「個人的にはあんまり」フロントライン かわさんの映画レビュー(感想・評価)
個人的にはあんまり
全体的に評価高いけど、個人的には好きじゃなかった。
ドキュメンタリー映画だし仕方ない部分もあるが、起伏がない中での2時間は長い。
コロナが初めて出現した時くらいの時期を映画にしたわけだが、
マスコミやダイヤモンドプリンセス号船内での問題を動画にした医師を悪者にする意図が感じられて、そこが自分としては不快だった。
確かに当時、外野が好き勝手言ったことで現場に疲弊や混乱を招いた部分はあるかもしれないが、5年前のことをほじくり返して、また当事者を悪者扱いするような意図のシーンはいかがなものかと思う。
当時のマスコミやコメンテーター、コロナ治療に関わった医療者を危険視した人々等・・・
そんな人が本作を観たらどんな気持ちになるだろうか。
反省する人もいるかもしれない、心を痛める人もいるかもしれない。
でも、中には未知のウイルスとして真剣に報道に携わろうとしていた人、真剣に恐怖していた人もいるはず。
それなのに"心ない外野"とか"面白がってる人"みたいに描かれているのは不愉快。
作中でも、現場への批判に対して、現場からも会見を行うことを求める声もでていたにも関わらず、それも行わなかったDMATT側厚労省側にも落ち度はあったように思う。
現場を守る為、患者やその関係者を守る為にもやるべきだったと思う。
作品みた限り、当時の現場は
『僕ら一生懸命やってるんです!でもマスコミが僕らを悪者にするんです!外野が騒ぐんです!現場もそのせいで人がどんどん減ってます大変です』
そんな状態だったように感じたが、だったら被害者面しないでするべき説明をするべきだったと思う。
やれることは全部やるみたいなこと言ってたけどやってないじゃん。
決して、当時のマスコミやコメンテーター、コロナに過剰に怯えていた人たちは悪者ではないと思う。
わからないものの中で、それぞれが自分のフィールドで出来ることをやっていたと思うし、未知のものに過剰に恐怖し怯えるのは当たり前のことだと思う。
事実をもとにした映画だからこそ、現実にそういう反応をしていた人達がいるわけでそういうことも考えてもっと配慮ある作品にしてほしかった。
DMATTの皆さんありがとうございましたみたいな内容に終始すれば良かったのに・・・