「未知のウイルスへの対応は《最善》とまでは言えないが《最良》」フロントライン 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
未知のウイルスへの対応は《最善》とまでは言えないが《最良》
2020年2月、新型コロナウィルス発生の、一番の始まりが、
横浜港に入港した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス号」だった。
まだ初期も初期、コロナウィルスの知識も治療法も定かではない手探り状態
の中、報道だけは加熱して、逐一ニュースショーで朝から夜まで報道
されましたね。
豪華客船の外観は大きく映るけれど、中では一体何が起こっているのか?
私も不安と疑心暗鬼にかられました。
私の中では、船内に乗客3711名を35日間、閉じ込めておろさなかった
日本政府の決断は
【冷たかったのではないか??】
《人道的にも、厳し過ぎたのでは?》
そういう疑問が実はずうっと心にありました。
この映画「フロントラン」を見せて頂くと、
この対応は、ベストではないかもしれないが、
ベターだったのでは、ないか?
そう思えました。
一番に船内に乗り込んで治療することを決断したのは、
災害派遣医療チーム「DMAT(ディーマット)]だった。
DMATにはウイルス・パンデミック対応の活動項目では無かった。
というか日本にはウイルス疾患専門の研究チームは存在して
いなかったのだ。
ディーマットの指揮官・結城(小栗旬)は果敢にも火中の栗を
拾うことを決断。
すぐさまチームスタッフが船に派遣されて、治療法も薬も
手探りの中、飛び込んでいく。
そして両翼の翼のように結城を支えたのは厚労省の役人・
立松(松坂桃李〕だった。
私が誤解していたことが、ひとつある。
コロナ感染者の治療は船内で全て行われて、
船を降りることはできなかった・・・そう思っていた。
これは全くの誤解でした。
重傷者は救急車で立松が強引に受け入れを決めさせた大学病院や
総合病院に入院させていました。
ここでも立松の厚労省の威信が物を言います。
使える(頭の良い、根回しの上手い、)官僚で、
凄く頼もしかったです。
それにしてもたった2時間の乗船で、手前勝手で根拠のない心無いデマを
配信した大学教授(演じたのは吹越満)
そうそう、こういう迷惑な輩が居ましたね。
TV局のデスク(光石研)の下で報道記者・上野(桜井ユキ)が、
結城の「君たちマスコミは、面白がっているだろう!!」の言葉。
結城は興味本位の報道が、医療チームの家族への、差別に繋がる怒りを
静かに諭したのだ。
上野は次第に野次馬でしかない自分達の報道姿勢に、
疑問を持ちはじめる。
結果として、「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客で、
亡くなった方は13名だったとのことです。
治療法も薬も確立しない中では、その後の日本人が
1万人近くなくなった死者数を考えると
ディーマットは本当によくやったと思います。
小栗旬、松坂桃李は言うまでもなく、窪塚俊介の漢気も格好良かった。
ダイヤモンド・プリンセスの乗務員・森七菜もとても心遣いが、
日本人らしくて素敵でした。
やはり曲者がいないと映画は締まらない。
吹越満、光石研、悪役とまでは言えないけれど、桜井ユキの
マスゴミに染まりそうな個性も目立ちました。
コロナ禍から5年。
コロナ禍の、そして、とっかかりとなった
「ダイヤモンド・プリンセス号」の総括となったこの映画の
意義は大きいと思います。
(来たるべき、未知のウイルスに立ち向かう意味でも)
記録と検証そして考察する意味で、
とても有意義な映画だと思いました。
共感ありがとうございます!
covit-19が蔓延していた時、テレビを見ているとどのチャンネルでも違う事を言っていて、何が本当だか分からなくなってテレビを見なくなりました。やっぱり心の平静って大事ですよね。今テレビはエヴァンゲリオンのDVDを観るモニターになってますww
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