「軽妙」キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
軽妙
にわかに信じ難い話だった。
実話がベースの本作。
作中で語られるエピソードがホントなんだとしたら、彼は16歳の時に高校の教諭を1週間務めた事になる。16歳が16歳を教えているのだ。
結婚したのは17歳で、その1年半の間にパイロット→医師→弁護士と花形の職業を渡り歩いてる。
各職場での人望も厚そうだ。
パイロットの時はホームパーティを開いて、名前を気さくに呼び合う仲間がいるし、わんさか人が集まってる。
ある意味、超がつく程の天才だ。
2週間勉強して司法試験に受かったってのもホントなら、それの証明にだってなりうる。
人の才能って何に発露されるのかホント不思議!
作品的にもデカプリオxトム・ハンクスと豪華。
当時デカプリオが何歳なのか知らないが、13歳〜21歳くらいを演じ分けてる。
13歳の時の走り方とかホントに幼く見えて、惚れ惚れしてしまう。彼らもまた稀有な才能を発露させたお2人なのであろう。
現実味の薄い主人公をトム・ハンクスがガッチリ掴んで現実から逃さないようにしてた感じだ。
スピルバーグの演出も的を外さない。
やにわに信じきれない人物像に、しっかり十代の若者ってテイストを持ち込んでる。
それに対応するデカプリオも流石ではあるのだが、フランスで連行される時の表情や、母親を窓越しに見つめる目、また腹違いの妹に相対した時など、十代の片鱗を十分感じさせる。
芝居のキレはいいし、物語はスピーディーに展開していき楽しかった。
冒頭の犯罪者当てクイズとか、実際あるんだろうか?
色々と理解が追いつかない本作ではあるが、観劇後の後味は悪くない。
オープニングのアニメーションが粗筋だったみたいで、そんな茶目っ気からして監督のユーモアを感じたりする。
Netflixにて数ヶ月もの間、ラインナップから外れてない理由がよく分かる。