フロントラインのレビュー・感想・評価
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たった5年前のこと。。。
その当時は横浜に寄港した豪華客船で集団感染が発生して数千人が隔離されている、ということくらい認識でした。どこか別の国で起こっているぐらいに感じてました。この作品を観て、そこで、その中で何が起こっていたか初めて知る事ばかりでした。
映画冒頭、羽鳥をフォローしながら船内から船外にカメラが出て船全体にワンカットで繋がるシーンで一気に世界に引き込まれました。またそのシーンでゲートが開き羽鳥がマスクを外して深呼吸するところにすごい共感できました。コロナ禍はマスクでの息苦しさ以外に仕事や生活でも
息苦しさを感じていましたから。
結城と仙道の信頼しているからこそお互いにエールを送るような意見の戦わせや、立松との信頼を築いていく様子、状況が変わる中で乗客の隔離を受入した藤田病院の宮田の驚愕した様と真田と缶コーヒーを交わすシーンは良かった。
一方でテレビ局が視聴率目線の人道的で無い描かれ方してたところに違和感が有りました。こうした災害時に報道がどう報じたか報道側視点の作品があっても良いのかなとも感じました。
日本では初のALEXA65を使用されたとの事でそのせいなのか映像に深みがあったような。メインのレンズは何mmを使われたのでしょうか。派手なカメラワークや編集は無く、観てて疲れる事なくお芝居と展開に集中する事ができたと思います。
しかし、今、新たなパンデミックが発生したら過去の経験や教訓は生かされるのでしょうか。社会も自分自身も。
心を打つものに乏しい、事実に基づくドラマ
万人受けしそうな俳優陣、ストーリーと予想しつつ、封切初日に鑑賞。
関根光才監督作品、2020年2月に新型コロナウイルスの集団感染が発生した大型客船ダイアモンド・プリンセス号において、未知のウイルスに最前線で挑んだ人々を描いたドラマ。平日とはいえ劇場の入りは上々。
自らも経験した未曾有のウイルス感染。その序章ともいえる大型客船という閉鎖空間における感染拡大。
これに対処する人たちを、小栗旬、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介らのキャストで描いた作品。
事実を元にしたという点で、福島原発の事故をもとに制作された映画「Fukushima 50」、Netflix配信ドラマ「THE DAYS」などと似た構成。
愚かな興味本意のメディア報道、その裏側で実際に起きていた現実を描くことで、真実を見極めることの難しさ、大切さを響かせたところはマル。
未知のウィルス感染という経験のない状況に挑む災害派遣医療チーム(DMAT)や奮闘する厚生労働省の担当官の姿、感染した外国人旅客と家族の戸惑い、乗務員の奮闘などを含めを描くも、先に挙げた福島原発事故の再現映画・ドラマと比べると、想定内のストーリーで然程のインパクトはない。
また映し出される場面の多くが、船内と対策本部ということもあり、どうしても地味な展開を余儀なくされ、医療従事者、その家族、濃厚接触者などに対する差別に関しても中途半端な描き方になっている。
俳優陣の中では、窪塚洋介と松坂桃李が好演、小栗旬のくどい演技には若干辟易。池松壮亮の演技は特に印象を残さずといった感じ。
2時間9分と多少長めの尺をしっかり作り込んだ映画だが、題材自体エンタメ性に欠ける側面もあり、深く印象に残ったり、心を打たれたりという感覚に乏しい映画。
予告編以上のものがなく、既定路線、テレビドラマの域を超えなかったというのが正直な感想。
とはいえ、そんなコロナ禍の始まりから5年しか経っていないことには、改めて驚かされた。
たった五年前の出来事
邦画には珍しい実際に起こった出来事の、事実に基づいた映画化作品。
実際には映画に描かれたような美談ばかりではなかっただろうが、映画だから美談でいいんだと思う。
日本人はどうも、政府がよくやって世の中がうまくいってます、というのは批判しなければいけないみたいなところがありますが、私は素直に感動することができました。
この映画はDMATの人たちが主役ですが、検疫、厚生労働省、患者、クルー、神奈川県、それぞれの立場でそれぞれの見方があるでしょう。
それでもこの映画を観た人が、これから同じようなことがあった時には、ニュースなどで報道されることだけでなく、現場で自らの命・家族を省みず(誰よりも命と家族を大切にしている)人のために尽くしている人たち、医療関係者の方々、厚生労働省の方々(役人が良い人に描かれるって稀有なこと)がいるということを考えるようになればよいと思います。
脚本がとても良くできていて、小栗旬、松坂桃李、窪塚洋介、池松壮亮、みなそれぞれにグッとくる台詞があった。
偉くなれよ、とか。迷惑なことだから、とか。つらいこと、、、あった、とか。
主役四人以外もみな魅力的(吹越さん含めて)に描かれており、エンタメとしても見応えのあるものになっていたと思う。
もちろん多少の脚色はあり、個人名も変えられているが、これがアメリカ映画だったら、すべて実名で、エンドロールに登場人物の現在とかが紹介されるんだろうな。
「DMATの指揮を取った結城は現在は都内の大学病院で救急医療の指揮を取っている。
船内で指揮を取った仙道は現在もDMATの隊員として災害地最前線で医療に当たっている。
真田は現在、愛知県の藤田医科病院に勤務している。
厚生労働省の立松は現在政務官となった。
バーバラとレナードのブラウン夫妻は無事にテキサスに帰ったが、バーバラは持病の心臓病が悪化してレナードを残して先立った。レナードも1カ月後あとを追うように亡くなった。2人は最後まで日本で受けた親切を忘れることはなかった。
ノアとジャックの兄弟は、ともに医師を志して大学で学んでいる。」
なんてね。こういうの好きなんです。
あ、最後に下船したのは船長だった、ってありましたね。
いい映画でした。
木下グループさん、ありがとう。
言うは易し行うは難し
集団感染に対して「PCR検査など1日で終わる」という軽はずみとも取れる発言をしたコメンテーターや「1日で船を追い出された」と無責任で一方的な発言を動画にした専門医、そして何より誹謗中傷を「正義」とはき違えて好き勝手な事を書き込んでいるネット民などにより窮地に立たされる現場の医療スタッフや船のクルーたちに焦点を当てた作品。
まさに「言うは易し行うは難し」という言葉がピタリと当てはまる映画でした。
事実を基にしたフィクション映画なので全てを鵜呑みにできないのが残念な点。
マスコミにキチンと取材して、劇中で「面白い」と発言していたレポーターや「面白くなるぞ」と発言していた上司が本当にいればマジで「面白い」事になったのになぁと思ってしまえました。
もしもマスコミが同様の発言を繰り返していたならば、この映画を観てマスコミ批判が殺到するでしょうからね。
そんな事実と嘘をはき違えてしまう様な人を排出しそうな点を含みながらも、人物一人一人が魅力的に描かれており、群像劇として非常に楽しめる一本になっておりました。
映像的にド派手な演出がある訳でもないのに、キャラの魅力に引き込まれて夢中になれてしまいます。
後半では、鼻を啜る音や涙ぐむ声も漏れ聞こえてきました。
それだけ人物に引き込む力があったと感じます。
個人的には滝藤さんにノックアウト。
ほんの少ししか出てこないにも関わらず、彼に泣かされそうになりました。
世間でも世界からも酷評された日本の水際対応ですが、そんな巷の声よりも患者の命を考えて行動していた現場の医師たちにエールを送らなければならなかった事を改めて痛感させられる良作。
観て良かったと思える作品でした。
それぞれの持ち場。
2020年2月、“ダイヤモンド・プリンセス”クルーズ船でコロナウイルスの集団感染が発生し厚労省から呼ばれた災害医療専門ボランティア組織DMAT・結城とその仲間でもある医師と看護師達の話。
とりあえず本作を観てこの頃を思い出す、当時の感染情報はテレビから流れるニュースだけで、その流れてるニュースすらも国民がパニックにならない様に政府は何か隠してない?と疑いながらも。
本作の感想は作品としては面白い!だけれどこれは事実、上映時間は129分と短くまとめられてるけれど、当時の医療関係者、DMATの人達はホント大変だったんでしょうね現場と自宅に帰ってもと。
全てが手探りのなか見せる、それぞれの持ち場とそれぞれにある家族だったり、同じDMAT内でも船外から指示する者と船内から指示する者の温度差、どこか事を楽しみながら報道するマスコミ上司と何かこの報道は違うと気づくリポーターの葛藤、最初は圧強めだった厚労省・立松と結城の関係性も含め面白い!…って書くのは間違ってるかもだけど映画作品としては面白い。
小栗君演じた結城の徐々に疲れてく姿、もう参ってますみたいな表情部分も良かった。
マスコミが賛助していないのは納得
エンタメとしては良作
エンタメ性と社会風刺を共存させ、当時船内に入って医療を届けようと頑張ったDMATの医師・看護師たちや、厚労省の現場職員、協力を惜しまなかった船内職員たちの視点で、彼らの奮闘を描いたフィクション作品でした。
こういう未曽有の災害の中で「『医療ケアをする人』のケアは誰がするのか」「医療関係者を、世間の差別や偏見からどう守るのか」という課題を突きつけたことは、面白さと同時に社会的意義がこもっていてよかったかなと。
そして、たった5年前なのに、既に風化した過去みたいになっている怖さに気づかされ、悲劇は繰り返さないようにせねば、と思いもしました。
一方、エンタメだからわかりやすくしたいだろうし仕方ないけれども、敵味方構図をシンプルに、かつはっきりドラマにし過ぎかなと。
人道に則り乗客を助けようとしたヒーロー VS 乗客の命は二の次だった無責任な人々
できることを最大限やろうとしたDMAT &厚労省若手職員
VS
①自分たちの立場や命を優先し、船内の人間への対応が後回しだった連中
②事態を煽って面白い見世物にしようとした連中
③炎上自体を娯楽化したり、恐怖から医療従事者を誹謗中傷して遠ざけた連中
というシンプルな対決構図。
主な敵となるのは、マスコミ(主にTV報道)、不確かな情報で攻撃的になる大衆、炎上大好きSNS民、感じの悪い政治家や現場に来ない厚労省の上の方、逃げ出した挙句にあとからいちゃもんをつけた感染症専門家たち(特に動画投稿した某医師)などで、そういった連中への強烈な批判を伴っていました。
DMAT側の描き方はひたすらカッコいい。
予告編では厭な奴っぽかった松坂桃李くんの演じる厚労省役人が、実際はめっちゃいい人に描かれていたのにホッとしました。
小栗旬の存在感は流石でしたが、それを上回る窪塚洋介の怪演に引き込まれました。
そういう、映画を観る観客への感情誘導の仕方は上手いなぁ、と感心しました。
ヒロイズムを強調した、脚本や演出のテクニックの話ですけどね。
一方的な見方で敵と見なした側へ断罪を求めることは、あの時ことさら新型コロナへの対応を批判的に煽っていたマスコミと何が違うんだろうか?とも思いましたし、また、一種のプロパガンダにもなりかねない危険性も感じました。
今後もDMATや医療従事者は危険な現場に行くのが当たり前だ、多少ミスがあっても仕方がないんだ、ボランティア医師たちは犠牲になるかもしれない、みたいな受け取り方に転じても違うかなと。
それに、事実としながらも少し違和感が。
たしか横浜の前に寄港した沖縄で、検疫せずに乗客を下船させ、沖縄に感染を広げた船と国の失敗は割愛され、無かったことになっていたり……
最終的なダイヤモンドプリンセス号の乗客死亡者数が明記されていなかったり……
全乗客の下船前に、飛行機など別ルートですでに日本には新型コロナが入ってきて、徐々に感染が拡大していったことには触れなかったり……
情報に関し、恣意的な取捨選択もあったように思えました。
作劇上の都合で映画向けに時系列や人物の行動などを改変したり、また明らかに危険な場面でマスクをしてないシーンがあったり、エンドロールに注意書きは流れたものの、観た絵の印象だけで考えず、一面的正義に流されないで多角的多面的にとらえるように考える重要性にも気づかされました。
それらに考えを巡らせて事実ベースの創作だと理解したうえで、エンタメとして楽しむ分には、本作は十分に良作だと思いました。
観て良かった。
フロントライン観て来ました。
当時は、私も他人事のようにダイアモンドプリンセス号のニュース観ていました。
まさか日本国中に感性が広がるなんて思っていませんでした。船の中だけで済むと思っていました。
船内で何がおきていたのか、それに携わるクルーや
医療従事者の方が未知の感性症に対応した内容が
分かり観て本当に良かったです。
今だから、これじゃ感性が広まるなぁと思い観ていました。
陽性者の客室に入る際、クルーの方が無防備にも
防護服着ないで入ったり、DMATの責任者が陽性者と接したのに船から下りたり、DMATの医師たちが陽性者と接したままの防護服で
船内歩いたり、これは今だから言えること、当時は
感性対策が分からない状態だと、どう対応して良いか分からないし、無理ないですが、だから日本国中
に広まったのかと思いました。
また当時は、医療従事者てだけで家族まで世間の差別的な良い方、本当に一生懸命頑張っていた医療従事者が気の毒でした。
本当に未知の感性症の中で、奮闘する医療従事者やクルーや乗客たちの状況が、マジマジ見れて、本当に大変な中何日も戦い続けてくれて本当にありがとうと言いたいです。
これは本当に泣けます。一度は観るべき映画です。
これは終わりではないこを映画を観て、終わった後、改めて感じた
現実ではコロナは一旦終息したように思えますが、この映画を観て、改めて終わりではないと感じました。
災害派遣医療チーム[DMAT(ディーマット)]という存在も名前も初めて知りました。
最初、厚生省も病院も、受け入れられない、もし感染したら、被害が出たら責任のなすりつけで見ている側ととしては腹ただしい部分もあります。
でも、被害が出たら責任が取れるのかと言われたら、流石に人ごとではない、これは無理ないことなんだろうと思いました。
映画だから第三者的な目で見ることでかできるけど、船に隔離された人の立場、現実にこんなことが起きたんだと考えると怖くなります。
この中で轟を演じる光石さんのマスコミあり方にはブレないなあと思いました。
一見すると悪役に見えますが、マスコミの立場としては面白おかしく、誰かを悪役のような感じに仕立てなければ視聴率が取れないというのも無理ないことだ。
一概に悪いとは言えないんだろうなあと思いました。
コロナで日本中が大騒ぎになったとき、マスクも買えなくて自分は外出せずに家の中にほぼ籠もっていました。
今、思うと本当に日本中がコロナに恐怖を感じていたと思います。
映画では助かった人もいますが現実に亡くなった人、今も後遺症で苦しんでいる人がいます。
映画では一旦、終わったようにみえます、でも、災害派遣医療チームDMATのしごとが亡くなったわけではない、またコロナのようなウィルスが発生しないなんて言えない。
この映画は改めて数年前の出来事を再確認させてくれる、そして、自分が当事者になった場合、どんな行動をとれば良いのか、改めて考えさせられました。
ダイヤモンド・プリンセスの真実に涙した日
新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の実話をもとに描かれた作品です。最前線で奮闘したDMATの医師や看護師たちが、誤った報道や偏見によって心ない差別を受けていた事実を知り、胸が痛みました。
私はこの船に、感染拡大の直前である2019年11月に乗船していたため、物語が決して他人事とは思えませんでした。ニュースでは見えなかった船内の混乱やクルーたちの葛藤が描かれ、当時から気になっていた彼らの姿が重なって、胸に迫るものがありました。
思いやりの届きにくい状況の中で懸命に支援を続けた医療チームと、閉じ込められた船の乗員たち。ようやく船を降りることができたときの光景を目にした瞬間、胸がいっぱいになり、自然と涙があふれました。
あのときのクルーたちに、心から「ありがとう」と伝えたい。そんな思いが強く残る、忘れられない一本です。
オリジナル脚本だそうですが、きっと現場ではこんなことが起きていたんだろうなと思わせる映画です。
2020年2月、横浜港に寄港したダイヤモンド・プリンセスに乗船していた乗客1名が新型コロナウイルスの感染しており大規模感染した。
ところが、当時日本には大規模ウイルス対応専門機関がなく、「神奈川DMAT」が急きょ出動することになり彼らは治療法不明のウイルスと手探りで治療を始める。
この映画では医師、看護師、検疫官、厚労省、神奈川県庁等の奮闘と、云われなき中傷に苦悩する家族。
いつものように揚げ足とりに血道をあげるマスコミも辛辣に描いている。
映画を観て協力してくれた病院、特に藤田医科大学、また医療従事者に感謝のアクロバット飛行をしてくれた航空自衛隊ブルーインバルス、MISIAがブルーインバルスに感謝の歌「明日へ」を熱唱したことを思い出しました。
つい最近の出来事だけど昔の気がする
殿(松坂桃李)と小栗旬のバディものが観たくなった!
あの時自宅でTVで放送される度にTwitterチェック入れてた。
奥さんが看護師していて患者受け入れ先に勤務していたので彼女の病棟は違っても常に気になっていた…
マスコミの報道と言う大義?の下一方的な思い込ませに翻弄される一般市民。
中の人は本当に大変だと思い返して観ずにはいられません。
対策本部が立てられて顔合わせする結城(小栗旬)と立松(松坂桃李)。
よそよそしかった2人がどんどん信頼関係を築き上げていく。 堪りません(笑)
もちろん結城がトップとして隊員たちに思いやりを向け努力している姿も素敵なんですがラスト前「立松 偉くなれ」って言った時に涙腺が崩壊してしまいました。
真面目な滝藤さんと池松さんの缶コーヒーを挟んでのやり取りも…
映画ですからもちろん脚色が多く含まれているのは大人ですから知っています。
けれど当時あれだけ騒がれてちょっとでもコロナウィルスに恐怖した人なら絶対に思うところがあると思う。
こりゃ今年の賞レースは決まり?
あの当時の陰鬱な感情が蘇ってきた
ウイルスよりもタチが悪く素早いのが悪意
2025.6.13 イオンシネマ久御山
2025年の日本映画(129分、G)
実際に起きた騒動を基に描かれる、新型コロナが蔓延したクルーズ船での戦いを描いたヒューマンドラマ
監督は関根光才
脚本は増本淳
物語は、2020年2月3日に、新型コロナの感染者を乗せたクルーズ船が横浜港に停泊するところから紡がれる
船内では感染者の拡がりを防げず、厚生労働省は横浜県警を通じて、DMAT(災害派遣医療チーム)の出動要請をかけることになった
神奈川DMATのリーダー結城医師(小栗旬)が対策本部の長を務め、現地には盟友の仙道医師(窪塚洋介)が入ることになった
そこには岐阜DMATの真田医師(池松壮亮)、永井看護師(芦名すみれ)なども参加していた
クルーズ船には多くの外国人客が乗っていて、まともに会話ができないため、クルーズ船のフロントデスクの職員などが通訳にあたる
当初はPCRの陽性のみを病院に移送しようと考えていたが、現場では「重症者及び重症化リスクの高い者を優先する」という判断が下される
みなし陽性で書類は後回しという、逼迫した状況下での抜け道を利用するしかなく、政府も後手ながらも認めざるを得ない状況になっていく
だが、それらの努力も一本の動画によって雲行きが怪しくなってしまう
それは感染症の専門家として船に乗り込んだ医師・六合(吹越満)が船内での感染対策の様子を暴露するというもので、マスコミは裏取りをすることなく、その動画を全国放送で流してしまう
それによって、風評被害が激化し、さらにテレビカメラに映り込んだ医療従事者たちの家族が差別に遭うということまで起きてしまう
DMATの隊員とその家族は誰が守るのかを突きつけられた結城たちだったが、面白がって煽り立てるマスコミの相手をしている時間などはなかった
物語は、新型コロナ感染症との戦いを描いているものの、それ以上に「悪意の伝達」というものが色濃く描かれていた
現場を知らない専門家があることない事をSNSなどに流し、さらに陽性というだけで隔離されている人々の声もSNSに乗ってしまう
それが現場を疲弊されつつ、DMATの活動自体を縮小させることにつながっていて、日本全国で感染が拡大しても、それ以上に悪意は増幅していくのである
個人的にはコロナ受け入れ病院で働いていたので、クルーズ船の中のことはわからなくても、国内で陽性者が出てからの混乱に巻き込まれた事を思い出す
コロナの受け入れに関して差別が起きたみたいなことは身近では起きなかった(すでに蔓延していたので)が、現場で起こっていることとメディアで流れていることの乖離は凄まじかった事を覚えている
連日のように感染者が増えていくことを嬉々として報道し、結城の言葉のように「面白がっている」ということが画面からも伝わってくる
自分が感染しなければ他人事で、当事者になった途端に権利を主張するというのも多かった
平熱でパニックになった人もいたけれど、現場感覚だと「PCR意味ないよね」というのは早くからわかっていて、街角で一気に増えたPCR検査場などを見ると便乗して商売するのが上手いなあと感心していた
PCRの陰性証明など「検査をしたその瞬間」を担保するもので、検査場や帰り道で感染することだってある
だが、それがないと出社させないという企業も続出し、さらに軽症で隔離されたら保険金が降りるというバカな状況も起こり、検査場(病院の発熱外来も含めて)などに感染予備軍が殺到するという事態も起こっていく
そう言ったコロナの裏話は腐るほどあると思うので、この映画も星の数ほどある物語のひとつなのかな、と感じた
いずれにせよ、映画は「悪意はウイルスよりもタチが悪い」というテイストで紡がれていて、控えめに言って外道というマスコミ関係者がたくさん登場する
スタジオで情報を垂れ流している人々も同罪で、ここぞとばかりに跳ね上がる出演料に群がる専門家も多かった
映画内ではマスコミの一人が反省して行動を入れ替えるのだが、そう言った人もいたかもしれないねというエクスキューズのように思える
おそらくはテレビでCMを流せないレベルだと思うので、気になる人は口コミを拾って観に行った方が良いと思う
一番のフィクションは「マスコミで改心する人がいる」というぐらいには現実に沿っていて、主要人物にはモデルとなる人がいる
クルーズ船のフロントデスクや感染者にもモデルがいる作品なので、そのあたりの裏話を知りたい人は、モデルの人のインタビューなども掲載されているパンフレットを買うことをオススメしたい
まずまず
なんて熱くて頼もしい人たち!
忘れてはいけない、日本でのコロナの始まり。
ジャパンプレミアで鑑賞しました。
テンポも良く、結城(小栗旬さん)、仙道(窪塚洋介さん)、立松(松坂桃李さん)の言葉が頼もしかったです。日本は保身に走るイメージがありましたが、こんな熱い人達が実在するのであれば日本も捨てたもんじゃないなと思わせてくれました。
(実話を元に描かれた作品ですし、ジャパンプレミア舞台挨拶では松坂桃李さんが「官僚についてたくさん学んだ(というようなことを仰っていたかと)。官僚って悪く書かれやすいけど実際はそうじゃなく熱い思いを持っている方もたくさんいる」と仰っていました。)
船内や下船後の話は知らなかったですし、当時携わってくださった関係者皆さまの視点から映画を観られたという点からも鑑賞して良かったと思います。感染だけではなく、誹謗中傷や報道とも戦わなければならない多重苦の中、関係者の皆さまにはただただ感謝です。
検知も広がると思うので、是非観ていただきたい作品です。
(但し、実話を基に作成したが脚色もされているとの注意書きがエンドロールにありますので、100%の実話というよりあくまでも作品として、話の一端として、鑑賞されることをお勧めします。ドキュメンタリーではありません。)
「面倒なことじゃないとお前に頼まないだろ。」
最後の台詞。2人の培った信頼関係が表されていてとても嬉しくなれるいい言葉に思えました。鑑賞後もずっと心にあって噛み締めています。
* * *
実は本作品を2024年9月にも試写会で鑑賞しました。
2024年中に公開の筈だったのに随分と延期されました。9月試写会時の感想としては、途中からコロナよりもメディアの偏った報道の在り方が主軸のようになり、本作に、ではなく、報道を不快に感じる時間が長かったので、鑑賞後はあまり良い気分ではありませんでした。ただパンデミック及び偏向報道の記録としては残しておくべきだとも思っていました。
ですが、時の経過と共に私の感じ方が変わったのかもしれませんが、今回は全体の善と悪のバランスがもう少し良く、救いどころがある良い作品に更になったように感じました。いいですね。
あの時何が起こっていたのか
その後皆が経験した混乱とはいえ、あの日はまだ他人事だった。
突然現れた未知のウイルスに対して、船の中でどんな闘いが繰り広げられていたかなんて想像もせず、ただ不安になっただけの日々を思い出す。
あの時何が起こっていたのか、を事実を元に作られた作品。
自らも命の危険と隣り合わせの中、誰かの命の為に仕事に真摯に従事して下さった方々に、心からの感謝と尊敬を教えてくれる作品だった。
未知なるウイルスに生命の危機を感じた人々が、何が正解かわからないまま、憶測やデマも含めていつもより誰かの言葉を信じ易く、他人への配慮より自分の心配を優先しがちな時期だったと思う。
主要キャストは報道記者以外は、モデルになった方がいらっしゃるとの事でした。
池松壮亮さんの常に穏やかで冷静で優しい先生にやられました。理想のお医者様のイメージ。
立松の最初の感じの悪さを一瞬で払拭する有能っぷりはかなりカッコよかったけど、あれは松坂桃李様マジックもあったんだろか。
人道的にどうか、という言葉があったと記憶してるのだけど、緊急事態下で何を基準に仕事を進めていくかをその場を仕切る人が決めで動かないといけないので、その判断をする結城先生と仙道先生の熱い討論のシーンが凄かったわ。
仕事と自分の気持ちの間で迷える上野記者も良かったし、森七菜ちゃんのナチュラルな英語も素敵でした。
家族の生活を守る為にも、報道に配慮が必要な事も学んだ。
みんなが体験したあの日々を忘れない為にも観て良かった。
全609件中、581~600件目を表示













