フロントラインのレビュー・感想・評価
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【”無償の献身。そして医は仁術也。”今作は2020年2月に起きた未知のウィルスによる集団感染が起きた豪華客船に乗り込んだDMATスタッフと懸命に乗客に寄り添うクルーの姿がムネアツな人道映画である。】
■2020年2月。豪華クルーズ船、ダイヤモンド・プリンセスで未知のウィルスの集団感染が発生し、乗客乗務員3700人以上が、船内に閉じ込められた。
厚生労働省、神奈川県庁から災害派遣発生医療チーム(DMAT)のリーダー、結城(小栗旬)に声がかかる。従来、ウィルス対応はDMATの任務ではなかったが、結城は厚生労働省官僚の立松(松坂桃李)と、感染症対策の指揮を執ることになる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・冒頭、”実話を基にしています。”とテロップが出るが、"あれから、もう5年経ったのか・・。”と感傷的になる。
・DMATの、船内統率を取るセンドー(窪塚洋介)のブレない姿が良い。不安はあるだろうに、それを一切見せずに、けれども部下のサナダ(池松壮亮)達に気を配る姿。更には胆力もあり、”責任が取れない。”と言って来る役人に対し、”責任は取る。”と言いきる姿。
ー 彼が、危機管理の際の責任者に求められる資質を持っている事が良く分かる。ー
・それは、結城も同じで”前例がない。”という病院長に対し、”これを、前例にすればよいでしょう!”と決然と言う姿は、沁みる。
ー 二人が強い絆で結ばれているのは、””被災者、患者を助けたい。”という想いが同じであるからである。その為には、責任でも何でも取るという気概が感じられるのである。私は、こういう人間が好きなのである。勿論、結城も、危機管理の際の責任者に求められる資質を持っている事が良く分かるのである。-
・クルーの女性(森七菜)が、夫が重篤な状態になり、病院に運ばれた後に、失意のイギリス人の妻を励ます姿もムネアツであるし、笑顔で食事を運んでくる東南アジア系の女性の姿も良い。
彼女は途中で罹患してしまい”家に帰りたい・・。”と、診断した結城に言うのだが、彼女達や、心配する家族を置いて救助に来たサナダ達の様なDMATを含めた医療関係者、クルーの【無償の献身と人道の心】があったからこそ、被害は最小限に食い止められたのだろうと思ったな。
■今作では、緊急時のジャーナリストの在り方も描かれている。視聴率至上主義の愚かしき男(光石研)の指示の元、リポートに来た女性記者(桜井ユキ)に対し、静な声で結城が言った言葉。
”楽しいですか?”
ハッとする、女性記者の表情。
彼女の言動は彼の言葉を聴いた後に、大きく変わって行くのである。
■そして、夜間、愛知県岡崎市にある完成間近の藤田医科大学病院へ、夜中、東名高速道路を使い、大型バスで乗客を搬送するシーン。
私事で恐縮であるが、この病院は私の自宅から数キロの所に在り、且つ当時は周囲に人が住む家屋が全くなかったのであるが、それでも藤田医科大学病院の関係者が、受け入れを許可する判断は、大変だったと思う。
院長(滝藤賢一)が抗議する姿が描かれているが、彼も結局はキチンと全員受け入れている。立派なモノだと思うなあ。院長が柔らかな表情で、缶コーヒーを渡す姿も沁みたなあ。
ー もしお時間があれば、”藤田病院 ダイヤモンド・プリンセス号”で検索頂くと、当時の状況が分かります。
当時、総代から聞いたのですが、近隣の町内会の幹部には説明会の際、一部の方から心配の声が出たモノの、コロナの恐ろしさが未だ周知されていなかった事もあり、受け入れを容認したそうである。
又、愛知県民の信頼厚い藤田医科大学病院の決断には、改めて頭を垂れたシーンである。-
・途中、強制下船をさせられた愚かしき医師(吹越満)の動画により、医療従事者の多くに謂れのない誹謗中傷が起こる中、DMATのメンバーが”医は仁術也”の心で、医療を続ける姿は、実に沁みるのである。
<今作は2020年2月に起きた未知のウイルスによる集団感染が起きた豪華客船に乗り込んだDMATスタッフと懸命に乗客に寄り添うクルーの姿がムネアツな人道映画なのである。
医療療関係者のコロナ禍時代の頑張りのお陰で、現在何事も無かったかのように暮らしている事に改めて感謝の念を持つきっかけになった意義ある作品だとも、私は思います。>
■私は、あのウィルスが何故に発生したのかは、キチンと検証すべきだとも、思います。(劇中で、ある国の名が良くでていましたよね。)
あの頃を思い出す
プリンセス号の事は大変やな…とその後大感染していくなど思いもせず他人事のようにニュースを見ていた記憶が蘇りました。
映画はそれなりに権限を持ってらっしゃる方目線の話だと思いますが、医療従事者や政府関連は未知のウイルスにその時出来る事をその時にして下さったんだと思います。
他の方のレビューでもあるようにこの映画では出てこない悲惨な事酷い扱いの事もっともっとあるはずですよね…
誰も行きたくない場所に行くと決めた方、そこに行ってくれと頼む側、自分の使命感でそこに行った為に大切な人が攻撃される方、現地で働かないといけない方…
当事者ではないので分かるなんて言うと失礼ですが映画の趣旨はしっかり伝わりました。
コロナ禍を思い出していろんな人の感情が伝わって来て事あるごとに涙が出てずっと泣いてました…!
窪塚さんの感情消して淡々と話す演技はチャラい役と渋い役だと全然違う感じになるのでびっくりしました。
桃李くん少しふっくらしてるように見えたのですが役作りだったんかな?
小栗旬さん桃李くん池松さん豪華ベテランキャスト陣はさすがとしか言えませんね!
ナナちゃん英語上手だなぁ〜
1人でも多くの人に鑑賞して貰いたい作品です!
普通の事、普通に出来てることが幸せなんだ!ってコロナ禍で学習しました。
その幸せを取り戻してくれたのは医療従事者はもちろんその関係者、人の優しさ思いやり…忘れない為に。
映画館出ても涙が出ました(笑)
当時医療従事者、現場いた関係者の方々には感謝と尊敬の気持ちでいっぱいです。
なんでこの人達マスクしてない?
まあ映画だし俳優さん達の顔が見えなきゃ仕方ないか…。と思いながらも悶々とした疑問が^ ^
エンドでその通りだった説明がありましたがだったらオープニングで説明があればスッキリ見えたのに…。
でもマスクしてたら窪塚は分からなかったな^ ^
未知のウイルスへの対応は《最善》とまでは言えないが《最良》
2020年2月、新型コロナウィルス発生の、一番の始まりが、
横浜港に入港した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス号」だった。
まだ初期も初期、コロナウィルスの知識も治療法も定かではない手探り状態
の中、報道だけは加熱して、逐一ニュースショーで朝から夜まで報道
されましたね。
豪華客船の外観は大きく映るけれど、中では一体何が起こっているのか?
私も不安と疑心暗鬼にかられました。
私の中では、船内に乗客3711名を35日間、閉じ込めておろさなかった
日本政府の決断は
【冷たかったのではないか??】
《人道的にも、厳し過ぎたのでは?》
そういう疑問が実はずうっと心にありました。
この映画「フロントラン」を見せて頂くと、
この対応は、ベストではないかもしれないが、
ベターだったのでは、ないか?
そう思えました。
一番に船内に乗り込んで治療することを決断したのは、
災害派遣医療チーム「DMAT(ディーマット)]だった。
DMATにはウイルス・パンデミック対応の活動項目では無かった。
というか日本にはウイルス疾患専門の研究チームは存在して
いなかったのだ。
ディーマットの指揮官・結城(小栗旬)は果敢にも火中の栗を
拾うことを決断。
すぐさまチームスタッフが船に派遣されて、治療法も薬も
手探りの中、飛び込んでいく。
そして両翼の翼のように結城を支えたのは厚労省の役人・
立松(松坂桃李〕だった。
私が誤解していたことが、ひとつある。
コロナ感染者の治療は船内で全て行われて、
船を降りることはできなかった・・・そう思っていた。
これは全くの誤解でした。
重傷者は救急車で立松が強引に受け入れを決めさせた大学病院や
総合病院に入院させていました。
ここでも立松の厚労省の威信が物を言います。
使える(頭の良い、根回しの上手い、)官僚で、
凄く頼もしかったです。
それにしてもたった2時間の乗船で、手前勝手で根拠のない心無いデマを
配信した大学教授(演じたのは吹越満)
そうそう、こういう迷惑な輩が居ましたね。
TV局のデスク(光石研)の下で報道記者・上野(桜井ユキ)が、
結城の「君たちマスコミは、面白がっているだろう!!」の言葉。
結城は興味本位の報道が、医療チームの家族への、差別に繋がる怒りを
静かに諭したのだ。
上野は次第に野次馬でしかない自分達の報道姿勢に、
疑問を持ちはじめる。
結果として、「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客で、
亡くなった方は13名だったとのことです。
治療法も薬も確立しない中では、その後の日本人が
1万人近くなくなった死者数を考えると
ディーマットは本当によくやったと思います。
小栗旬、松坂桃李は言うまでもなく、窪塚俊介の漢気も格好良かった。
ダイヤモンド・プリンセスの乗務員・森七菜もとても心遣いが、
日本人らしくて素敵でした。
やはり曲者がいないと映画は締まらない。
吹越満、光石研、悪役とまでは言えないけれど、桜井ユキの
マスゴミに染まりそうな個性も目立ちました。
コロナ禍から5年。
コロナ禍の、そして、とっかかりとなった
「ダイヤモンド・プリンセス号」の総括となったこの映画の
意義は大きいと思います。
(来たるべき、未知のウイルスに立ち向かう意味でも)
記録と検証そして考察する意味で、
とても有意義な映画だと思いました。
忘れられない経験
たった5年前のこと。。。
その当時は横浜に寄港した豪華客船で集団感染が発生して数千人が隔離されている、ということくらい認識でした。どこか別の国で起こっているぐらいに感じてました。この作品を観て、そこで、その中で何が起こっていたか初めて知る事ばかりでした。
映画冒頭、羽鳥をフォローしながら船内から船外にカメラが出て船全体にワンカットで繋がるシーンで一気に世界に引き込まれました。またそのシーンでゲートが開き羽鳥がマスクを外して深呼吸するところにすごい共感できました。コロナ禍はマスクでの息苦しさ以外に仕事や生活でも
息苦しさを感じていましたから。
結城と仙道の信頼しているからこそお互いにエールを送るような意見の戦わせや、立松との信頼を築いていく様子、状況が変わる中で乗客の隔離を受入した藤田病院の宮田の驚愕した様と真田と缶コーヒーを交わすシーンは良かった。
一方でテレビ局が視聴率目線の人道的で無い描かれ方してたところに違和感が有りました。こうした災害時に報道がどう報じたか報道側視点の作品があっても良いのかなとも感じました。
日本では初のALEXA65を使用されたとの事でそのせいなのか映像に深みがあったような。メインのレンズは何mmを使われたのでしょうか。派手なカメラワークや編集は無く、観てて疲れる事なくお芝居と展開に集中する事ができたと思います。
しかし、今、新たなパンデミックが発生したら過去の経験や教訓は生かされるのでしょうか。社会も自分自身も。
心を打つものに乏しい、事実に基づくドラマ
万人受けしそうな俳優陣、ストーリーと予想しつつ、封切初日に鑑賞。
関根光才監督作品、2020年2月に新型コロナウイルスの集団感染が発生した大型客船ダイアモンド・プリンセス号において、未知のウイルスに最前線で挑んだ人々を描いたドラマ。平日とはいえ劇場の入りは上々。
自らも経験した未曾有のウイルス感染。その序章ともいえる大型客船という閉鎖空間における感染拡大。
これに対処する人たちを、小栗旬、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介らのキャストで描いた作品。
事実を元にしたという点で、福島原発の事故をもとに制作された映画「Fukushima 50」、Netflix配信ドラマ「THE DAYS」などと似た構成。
愚かな興味本意のメディア報道、その裏側で実際に起きていた現実を描くことで、真実を見極めることの難しさ、大切さを響かせたところはマル。
未知のウィルス感染という経験のない状況に挑む災害派遣医療チーム(DMAT)や奮闘する厚生労働省の担当官の姿、感染した外国人旅客と家族の戸惑い、乗務員の奮闘などを含めを描くも、先に挙げた福島原発事故の再現映画・ドラマと比べると、想定内のストーリーで然程のインパクトはない。
また映し出される場面の多くが、船内と対策本部ということもあり、どうしても地味な展開を余儀なくされ、医療従事者、その家族、濃厚接触者などに対する差別に関しても中途半端な描き方になっている。
俳優陣の中では、窪塚洋介と松坂桃李が好演、小栗旬のくどい演技には若干辟易。池松壮亮の演技は特に印象を残さずといった感じ。
2時間9分と多少長めの尺をしっかり作り込んだ映画だが、題材自体エンタメ性に欠ける側面もあり、深く印象に残ったり、心を打たれたりという感覚に乏しい映画。
予告編以上のものがなく、既定路線、テレビドラマの域を超えなかったというのが正直な感想。
とはいえ、そんなコロナ禍の始まりから5年しか経っていないことには、改めて驚かされた。
たった五年前の出来事
邦画には珍しい実際に起こった出来事の、事実に基づいた映画化作品。
実際には映画に描かれたような美談ばかりではなかっただろうが、映画だから美談でいいんだと思う。
日本人はどうも、政府がよくやって世の中がうまくいってます、というのは批判しなければいけないみたいなところがありますが、私は素直に感動することができました。
この映画はDMATの人たちが主役ですが、検疫、厚生労働省、患者、クルー、神奈川県、それぞれの立場でそれぞれの見方があるでしょう。
それでもこの映画を観た人が、これから同じようなことがあった時には、ニュースなどで報道されることだけでなく、現場で自らの命・家族を省みず(誰よりも命と家族を大切にしている)人のために尽くしている人たち、医療関係者の方々、厚生労働省の方々(役人が良い人に描かれるって稀有なこと)がいるということを考えるようになればよいと思います。
脚本がとても良くできていて、小栗旬、松坂桃李、窪塚洋介、池松壮亮、みなそれぞれにグッとくる台詞があった。
偉くなれよ、とか。迷惑なことだから、とか。つらいこと、、、あった、とか。
主役四人以外もみな魅力的(吹越さん含めて)に描かれており、エンタメとしても見応えのあるものになっていたと思う。
もちろん多少の脚色はあり、個人名も変えられているが、これがアメリカ映画だったら、すべて実名で、エンドロールに登場人物の現在とかが紹介されるんだろうな。
「DMATの指揮を取った結城は現在は都内の大学病院で救急医療の指揮を取っている。
船内で指揮を取った仙道は現在もDMATの隊員として災害地最前線で医療に当たっている。
真田は現在、愛知県の藤田医科病院に勤務している。
厚生労働省の立松は現在政務官となった。
バーバラとレナードのブラウン夫妻は無事にテキサスに帰ったが、バーバラは持病の心臓病が悪化してレナードを残して先立った。レナードも1カ月後あとを追うように亡くなった。2人は最後まで日本で受けた親切を忘れることはなかった。
ノアとジャックの兄弟は、ともに医師を志して大学で学んでいる。」
なんてね。こういうの好きなんです。
あ、最後に下船したのは船長だった、ってありましたね。
いい映画でした。
木下グループさん、ありがとう。
言うは易し行うは難し
集団感染に対して「PCR検査など1日で終わる」という軽はずみとも取れる発言をしたコメンテーターや「1日で船を追い出された」と無責任で一方的な発言を動画にした専門医、そして何より誹謗中傷を「正義」とはき違えて好き勝手な事を書き込んでいるネット民などにより窮地に立たされる現場の医療スタッフや船のクルーたちに焦点を当てた作品。
まさに「言うは易し行うは難し」という言葉がピタリと当てはまる映画でした。
事実を基にしたフィクション映画なので全てを鵜呑みにできないのが残念な点。
マスコミにキチンと取材して、劇中で「面白い」と発言していたレポーターや「面白くなるぞ」と発言していた上司が本当にいればマジで「面白い」事になったのになぁと思ってしまえました。
もしもマスコミが同様の発言を繰り返していたならば、この映画を観てマスコミ批判が殺到するでしょうからね。
そんな事実と嘘をはき違えてしまう様な人を排出しそうな点を含みながらも、人物一人一人が魅力的に描かれており、群像劇として非常に楽しめる一本になっておりました。
映像的にド派手な演出がある訳でもないのに、キャラの魅力に引き込まれて夢中になれてしまいます。
後半では、鼻を啜る音や涙ぐむ声も漏れ聞こえてきました。
それだけ人物に引き込む力があったと感じます。
個人的には滝藤さんにノックアウト。
ほんの少ししか出てこないにも関わらず、彼に泣かされそうになりました。
世間でも世界からも酷評された日本の水際対応ですが、そんな巷の声よりも患者の命を考えて行動していた現場の医師たちにエールを送らなければならなかった事を改めて痛感させられる良作。
観て良かったと思える作品でした。
それぞれの持ち場。
2020年2月、“ダイヤモンド・プリンセス”クルーズ船でコロナウイルスの集団感染が発生し厚労省から呼ばれた災害医療専門ボランティア組織DMAT・結城とその仲間でもある医師と看護師達の話。
とりあえず本作を観てこの頃を思い出す、当時の感染情報はテレビから流れるニュースだけで、その流れてるニュースすらも国民がパニックにならない様に政府は何か隠してない?と疑いながらも。
本作の感想は作品としては面白い!だけれどこれは事実、上映時間は129分と短くまとめられてるけれど、当時の医療関係者、DMATの人達はホント大変だったんでしょうね現場と自宅に帰ってもと。
全てが手探りのなか見せる、それぞれの持ち場とそれぞれにある家族だったり、同じDMAT内でも船外から指示する者と船内から指示する者の温度差、どこか事を楽しみながら報道するマスコミ上司と何かこの報道は違うと気づくリポーターの葛藤、最初は圧強めだった厚労省・立松と結城の関係性も含め面白い!…って書くのは間違ってるかもだけど映画作品としては面白い。
小栗君演じた結城の徐々に疲れてく姿、もう参ってますみたいな表情部分も良かった。
マスコミが賛助していないのは納得
エンタメとしては良作
エンタメ性と社会風刺を共存させ、当時船内に入って医療を届けようと頑張ったDMATの医師・看護師たちや、厚労省の現場職員、協力を惜しまなかった船内職員たちの視点で、彼らの奮闘を描いたフィクション作品でした。
こういう未曽有の災害の中で「『医療ケアをする人』のケアは誰がするのか」「医療関係者を、世間の差別や偏見からどう守るのか」という課題を突きつけたことは、面白さと同時に社会的意義がこもっていてよかったかなと。
そして、たった5年前なのに、既に風化した過去みたいになっている怖さに気づかされ、悲劇は繰り返さないようにせねば、と思いもしました。
一方、エンタメだからわかりやすくしたいだろうし仕方ないけれども、敵味方構図をシンプルに、かつはっきりドラマにし過ぎかなと。
人道に則り乗客を助けようとしたヒーロー VS 乗客の命は二の次だった無責任な人々
できることを最大限やろうとしたDMAT &厚労省若手職員
VS
①自分たちの立場や命を優先し、船内の人間への対応が後回しだった連中
②事態を煽って面白い見世物にしようとした連中
③炎上自体を娯楽化したり、恐怖から医療従事者を誹謗中傷して遠ざけた連中
というシンプルな対決構図。
主な敵となるのは、マスコミ(主にTV報道)、不確かな情報で攻撃的になる大衆、炎上大好きSNS民、感じの悪い政治家や現場に来ない厚労省の上の方、逃げ出した挙句にあとからいちゃもんをつけた感染症専門家たち(特に動画投稿した某医師)などで、そういった連中への強烈な批判を伴っていました。
DMAT側の描き方はひたすらカッコいい。
予告編では厭な奴っぽかった松坂桃李くんの演じる厚労省役人が、実際はめっちゃいい人に描かれていたのにホッとしました。
小栗旬の存在感は流石でしたが、それを上回る窪塚洋介の怪演に引き込まれました。
そういう、映画を観る観客への感情誘導の仕方は上手いなぁ、と感心しました。
ヒロイズムを強調した、脚本や演出のテクニックの話ですけどね。
一方的な見方で敵と見なした側へ断罪を求めることは、あの時ことさら新型コロナへの対応を批判的に煽っていたマスコミと何が違うんだろうか?とも思いましたし、また、一種のプロパガンダにもなりかねない危険性も感じました。
今後もDMATや医療従事者は危険な現場に行くのが当たり前だ、多少ミスがあっても仕方がないんだ、ボランティア医師たちは犠牲になるかもしれない、みたいな受け取り方に転じても違うかなと。
それに、事実としながらも少し違和感が。
たしか横浜の前に寄港した沖縄で、検疫せずに乗客を下船させ、沖縄に感染を広げた船と国の失敗は割愛され、無かったことになっていたり……
最終的なダイヤモンドプリンセス号の乗客死亡者数が明記されていなかったり……
全乗客の下船前に、飛行機など別ルートですでに日本には新型コロナが入ってきて、徐々に感染が拡大していったことには触れなかったり……
情報に関し、恣意的な取捨選択もあったように思えました。
作劇上の都合で映画向けに時系列や人物の行動などを改変したり、また明らかに危険な場面でマスクをしてないシーンがあったり、エンドロールに注意書きは流れたものの、観た絵の印象だけで考えず、一面的正義に流されないで多角的多面的にとらえるように考える重要性にも気づかされました。
それらに考えを巡らせて事実ベースの創作だと理解したうえで、エンタメとして楽しむ分には、本作は十分に良作だと思いました。
観て良かった。
フロントライン観て来ました。
当時は、私も他人事のようにダイアモンドプリンセス号のニュース観ていました。
まさか日本国中に感性が広がるなんて思っていませんでした。船の中だけで済むと思っていました。
船内で何がおきていたのか、それに携わるクルーや
医療従事者の方が未知の感性症に対応した内容が
分かり観て本当に良かったです。
今だから、これじゃ感性が広まるなぁと思い観ていました。
陽性者の客室に入る際、クルーの方が無防備にも
防護服着ないで入ったり、DMATの責任者が陽性者と接したのに船から下りたり、DMATの医師たちが陽性者と接したままの防護服で
船内歩いたり、これは今だから言えること、当時は
感性対策が分からない状態だと、どう対応して良いか分からないし、無理ないですが、だから日本国中
に広まったのかと思いました。
また当時は、医療従事者てだけで家族まで世間の差別的な良い方、本当に一生懸命頑張っていた医療従事者が気の毒でした。
本当に未知の感性症の中で、奮闘する医療従事者やクルーや乗客たちの状況が、マジマジ見れて、本当に大変な中何日も戦い続けてくれて本当にありがとうと言いたいです。
これは本当に泣けます。一度は観るべき映画です。
これは終わりではないこを映画を観て、終わった後、改めて感じた
現実ではコロナは一旦終息したように思えますが、この映画を観て、改めて終わりではないと感じました。
災害派遣医療チーム[DMAT(ディーマット)]という存在も名前も初めて知りました。
最初、厚生省も病院も、受け入れられない、もし感染したら、被害が出たら責任のなすりつけで見ている側ととしては腹ただしい部分もあります。
でも、被害が出たら責任が取れるのかと言われたら、流石に人ごとではない、これは無理ないことなんだろうと思いました。
映画だから第三者的な目で見ることでかできるけど、船に隔離された人の立場、現実にこんなことが起きたんだと考えると怖くなります。
この中で轟を演じる光石さんのマスコミあり方にはブレないなあと思いました。
一見すると悪役に見えますが、マスコミの立場としては面白おかしく、誰かを悪役のような感じに仕立てなければ視聴率が取れないというのも無理ないことだ。
一概に悪いとは言えないんだろうなあと思いました。
コロナで日本中が大騒ぎになったとき、マスクも買えなくて自分は外出せずに家の中にほぼ籠もっていました。
今、思うと本当に日本中がコロナに恐怖を感じていたと思います。
映画では助かった人もいますが現実に亡くなった人、今も後遺症で苦しんでいる人がいます。
映画では一旦、終わったようにみえます、でも、災害派遣医療チームDMATのしごとが亡くなったわけではない、またコロナのようなウィルスが発生しないなんて言えない。
この映画は改めて数年前の出来事を再確認させてくれる、そして、自分が当事者になった場合、どんな行動をとれば良いのか、改めて考えさせられました。
ダイヤモンド・プリンセスの真実に涙した日
新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の実話をもとに描かれた作品です。最前線で奮闘したDMATの医師や看護師たちが、誤った報道や偏見によって心ない差別を受けていた事実を知り、胸が痛みました。
私はこの船に、感染拡大の直前である2019年11月に乗船していたため、物語が決して他人事とは思えませんでした。ニュースでは見えなかった船内の混乱やクルーたちの葛藤が描かれ、当時から気になっていた彼らの姿が重なって、胸に迫るものがありました。
思いやりの届きにくい状況の中で懸命に支援を続けた医療チームと、閉じ込められた船の乗員たち。ようやく船を降りることができたときの光景を目にした瞬間、胸がいっぱいになり、自然と涙があふれました。
あのときのクルーたちに、心から「ありがとう」と伝えたい。そんな思いが強く残る、忘れられない一本です。
オリジナル脚本だそうですが、きっと現場ではこんなことが起きていたんだろうなと思わせる映画です。
2020年2月、横浜港に寄港したダイヤモンド・プリンセスに乗船していた乗客1名が新型コロナウイルスの感染しており大規模感染した。
ところが、当時日本には大規模ウイルス対応専門機関がなく、「神奈川DMAT」が急きょ出動することになり彼らは治療法不明のウイルスと手探りで治療を始める。
この映画では医師、看護師、検疫官、厚労省、神奈川県庁等の奮闘と、云われなき中傷に苦悩する家族。
いつものように揚げ足とりに血道をあげるマスコミも辛辣に描いている。
映画を観て協力してくれた病院、特に藤田医科大学、また医療従事者に感謝のアクロバット飛行をしてくれた航空自衛隊ブルーインバルス、MISIAがブルーインバルスに感謝の歌「明日へ」を熱唱したことを思い出しました。
つい最近の出来事だけど昔の気がする
殿(松坂桃李)と小栗旬のバディものが観たくなった!
あの時自宅でTVで放送される度にTwitterチェック入れてた。
奥さんが看護師していて患者受け入れ先に勤務していたので彼女の病棟は違っても常に気になっていた…
マスコミの報道と言う大義?の下一方的な思い込ませに翻弄される一般市民。
中の人は本当に大変だと思い返して観ずにはいられません。
対策本部が立てられて顔合わせする結城(小栗旬)と立松(松坂桃李)。
よそよそしかった2人がどんどん信頼関係を築き上げていく。 堪りません(笑)
もちろん結城がトップとして隊員たちに思いやりを向け努力している姿も素敵なんですがラスト前「立松 偉くなれ」って言った時に涙腺が崩壊してしまいました。
真面目な滝藤さんと池松さんの缶コーヒーを挟んでのやり取りも…
映画ですからもちろん脚色が多く含まれているのは大人ですから知っています。
けれど当時あれだけ騒がれてちょっとでもコロナウィルスに恐怖した人なら絶対に思うところがあると思う。
こりゃ今年の賞レースは決まり?
全211件中、181~200件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。