「しみじみとあの時期を思い出した」フロントライン SunRiseShadowさんの映画レビュー(感想・評価)
しみじみとあの時期を思い出した
COVID-19がまだ何者かわからなかったあの頃、あの息苦しさの始まりをしみじみと振り返る作品だった。
見えない敵との闘いはつらい。
それこそ、「霧の中から命を狙われている」ようなものだったと思う。
この映画は、その闘いの静かな記録だった。
俳優さんたちの演技がまたよかった。
静かに怒りを覚えながらコントロールしていく姿は、災害現場を経験しているDMATらしいなぁと思った。
顔が映らないからと、マスクがほとんど省略されていたようだが、せっかくなら、マスクまでも忠実にしてもらったら、さらに閉塞感や緊張感を出せたのではないかとは思った。
この映画と直接関係ないが、あの頃、海外の人のSNSで、出勤する医療従事者の足元を、家族が車のライトで照らしながらついていく、という動画が流れ、話題になった。
家族は互いの身を案じ、かたや感染させたくないから車に乗らず、かたや激務を心配して送っていく。
この映画を観ながら、ふとそれを思い出した。
この映画にも家族が多く描かれる。
感染した家族を心配する人もあれば、家族を「闘い」の現場に送り出す側もある。
医療従事者も、家に帰ればそういった普通の家族の一員であることを、どうかみんなに知ってほしいと思う。
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