情が我々とリンクする部分が大きい、彼女の演技力に好感が持てました。
そして滝藤賢一さん、貴方の演じる姿に緊張と人間味を感じて様々な作品で心を鷲掴みなされる、今作もズルい役どころでした。
決断の難しさとそれを乗り越える強さ
このポスター写真を見たら劇場に行かないわけにはいかない。この4人の共演は見逃せない!そしてその期待は裏切られなかった。
ついこの間の事のように覚えているこの出来事、最初のニュースを見た頃、自分は2週間のヨーロッパ出張に出た。あちらでもこのクルーズ船のニュースは連日報道されていて、「あんなに大勢の人が、何故まだ下船できずにいるの?」などとあちらの人に聞かれたりした。コロナの足音か近付いていたが、まだ少し遠かった頃。
この出来事がこんなに早く映画化されたことに驚いたが、殆どの人がまだ覚えている今公開された事に意義があると感じる。空気感や、その先に起こることが一瞬で思い起こされ、また当時どんなふうにこの出来事を見ていたか思い巡らしながら、スクリーンを見ることになる。規則やルールはもちろん大切だが、人道優先、命優先、災害現場の医療従事者はその思いで働いている、頭が下がります。
美化されている部分があるのかどうかは分からないが、少なくとも未知のウイルスの集団感染に突然対応しなければならなかった人達の、命懸けの決意と行動、取り巻く環境、私達はそれを遠くから観ているしか無かった現実を、スクリーンを眺める観客として追体験しているような感覚。難しい決断をせまられながら悩む時間も無く、その時の最善を選びながらとにかく進んでいく、それぞれ違う立場に置かれた人達の熱がしっかりと描かれている。この作品にすら、見た人の感想は様々違うでしょう、それがいつもこの世界の現実。それでもこの作品の公開意義はとても大きく、拍手を送りたい。
あの頃の空気感を思い出す。
コロナの始まり、毎日のように伝えられるニュースに「にっちもさっちもいかない」感じにやきもきしていた。それでいてどこかでは「自分には降りかからない」対岸の火事、「クルーズ船、金持ちの贅沢」とまさに傍観していたあの頃を思い出す。その後「コロナ禍」を考えると、もう少し事実をしっかり報道して欲しかったと思う。映画は、最初事務的ないかにも官僚面をしていた松坂桃李、野心的なマスコミの桜井ユキが成長してゆく様子が良かった、小栗旬が最前線の窪塚洋介たちを支えながら戦う姿もカッコよかったし、森七菜や池末壮亮の地味ながら真っ当に働く感じも好感度抜群。
良くも悪くもエンタメになってる
真実は小説より奇なり
25日間の攻防を2時間に収めようと思えばこうなるでしょう。正直なところ、話がトントン拍子に進んでしまい物足りなさを感じました。物足りないと言ってしまっては、現場で奔走した医療従事者の方々や乗客に失礼だとは思いますが。
役人は有事の際にも責任を取ろうとしないし、常に動くのは下の者たちです。
5年前、毎日のように報道されたダイヤモンドプリンセス。自分の職場の目と鼻の先の出来事でした。感染はどんどん広がり、どんなウィルスなのかわからない中で有名コメディアンが亡くなったことで日本中がパニックになったのだと思います。現実のDMATの方々はもっともっと大変だったと想像に難くありせん。あの船に出入りしている事が分かれば家族まで巻き込む事になるという極限状態で、それでも命を救うために戦ってくださった皆さんを2時間に収めるのは無理と言うものです。夫が重症化し、喚きながら手すりにまたがるパニックおばさんは余計でした。小栗旬も窪塚洋介も演出なんだろうけど淡々としていて、疲労のかけらもなく、綺麗さっぱりな松坂桃李が並んだ時には白けてしまいました。
リアルさが余りになくて。
池松壮亮は頑張っていたかな。
あと、意外にも森七菜が良かったです。
うーん、辛口になりましたが物足りない、が正直な感想です。
残念な作品
やっぱり人間力
リアルに基づいた映画ということで、あの当時を思い出しながら観ました。
ダイヤモンドプリンセス号がニュースになったときはまだコロナのことがよくわからなかったときでもあり、混迷を極めてましたよね。映画をみて、まさにフロントラインの方々は大変な思いをされていたんだな、と。
人ってまずは自分と周りの人を守ろうとするから、それぞれの立場に立ってみると単純に非難ばかりもできないのかもしれない。
それが一番感じられたのは、愛知の病院の滝藤賢一のシーンだな。まずは自分の病院が心配。でもやっぱり根底には助けたいという人間力もある。
だからこそ、マスコミは途中で切り取らないで全てを報道して欲しいのです。私たちはニュースをみて知ることしかできないのだから。
松坂桃李演じる官僚の最初の事務的な上から目線から人間的に成長していくところもよかったです。
未曾有の事態に立ち向かう人々の姿は見応えがあるが、それを「成功事例」として描いていることには違和感がある
自らが未知のウイルスに感染する危険がありながらも、ボランティアとして客船に乗り込んだDMAT隊員達の使命感と心意気に胸が熱くなる。
戦友同士のような信頼で結ばれた小栗旬と窪塚洋介の関係性もさることながら、最初は対立しがちだった小栗旬と松坂桃李が、次第に共闘関係を強め、友情で結ばれていく様子も心に響く。
家族が差別や偏見に晒される理不尽さに苛まれながらも治療に専念する池松壮亮や、無責任な批判を繰り返して国民の不安を煽るマスコミの姿勢に疑問を感じ始める桜井ユキの心情も胸に迫ってくる。
このように、未曾有の事態に立ち向かった人々の葛藤や苦悩が克明に描かれていて、総じて見応えがあるのだが、その一方で、どこか物足りなさを感じてしまうのどうしてだろう?
一つは、本作の見どころが、PCR検査で陰性の乗客を入院中の家族に会わせるために下船させるかどうかとか、外国人クルーを入院させるかどうかとか、マスコミの誹謗中傷に反論するかどうかとか、横浜から愛知県の病院への患者の移送が成功するかどうかとかになっていて、「絵的」に地味な印象になってしまったからに違いない。
題材が題材なだけに、大作らしいスペクタクルな見せ場を作るのは難しかったのだろうが、例えば、主要人物がコロナで命を落とす(美村里江の親子がその役回りなのかとも思ったのだが•••)など、もう少し「死の危険と隣り合わせ」みたいな状況が明確に描かれていたならば、さらに切迫感のあるドラマになったのではないかと思えてならない。
そらから、これが、「成功事例」として描かれているということも、物足りなさのもう一つの理由なのかもしれない。
確かに、前例のない事態において、「人道的な正しさ」を判断基準として行動する小栗旬にしても、「嘘も方便」でお役所仕事を柔軟に処理する松坂桃李にしても、厚労省やマスコミへの対応よりも「患者の命」を第一に考える窪塚洋介にしても、誰もが、あの状況下で最善を尽くしたのは間違いなく、その意味では「ヒーロー」であったことに異存はない。
しかし、前例のない事態だったからこそ、間違いや失敗も数多く生起したはずで、それを無かったことにして、すべてが正しかったかのように描かれていることには違和感を覚えざるを得ない。
別に、後知恵をもって当時の不手際や判断ミスをあげつらい、それを糾弾するべきだと主張するつもりはないのだが、後世に教訓を残すという意味でも、もう少し「失敗に学ぶ」という姿勢があってもよかったのではないかと思えるのである。
観るべき作品に間違いない
あの豪華客船が横浜沖に停泊した日のことは
遠い横浜の地であっても、恐怖したことを
今も鮮明に覚えている。
未知のウイルス、日本に持ち込まないでーって思った。
会社でも罹患者第一号には絶対なりたくないって思った。
だって、どんな扱いをうけるかわかっていたもの。
誹謗中傷、差別、みんな怖いからだろうけど酷かった。
(あの時言われた言葉の数々は忘れない)
客船を停泊させたことを諸外国は
「国民の命が大切じゃないのか?」と言うコメントを
見聞きしたし、ほんとだよ!!って思ったけど、
あの時あの決断を彼らがした事で、乗員乗客3,700人の
命は助かったんだと(下船してから亡くなった方はいるが)
人道的に正しい行動だったんだと、今更だけど知れてよかった。
役者陣も誰も彼もいい。最高。
観るべき。
窪塚洋介の存在感がいい
事実に基づいた話だしストーリーは特段の捻りなく普通だが、キャストは主役級がズラリ。誰もが魅力的なキャラクターを演じる中、窪塚洋介の存在感が凄かった。滝藤賢一も再評価。怒って文句言いつつ缶コーヒーを池松に渡して労うシーンが印象的だった。小栗旬と松坂桃李はカッコよすぎて現実味薄くなってしまった感あるけど当時の記憶が生々しく思い出されて感慨深く、思わず涙ぐんでしまいました。
映画館で観て損はないよ!
☆感謝と敬意☆
25-074
色々考えさせられた良作
出来れば、あまり思い出したくもない出来事だったけど…
出演者がみんな好きな役者さんばかりだったのと、何か観るべき作品なのでは…という思いもあり ふと仕事帰りに観に行く事にしました。
想像以上に久々胸にズドン!とくる作品でした。
自身の事を語らせてもらえれば、この期間 コロナの影響で永年勤めた職を失い ハローワークがパンクするのではないかと云う状況下で漸く得た仕事がコロナ関連(何処のとは言えないが…)の問合せ窓口の仕事でした。
まぁ問合せと言えば聞こえは言いけど、早い話ほぼクレームしかない窓口だったのです。
中には何時間も怒鳴り続ける人、冷静に只々あらゆる不満をのべつ幕無しに話す人…
ただ、ある程度そう言った作業(?)に慣れてくると″聞き流す″といった技も出来てくるし 何より内心″よくここまて語れる知識(?)を持ち得てるのって 何か凄いよなぁ″なんて ある意味感心しちゃったりなんかして^^;
とは言え かなりストレスになっていた事は間違いないのですが。
それでも身を以て闘ってこられた医療従事者や其のご家族、更に言えば此処では語り尽くせないコロナ感染者の受け入れをされていた宿泊施設や関連業者の方々…
そう言った多くの人々の御苦労や御心痛を思えば 私のストレスなぞ あまり大した事ではなかった様にさえ思うのです。
また、この映画ではマスメディアやソレに踊らされた多くの無責任な言動や動向にも視点が向けられているのだが、
ただ、何を隠そう私自身もアノ期間 自身の住む地域が感染者が当初は少なかったのにGW期間中に急激に感染者が増えたと云う報道に内心″なんでこんな時期に帰ってくるんだ!!″と密かに憤っていた一人なので他人の事をとやかく言えた義理ではない…
とにかく、この映画は一人でも多くの人に見てほしいと思える作品でした
ただ…2時間ほどでは紹介しきれない部分も多々あったでしょう。
中でも 映画の比較的終盤に出てくるクルーが隔離されていた何とも言い難い劣悪な環境、、、
それなのに身を呈して乗客に心を配る姿勢には心底胸にくるものがありました
きっと、この映画でも表現しきれないあらゆる人々のあらゆる犠牲の上に今の私たちの生活が成り立っているのかも…とさえ思える作品でした。
真実からのメッセージ
小栗旬、窪塚洋介、松坂桃李、池松壮亮四人の主役を盛り上がる周りも主役であった。
未知なる病魔ウィルスとの闘い。分からないことだらけ、めんどくさいことばかりを一つ一つ解体
させ国を動かしルールを壊していく実在の人達は
メディアに批判されながらも人道的に医師、看護師、船舶のクルー、乗客がもがき苦しみをまとめ上げている。
結城先生の言葉『やれる事はやる』
この言葉は好きなシーンです。
この映画を通して、真実を振り返り起きたことは
違った形で新時代に起きる。
人道的に動き伝え続けていく必要性はある。
誰かがやらなくては未知も開かない。
医療関係者、クルー、乗客の家族への'非難中傷'
追詰めてゆく。気概。
何故だか人間は人間に不信を飢えつける習性に
背を向けず、真実と向き合っていく医療関係者
達の使命は感謝であります!
素晴らしい作品の初日に立ち会えて拍手を贈りたいと思います。
あの頃を思い出す、振り返る
闘うってウイルスだけじゃない
自分はあの日あの時マスコミ側に立っていなかったか、SNSに踊らされていなかったかと改めて思い出していた。本当に尽力してる人たちはそんな世間に対して弁明や説明をするよりも、目の前の命をただ救うことだけを考えていた。もし、私があの船内にいたらと思うと怖ろしい。もっと冷静に物事を見れる目をもちたい。
あと、驚いたのは受け入れ拒否する病院や医師や看護師がかなりたくさんいたという事実。それは世論とか患者さんからとか周りの目を気にしてのこと、そして自分たち自身が罹るかもしれない恐れからくる拒否なのか……悲しくなってしまった。
こういう世に訴えかけるようなリアルな作品が他にも増えると良いな。名も無き人たちがもっと報われてほしい。
あなたはあの頃どこで何をしていましたか
あれから約5年。
未知のウイルスとの戦いに立ち向かった関係者の方々には感謝しきり。本当に頭が下がります。
実際は、打つ手打つ手がこれほど上手く行かなかったかも知れません。それでも、最善と考えられる手を打ち続けた方々への心ない仕打ち、当時も作品内でも胸が痛みました。
誰もが不安だったのは確かでしょうが、どこかで面白がっていた所はなかったか、自問自答する機会にもするべきだなと思いました。
OKY おまえ、来て、やってみろよ
などと言わずに、各自の役割を全うするプロフェッショナルの姿、劇場で観て自分の生き方を再考する機会になると良いと思います。
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