劇場公開日 2025年6月13日

「新型ウィルスとのファースト・コンタクト・・・それは様々な問題提起!」フロントライン オッサン@岸和田さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0新型ウィルスとのファースト・コンタクト・・・それは様々な問題提起!

2025年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

斬新

新型ウィルスとのファースト・コンタクト・・・限られた期間・条件の中でフロントラインがどのように乗り切ったか?
実際対応された方々はかなり大変なご苦労があったと思うが、客観性を重視しているのだろう・・・起こった事象と対応をかなり分かりやすくスマートに創られている。
そういう意味で実力あるキャストで構成されたのも頷ける。

本作は取材された事実に基づいているが、DMAT隊員、クルーズ船クルーや派遣された厚労省官僚が、悩み、足掻き、葛藤しながらも、フラグを必ず人道に沿った方向に倒していく姿勢が嬉しいし、希望が持てた。

情報が集まるフロントラインで「命」と向き合った方々は「自律&闊歩」の手段しか選べず、いかなる法、慣習、官職、権威なども無力にならざるを得ない。
劇中の上野に対する結城の回答・・・
「日本には・・・アメリカのCDCのような感染対応を専門とした組織がありません。災害時に完璧な感染防御をしようとすれば、治療開始までは数日かかるでしょう・・・その間に何人かの乗客は亡くなることになります。わたしは完ぺきではなくても、船内で怯える3700人にいち早く医療を提供したいと・・・そう思いました。限られた選択肢の中では最善の対応だったと思っています」
・・・「やれることは全部やる」を全うするとこの答えしかないし、危機管理・対応の根本とも言える。

逆に情報が手に入らないメディアを含む傍観者は、状況を想像することしかできなかった。
日常でも膨大な情報や「空気を読む」ような風潮はいつでもある。
個々のプリンシプルが如何に大事か?
自律&闊歩することで「オトナ」が何を後進に伝えるのか?
受け取り方はそれぞれだが、様々な問題提起を示唆する作品になっている。
意識しなくてもオトナになれば子どもの目に映る。
子どもはオトナが子どもを見る以上にオトナを見ている。
厚労省を含む行政機関、SNS、マスコミや誹謗中傷の件も含め、社会の良い警鐘になることを願いたい。

取材メモをしたため、企画・脚本・プロデュースしてくれた増本淳氏、出演者、スタッフに感謝します。

オッサン@岸和田
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