「監督の持ち味が裏目に」ドールハウス bionさんの映画レビュー(感想・評価)
監督の持ち味が裏目に
トラウマ確定のプロローグで、ホラー作品としての立ち上がりは上々。
佳恵が、骨董市で偶然見つけた日本人形を我が子に見立てて可愛がる様子を夫はただ見守ることしかできない。家に帰ってきて、あの人形が食卓に鎮座していたら、ギョッとするよね。瀬戸康史がでっかい目玉をひんむいてたじろぐ様子は、恐妻家である自分が最も共感できるポイント。
デパートの子供服売り場のシーンも笑える。
徐々に人形のヤバさがエスカレートしていき、クライマックスへの期待も高まる中、安田顕と田中哲司が登場して、なんだか妙な雰囲気に。
監督の持ち味であるコメディタッチが自然と出てしまったのだろうが、緊張感が途切れてしまった。
二段三段オチがよかっただけに、ここは残念。
呪物人形の禍々しさを生み出すエピソードの弱さも気になるところ。貴志祐介の『さかさ星』に登場した人形師レベルの狂気が欲しい。
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