ドールハウスのレビュー・感想・評価
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世界へ羽ばたけJホラー😱 〜ミステリーとコメディを添えて〜
人形もぬいぐるみもホラーも苦手🤫
ミステリー系の映画もあまり好みではない。
では、なぜ本作を観たのか?
理由はただひとつ。
長澤まさみさんとアヤちゃん人形のポスタービジュアルが、あまりに美しすぎたから🤩
それだけです、ほんとに。
でもやっぱり怖そうだから、予告編も観なかった。
一応「ドールミステリー」っていう言葉だけを信じて挑みました…。
そして鑑賞後の感想。
はい、騙されました〜😤
まず第一に申し上げたいのは、これは「ミステリと言う勿れ」です。
完全にホラー映画ですので、苦手な方はお気をつけください。
序盤からスピード感のある展開で、あれよあれよと“ドールハウス”の世界へ。
やっぱり、日本人形にハズレなし🥶(もちろん褒め言葉です)。
黒髪のおかっぱ人形は、もう普通の感覚で「可愛い」とは言えません。
黒髪おかっぱ以外の人形たちも、愛らしいぬいぐるみさえも、なぜかトラウマ級。
目がパチクリする人形とは、もう二度と目を合わせられないかも🥶
でも、私にとって救いだったのは、随所に散りばめられたコメディ要素(に感じたツッコミどころ)の数々🙄
たとえば、忠彦(瀬戸康史さん)が家に帰ってきて、椅子に座ったアヤ人形を見つけたシーン。
あれ、完全に“ずっこけ”コメディで合ってますよね?🤫受け入れ方のテンポが、どう見てもお笑いレベルでした(笑)
そして、刑事の山本(安田顕さん)や、神主の神田(田中哲司さん)も…ちょいちょいコメでしたよね?🤫
特に神田。やっと出てきた救世主かと思ったら、まさかのポンコツ感が逆に愛しい。
ガチホラーになりすぎず、ちょっと笑わせてくれる“余白”が、ホラー苦手な私にはむしろ救いでした。
これは矢口史靖監督の、コメディ作品で鍛えたバランス感覚のなせる業だと思います👏
(「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」の監督さんです🙃)
そしてそして、
この映画は“人形ホラー”&“ちょいコメ”なだけでなく、
宣伝通り、ミステリー要素もちゃんと存在する。
最後の最後まで目の離せない展開は、まるでジェットコースターに乗っているようなゾクゾクとソワソワの連続でした🎢
タイトルを「人形の家」ではなく「ドールハウス」としたのも、はじめから世界展開を視野に入れていたからなのかしら?🌏
日本ならではの和製ホラーが、また世界を揺るがす予感🤫ラストの展開からして、続編もあるのでは?と期待しちゃう終わり方。エンドロールのずっと真夜中でいいのに。の主題歌「形」もピッタリで余韻に浸りました。
次はきっと騙されないつもりです😤
でも続編があったら、きっと観ちゃうんだろうな🫣
ずっと泣いてた。。
5歳の娘・芽衣を事故で亡くした鈴木佳恵と看護師の夫・忠彦。悲しみに暮れる日々を過ごしていた佳恵は、骨董市で芽衣に似たかわいらしい人形を見つけて購入し、我が子のように愛情を注ぐことで元気を取り戻していく。(当サイト作品情報より)
またしても娘案件。
「実生活では決してあってはならない」ことだが、子供がつらい目にあう映画は、もちろんやめときゃよかった、な作品もあるが、「感情移入」のみならず、自身の長らく仕込まれていた「一人でいたい」感情ともども、「映画」として楽しむようにしている。
「ドールハウス」
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タイトルがね、「人形の家」とすると、そこに人形がある、ということではなく、「人形『の』家」ともとれるので、これは暗示。が、この字面はちょっと安っぽくて、難しいね。
冒頭の、本人は「本人なりの予防」を打って、ちょいと買い物に出かけたがための悲劇。そのヤバさとまさみの「洗濯機視点の」絶叫シーンが正直、お笑いなのか、見せない工夫だったのかは、分からないが、オレは気持ちのバランスがとれなくてマイナス。でも全編通してここだけ浮いてる気もする。
しかし、まさみの髪形、紙袋、ルンバ、冷蔵庫、ドラム式と縦型、人形のまさみ似の顔への変化、「私の人形は良い人形」、そして牛乳など小道具の使い方は非常に素晴らしく、何度も「うん、うん」、「うめえなあ」とすっかり魅了された。人形繋がり、というわけかどうかはともかく、定番の見せ場を上手く見せるジェームズ・ワンの演出を思わせる。同じくワンっぽい音使いも楽しい。
スピルバーグの「A.I.」('02)オズメント君が「子供らしく」優しいお母さんを求めたら、みたいな話なんだが、もう少しひねりしてあって、まさみの出生や、長女の魂、次女の背中のひっかき傷とまさみのストレスなど、なかなか思いを巡らせる作りが、大きな余韻を残す。
ただし、その余韻とは別に、もう少し突っ込んでほしかったところもある。瀬戸の描写のほうで、勤務体制や決して高くないであろう収入(お母さんのおうちはイイけれど)、子育てへの向き合い方。事故後の引っ越し。(は省略してもイイかな)
まさみと瀬戸のラストの姿は逆に「ハッピーエンド」にも見えるバランスが「娯楽映画」として、素晴らしい。風吹と田中は「すれ違う」が、次女は「見えている」ところなんかは、思わず「上手い!!」と声に出してしまった。
ただただオレは、まさみが人形を買ってきて、抱きしめるところからもう泣けてなけて仕方なかった。
追記
エスカレーターの下。あれは危ないって。
矢口史靖監督がこれまでの経験を駆使して新たに挑んだ、割と見やすい本格的な「ドールミステリー映画」。
これまで「ウォーター・ボーイズ」「スウィングガールズ」「ハッピーフライト」など数々の日常系の名作を手掛けてきた矢口史靖監督。本作では方向性を変えて「ドールミステリー作品」に。
題材は変わっても基本的に提示の仕方はこれまでと同様に分かりやすく作られています。
ただ、コミカルな要素を封印した割と本格的な「ドールミステリー作品」なのでホラーテイストがやや強め。通常のホラーテイストな作品の場合は不自然さが大き過ぎたり、物語の非現実性が目についたりするのが定番。
ところが本作の場合は脚本がよく練られている上に映像表現や演技も上手く、自然に見続けることが可能になっています。
そして迎えるラスト。このラストの描き方で本作への印象が大きく変わってくるので、本作は、ますはネタバレなしで見たい作品でしょう。
子供より顔が小さい長澤まさみに恐怖する
いつもの事ながら利用期限が迫ったU-NEXTのポイント消費のためというケチくさい理由で劇場へ足を運びましたが、今回は更に暑さと眠気と、うかっり見始めてどハマりした「ゲーム・オブ・スローンズ」(11年~19年)の続きが観たいという欲求に負けて結局休日は外出しなかったため、平日の行ける時間に上映されていたのが本作だけだったというかなり低いモチベーションでの鑑賞です。
それにしても公開から結構日が経つのにまだ上映が続いていたことと、平日の21:30からの上映なのに、公開してすぐ観に行った「メガロポリス」(25年)よりもお客さんが入っているのには驚きました。しかも若いアンちゃん2人が連れだって観にきているではありませんか…それも2組も…。若い男が連れだって観にくるような映画かよ?と一人で観にきているおっさんが言えた事ではないだろうと思われるかもしれませんが、おっさんには長澤まさみを見るという大義名分があるのです。
という事で長澤まさみっぽくない長澤まさみのポスターが印象的な本作。映画の序盤では縦縞、横縞、とにかくシマシマを着る長澤まさみ。何故シマシマの服を着るとこんなにママさん感が出るのか?分からなすぎて先ず怖い。次に小さな子供を抱き上げる長澤まさみの顔の小ささ!子供は頭が大きいものですが、それにしても子供相手に顔を並べて小顔を際立たせてくるのがもう怖い!そしてホラー映画ってそんなもんだろと言わんばかりにここぞというところで異様に力を込めて台詞を吐く長澤まさみ。いくらホラー映画とはいえいささか加減を間違えているような力感に思わず吹いてしまうのです。思えば長澤まさみはかつて「都市伝説の女」(12年・13年)とかいう罰ゲームの様なドラマに出ていたことを脈絡もなく思い出し嫌な汗が滲みます。
それはともかく、ご近所さんの子供を預かっているのにおやつを買いに出る長澤まさみ。いやはじめから今日はお子さん預かる日って決まってたんだろうからあらかじめ買っておけよと思いつつも、出かける前に刃物は子供の手の届かない所へ隠し、ガスの元栓を閉め、お風呂の水がはられていない事を確認する長澤まさみ。小さい子の面倒をみるのって色々気を使わなくちゃならなくて大変だなぁ~と感心しつつも鍵を掛けずに出かける姿に違和感を抱きます。そして鍵は掛けなかったもののあれだけ用心していたのに留守中にとんでもない事が起きてしまい、洗濯機を新型にさっさと買い換えなかった事を後悔する長澤まさみ。未だにタテ型を愛用している自分はドラム式なら全部新型という認識なので長澤まさみの後悔の理由がよく分からないのですが、ともかく以降、洗濯機がトラウマとなり洗濯物は手洗いする長澤まさみ。洗濯板くらい使えよとつい思ってしまいましたが、洗濯板で洗いものする長澤まさみは見たくない気もするのでこれが正解かと納得してしまうシーンです。
そんなある時まるで運命に引き寄せられるように礼ちゃん人形と出会い、家へ連れ帰る長澤まさみ。夫役の瀬戸君が帰ってくると当たり前の様にダイニングに座っている礼ちゃん人形のシーンが一番ゾッとしたのですが、とにかく礼ちゃん人形が私の想像していたものよりもずっとデカい!そのデカさに思わず吹いてしまい、それ以降怖さより可笑しさが先行してしまいました。(このデカさにもちゃんと恐ろしい理由がある訳ですが…)いやそれにしてもですよ、精神的にまいっている長澤まさみはともかく、明らかに“いわく付き”の礼ちゃん人形(のケース)を見ても気味悪がるそぶりも見せずに笑っている瀬戸君も結構不気味です。(映画の結末を知ってから思い返すとこの夫婦には何か“適正”の様な物があった気がするのがこの映画の妙かも知れません。)
まぁとにかく、そうして一緒に外出したり、写真撮りまくったり、わざわざ礼ちゃん人形分の食事も用意したりと実の子供のように可愛がる長澤まさみなのですが、ある出来事を切欠に礼ちゃん人形への興味を急速に失っていき、昔より滑舌の良い気がする義母役の風吹ジュンも含めて礼ちゃん人形の扱いが途端に雑になるその落差が余りに極端。乱暴にゴミ袋に入れて捨てる。問答無用でボコボコに殴る。モップで押しやる等々、何もそこまで…というその扱い様に何とも言えない可笑しさを感じてしまうのです。そもそも人形(特に日本人形やフランス人形)って特にいわく付きじゃなくても何となく丁寧に扱わないと祟られそうで怖い気がするのですが、そういう情緒がちょっと欠けてる気がしてイマイチ映画に入っていけませんでしたね…。
さらにお焚き上げをやっている寺の坊様が「自分の手には余るので専門家を頼ってください…」と言うのに対してあまりに真っ当なツッコミを入れる瀬戸君。礼ちゃん人形に対してそこに愛はあるんか?と問いたくなるような扱いをし『バチでも宝クジでも当ててみろってんだ!』という名言を吐く今野浩喜や本人の言うようにこれからという時に離脱する田中哲司のトホホ感。不遜な態度で明らかにこの後酷い目に遭う気配ムンムンで本当に期待を裏切らなかった安田顕。「さがす」(22年)で変態ポルノコレクターを演じていた人が本作では人形コレクターとして登場し、礼ちゃん人形を見たい(何なら引き取りたい)とかいう話だったのにいざ対面すると「持って帰って……」と、何のために出てきたんだコイツは…という調子で中盤から終盤の入り口あたりにかけて猛烈に濃くなるコメディ臭。鑑賞後に本作の監督のフィルモグラフィを見てみると、なるほど私は見た事ないのですが名前を知っている作品がこんなに!しかもコミカルなイメージの作品群で納得です。
ただの偏見以外の何物でもありませんが、コメディで名をあげた自分が何まともに恐怖映画撮ってるんだ?という監督の照れ隠しのようなコメディ要素からは、カットがかかるたびに役者が笑顔になって談笑している和やかな撮影現場の風景が透けて見えてきそうなのです。そしてあまりに清潔感のある映像。映画を観ていてイヤだなぁ、ここには居たくないなぁと思わせるような生理的な嫌悪感を催す映像ではないんですよね。何かとてもツルツルピカピカしていて清潔感があります。長澤まさみも泥だらけになりますが不思議と見ていて「やだ、バッチィ~」と顔をしかめてしまうような映像ではないので、あまり見ていて居心地の悪さの様な物は感じませんでした。買ったばかりの牛乳がヨーグルト化していたのは地味だけど確かに一番イヤだなぁ~と思いましたが、そのセコイ嫌がらせをしてくるところも自分としては可笑しさに繋がってしまったんですよね。
ただ本作の恐怖演出はオーソドックスながらとても良かったように感じます。不意に視線を横切る何か。Aだと思っていたものがAではなかった時のゾクッと感からのそれではコチラのBは一体何なのか?実は察しているけれどそれを認める事の怖さ。けれど確認しなくては…というドキドキ感はとてもよくできていたと思うのです。そして本作の清潔感のある映像を私はネガティブな要素として挙げましたがそれは人によっては別にネガティブな要素ではないでしょうし、他にも上品な作品雰囲気、特にダレる事のないテンポの良さに、オチも個人的には好きですので、散々言った割にはそれ程ダメだとか駄作だとかは思っていない何とも納まりの悪い感覚になる映画なのです。
漫画家の故・楳図かずお先生がかつて「ホラーとコメディは表裏一体なんです」みたいなことを言っていましたが、私の場合はホンのちょっとした切欠でこの映画にコメディを見出してしまいましたが、まぁそもそも冷やかし同然の心持で観に来た事が本作をホラー映画として捉えきれなかった事の大半の原因だと思いますので、やはり映画見るのにも体調管理と積極的に楽しむ姿勢って大切だなと反省させられる今回の鑑賞体験なのでした。
これまで観た映画の中でぶっちぎり!
夜ひとりで映画を見るのが趣味でこの映画を見ると決めた時も20:00くらいの映画でした。
人形のリアルさと恐怖感、まさに子供の頃に怖がっていたモノとそっくりです。現実にありそうでないそんな日常が映画では繰り広げられています。
久しぶりに余韻が残るホラー映画を観た。
ドールハウスというタイトルだけに、ホラーなのかな?
昔あったホラー映画の「劇場霊」と似たりよったりかな?
と思う程度で観に行きました。
結論から言って、すごく良かった!!
「リング」を初めて観たときぐらいの臨場感と余韻が残りました。
上映時間がすごく短く感じました。
出来れば、続編を作ってほしいなと思いました。
酷評している人も多少いるみたいですし、いろんな観方や捉え方が
あるから、それはそれと思いますが、コメントがヒネクレた書き方が
少なくなくて、まるで小学生レベル。
書いていて、恥ずかしくならないのかな?と思いました。
そんなにツッコミどころが多いんだったら、さっさと立席して出ていけば
いいのに・・というか、エセ映画評論家にでもなったつもり?
映画を楽しみに観に来ているんだから、余計な雑念は捨てて観るべきだと
個人的には思います。
よっぽどつまらないと思えたなら途中で出ていけばいいし、過去、何作品か
そういうのもありましたが、少なくとも私もそうしています。
今夏、最恐のホラー映画
ホントに怖いホラー😱だった
こわかったけど面白かった!
怖がらせるより、みせる映画だった。
いわゆるオカルト映画。
今どきのホラーとしては刺激が少ないかもしれないが、劇映画の見せ方を熟知した映像的演出が上手いと感じた。
特に、家の間取りを利用した移動撮影やアングルなどのカメラワークと編集が見事だった。
長澤まさみは何を演じても上手い。
明るい母親、精神を病んだ母親、恐怖する女、決意する女。
夫の瀬戸康史は大きな病院の看護師で、人形の異変に気づいてCTスキャンにかけたりするのが面白い。…CTスキャンだと思った(MRIかも)のだが、画面に映し出されたのは断面ではなくレントゲンみたいな全身の透過画像だった…
住職役の今野浩喜はこれだけの役に?…と、思ったらオチがあった。
刑事役の安田顕も訳ありげに見えたが、意外な展開だった。
人形ホラーはアメリカでは数々作られていて、『アナベル 死霊館の人形』も『パペット・マスター』も『チャイルド・プレイ』も、後にシリーズ化されている人気テーマだ。近年では『M3GAN ミーガン』も同カテゴリーだといえる。これも続編が本国ほかで公開されたが、なぜか日本公開は中止が発表されている。
そんなテーマを今さら日本で作ってどうなのかと懐疑的だったのだが、それらとは一線を画していた。
幼い娘を死なせてしまった母親が自分を責めて鬱状態になる。その母親の娘への愛情がこのオカルト物語の戦いを誤った方向へ導くという切り口がユニークだった。
余談……………
“グーチョキパー”がフランス民謡だったとは知らなかった。(エンドロールにて)
【78.3】ドールハウス 映画レビュー
作品の完成度
矢口監督がキャリアの初期にホラー演出を手掛けていたという事実は、本作の批評において極めて重要だ。彼は単にジャンルを転向したのではなく、自らのルーツに回帰し、長年のコメディ制作で得たノウハウをホラーに転用したのだ。この融合こそが本作の最大の成功要因。コメディで徹底的に追求してきた「ごく普通の日常」の描写が、本作では恐怖の前提として機能している。愛する娘を亡くした家庭の悲しみ、骨董市で見つけた人形を慈しむ心理、再び授かった娘への愛情。これらの極めて人間的で、感情移入しやすい日常の描写が、人形という異物によって徐々に侵食されていく過程は、観客の心にじわじわと不穏な空気を植え付ける。この丁寧に積み重ねられたリアリティがあるからこそ、非現実的なホラー展開がより一層、現実味を帯びて感じられるのだ。
また、ホラー演出においても、安易なジャンプスケアに頼らず、人形の不気味さを増幅させるカメラワークや音響を駆使。特に、生活空間の中で人形が移動する描写は、彼の初期ホラー作品にも通じる、心理的な恐怖を喚起する演出だ。物語後半の急展開は、コメディ作品の軽快なテンポ感の名残とも捉えられるが、これを「日常の崩壊が加速する様」と解釈すれば、その意図は明確。観客に考察の余地を残す結末も、彼のホラー演出家としてのルーツを感じさせる。完成度においては、商業的なエンターテインメント性と作家性が高次元で両立した、傑作と言える。
本作は、公開前に開催された第45回ポルト国際映画祭で、グランプリにあたる「Best Film Award」を受賞。これは、本作の持つ独創性と、既存のホラー映画の枠に収まらない作品性が国際的に高く評価された証しだ。
監督・演出・編集
監督・演出は矢口史靖。本作の演出は、コメディで培われた"間"の妙が光る。日常の些細な出来事を丁寧に積み重ねることで、人形の存在感を際立たせている。人形が家に戻ってくる一連のシーンは、コミカルな要素を忍ばせつつ、徐々に緊迫感を高めていく。編集は宮島竜治が担当し、監督の意図を汲み取った緩急のある構成。特に、日常と非日常を往来するカットの切り替えは秀逸。
キャスティング・役者の演技
長澤まさみ:主演の鈴木佳恵を演じた長澤まさみは、本作の成功に不可欠な存在。愛娘を失った悲しみ、人形に過剰な愛情を注ぐ姿、そして徐々に狂気に蝕まれていく様を、細やかな表情と眼差しで表現。悲しみと狂気の境界を曖昧にするその演技は、観客を物語に深く引き込む。特に、人形を「アヤちゃん」と呼び溺愛するシーンでの、母性愛と執着が混ざり合った複雑な感情の表現は、彼女の役者としての深みを感じさせる。
瀬戸康史:佳恵の夫、鈴木忠彦を演じた瀬戸康史は、妻の異変に戸惑いながらも、何とか家族を立て直そうと奔走するごく普通の夫を好演。彼の演技は、現実世界との唯一の接点であり、観客が感情移入する上での重要な役割を担っていた。長澤まさみ演じる佳恵との対比によって、狂気の世界がより際立つ効果を生んでいる。
安田顕:私服警官の山本役を演じた安田顕は、物語の鍵を握るミステリアスな存在。一見してユニークな役柄だが、その表情の奥に隠された冷徹さや、物語を動かす重厚な存在感が光る。彼の登場によって、作品は単なる怪談からミステリーへと昇華する。
田中哲司:呪禁師の神田役を演じた田中哲司は、物語の真相に迫る重要なキャラクター。短い登場時間ながらも、強烈なインパクトを残す。その深みのある演技は、作品に奥行きを与え、観客の好奇心を刺激する。
脚本・ストーリー
原案・脚本も矢口監督。娘を失った母親が、その代替物としての人形に執着する物語は、ホラーとしての根源的な恐怖と、人間の心の闇を描くテーマ性が際立っていた。日常のリアリティとホラーの非日常性が絶妙なバランスで展開する。
映像・美術衣装
美術と衣装は、日常的な空間を徹底して追求。それゆえに、骨董市で発見された人形の存在がより一層不気味に映える。ライティングは、日常と恐怖の境界線を曖昧にするような陰影を巧みに利用していた。
音楽
音楽は、物語の持つ不穏な空気を増幅させる効果音とスコアが中心。特に、人形の存在を暗示するような独特なサウンドデザインが印象的。
主題歌は、ずっと真夜中でいいのに。の「形」。独特のリズムと力強い歌声が、物語の持つ悲劇性と不条理さを代弁するかのようであり、鑑賞後の余韻を深く残す。
作品
監督
矢口史靖
109.5×0.715 78.3
編集
主演 長澤まさみB8×3
助演 瀬戸康史 B8
脚本・ストーリー 矢口史靖 B+7.5×7
撮影・映像 高木風太 B8
美術・衣装
美術 金勝浩一 衣装 小木田浩次
早船光則 A9
音楽 音楽
小島裕規“Yaffle”
主題歌
ずっと真夜中でいいのに。 B8
怖い、ひたすら怖い😱💦💦❗️
ホラー好きですが、正直観ていて本気で怖いと思うことがあまりなくなってきてたのですが、この作品は劇場で観ていて本当に怖かった。
なんて言うか、心理的な不安感や恐怖感を巧みに煽ってくる。
とにかく脚本が素晴らしい!
数々の伏線もきっちりと回収していく。2時間くらいの映画だけど、展開が早く(特に前半)3時間くらいに感じた。つまらないから長く感じると言う訳でなく、「あ、まだ次の展開があるんだ♪」みたいな、楽しみが継続していく長さというか。
主演のお二人をはじめ、話が進むにつれて面白い俳優さん達が出てくる展開も秀逸!この辺は観客としてとても楽しめました。
長澤まさみさん、とてもいいですねぇ!綺麗で可愛くて、演技がとても瑞々しい。
彼女の作品は『50回目のファーストキス』と『マスカレード・ホテル』くらいしか観てないのですが😅、本当にいい女優さんだなぁと思いました。
洗濯機除き込んだ時の、目を剥いての絶叫シーンは絶品!
しかしこのラスト…💧
人形になったあやちゃんと母親の本当の関係が分かるところ、同じ日本人形を扱った山岸涼子さんのホラー漫画の金字塔であり大傑作の『私の人形は良い人形』のラストの「ゴトリ!」の音を思い出します。
ハリウッドのホラーでもそうですが、続編が出来そうなこの展開はお決まりですね。あやちゃんはまた活躍するんでしょうか…(そうなれば、そのうちコメディぽくなってしまう未来が見えるような…)
ハリウッドて書いて思いましたが、この映画は、海外でも受けるんじゃないでしょうか?
久々に怖さを堪能出来た映画でした。
料金2000円はチケット購入時は「高っっ!」と若干むくれましたが、料金分はしっかりと楽しませていただきました。
ありがとうございます♪
大好きな作品でリピートしました
公開月にレイトショーで鑑賞しました。
最初の5~10分で恐怖を煽る演出と音の効果で一気に引き込まれました。
あやちゃんがほんとに表情豊かで大好きです。
初回からまた観たくなっておかわりドールハウスして満足しました。
ホラー好きな人も苦手な人も見てほしいです。
自転車おじさんには人間の女の子に見えたのは何故?
最愛の娘を亡くした母が、骨董市で娘に似た人形を購入し…それからというもの奇妙なことが起こり始め…と言った物語。
遅ればせながら鑑賞。恐かったですね‼
改めてホラーは我が国のお家芸だと認識。
内容はというと、人形ホラーの王道ではあるが、海外ホラーなら長回しの末に瞳がギョロっと動いてジャンプスケアにしそうなところを敢えてなにもせずに…この演出は背筋が凍る。
子ども達だけが会話できるアヤと呼ばれる人形。場面場面で表情も微妙に異なっているように感じさせるのは不思議。この人形、役者(⁉)ですね。
全体を通し比較的テンポもよく、起承転結のバランスも良いように感じたが、最後の最後だけちょっと雑?しまった‼…ってアンタw
それでは結局どうすれば良かったのかな?あそこで彼がすり替えなんかしなかったらそこで終止符を打てていたのか?
んで、ママ友に出した牛乳が腐ってたのは何故?そんな深い意味はないのかな。
しっかり恐かったし、忘れた頃に出て来る絵の話とか伏線回収もバッチリだしでとても面白かった。
亡き娘が、家に帰ってきた──人形の姿で。
得体の知れない人形をめぐる物語を軸に、喪失と狂気、そして母性という重いテーマをサスペンス仕立てで描かれた作品。
ファーストシーンで心を掴み、中盤以降はアトラクションのようなスリリングな展開と謎解きのテンポが加速し、観客を飽きさせない構成になっている。
ただその分、いろんな要素が詰め込まれた印象も否めず、感情の余韻をじっくり味わいたい人にとってはやや散漫に感じられるかもしれない。
とはいえ、長澤まさみを筆頭としたキャストの演技は説得力に満ちており、細部の演出にも緊張感があった。
過剰にショッキングな描写に頼らないホラー演出なので、ホラージャンル初心者や普段ホラーを敬遠しがちな方にもおすすめできる。
• 世界へ入り込む度:★★★☆☆
• 感情ゆさぶられ度:★★★★☆
• エネルギー消費度:★★★★☆
• 配信でも観ます度:★★☆☆☆
• 人にすすめたい度:★★★☆☆
【制作エピソード】
人形造形には徹底したこだわりが込められている。モデルとなったのは、江戸時代に作られたリアルな“生き人形”。さらにビスクドールや球体関節人形の要素を融合し、顔はあえて左右非対称に仕上げられている。そのため、見る角度によって微妙に表情が変わり、長澤まさみや瀬戸康史も「表情豊か!」と驚きを口にしたほど。国際映画祭を巡る中でも、まるで人形自身が旅を楽しんでいるかのような表情を見せていたという。
ホラーだった・・
古典的ゆえに面白さの限界点がみえる作品
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