かくかくしかじかのレビュー・感想・評価
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ズンと来た。漫画家志望者全員観るべき。
そんで俺と同じ気持ちになってくれたのむ。俺を置いて行くな。ここで俺と一緒に胃を痛めようぜ。
という気分。
こんなこと書く気じゃ無かった。
もっとやる気に満ちた気分で映画館を出る予定だったんだよ僕的には。
どうして今胃を痛くしているのか。
お前もここに座って胃を痛めてくれよ。
何描いたらいいか分からない、と
下手でも描け、を
大事にしまって持ち帰りますね。
あと、お世話になった漫画家先生のことを思い出したりした。
「きせかえユカちゃん」の原稿が出てきて良かった。
永野芽郁さんのこと好きになった。東村先生の素の声っぽい演技のとこかなり好き。ああいう演技もっとやったらいいのに。全人類が恋するでしょ。
女優業沢山やって欲しい。頼みます。
あと、ごっちゃんは出ませんでした。【ネタバレ】
映画を観たらぜひ原作も見てほしい😊
原作ファンであり、永野芽郁ちゃんファンです。
映像化するとなって、好きな作品がどう撮られているのかドキドキと、好きなめいちゃんがどう映っているのか楽しみとで映画館へ行きました💨
めいちゃんファンとしては、とにかくめいちゃんが可愛い!いろんな洋服を着て、いろんな髪型になって、はつらつに動いているめいちゃんを見ることができて大満足です。
美しさと可愛さと儚さがあり、その場にいるだけで周りがパッと明るくなるように感じました。
日高先生を大泉洋さんが演じられ、最初の出演者発表の時は「えっ、、?」と思っていましたが、真面目に本気で怒っている姿を見てとてもしっくりと感じました。
とにかく出演者がみんな豪華なところに、この作品の完成度をより高めていると感じました。
原作ファンとしては、明子のドタバタとしてもっと人間味ある姿や、本来は弟がいたり大学の時にできた彼氏が宮崎に遊びにきてくれたりのエピソード、日高先生との関わりなど省略されていた部分もあり、仕方なさも感じつつ少し寂しさもありました。少しずつ広くエピソードを取り上げられているからこそ、サラッと終わってしまったなと感じました。
(神尾楓珠さんの出演は本当にサラッとしていた。。けどめいちゃんとのキスシーンがあってドキドキしました🥹あと、明子は職場であんなに疎まれていなかったような。。💭)
それでも宮崎弁が違和感なくたくさん使われていて、九州出身としてはとても嬉しく感じました。(さりげに「せからしか」が出てきたのは胸熱でした🥹)
何にせよ、想像の3倍日高先生の「描けー!!」を聞いて、その熱意が心にきました。
原作を蔑ろにせず作られた映画だと感じます。
進路を考え迷いながら18歳で夢に立ち向かう受験のシーンは、自分は当時そんなに考えることができていたかと思い返されましたし、受験に立ち向かう高校生の姿をかっこいいと思いました。
明子が絵が描けなくなった時日高先生が実家まで来て、壁に明子を押し付けているシーン、とても辛く感じました。
もう少ししたらサブスクで解禁されるかもですが、映画館でしっかり見ることができてよかったです。
MISAMOの「Message」もとてもよかったです。
いい意味で昭和感満載
良くも悪くも大泉洋の「描け~」が全ての印象を持って言った。今じゃ考えられない教育法なんだろうけど、実際、似たような文化で育ってきた身からすると、「難しい事考えずにとにかく手を動かすって大事だよな」って思う。効率的でスマートではないけれど、意味はあとからついてくる、みたいな。
描け
主演女優のスキャンダルとかいろいろあって残念だったが、原作はまぎれもない名作で大好きなので、もう気にしないことにして映画館に足を運んだ。
原作はエッセイ漫画的なリアリティがあって、だからこその感動があったのだが、映画はリアリティは失われているものの、これはこれで別物と割り切れば面白い。
原作を知らないで映画観た方が面白いと感じると思う。
時代による漫画の描き方の変化も分かって面白い。スクリーントーンをカッターで切ってた時代から、今は完全デジタル…。
大泉洋の演技がすごい。モデルになった先生(日岡兼三)の写真を調べたら、見た目もそっくり。
あれだけお世話になってた先生なのに、ガンで余命が無いと分かってからも一度しか会いに行けず、死に目にも会えなかった、というのがリアル。人って死ぬ時は本当にあっさり死んでしまう。
先生の生き様に感動した。大好きな絵だけのことを考え、絵を描くことだけのために生きた。自分も、だらだらと生きるのではなく、本当に価値があることのためだけに生きなければ、という気にさせられた。
「描け」という言葉は、自分にとって一番大事で、一番難しいことから逃げずに向き合って行動しろ、という意味だと思う。
先生の指導法には考えさせられるものがある。とにかく「描け」「よく観て描け」それだけ。
先生が、描く方法を教えることに一所懸命になってしまうと、生徒は方法を与えられることに慣れてしまい、自分で方法を考えることを学ぶことができない。
目標だけを与え、方法は教えない。そして安易にみせかけの応用は教えず、徹底して基礎だけを身体にしみこむまで叩き込む。
昔ながらの職人の世界の教え方なので、現代でこれをやるのはいろいろな意味で難しいかも知れないが、結局こういう方法でしか本当の力は身につかないと思う。
この映画で一点だけ不満だと思うのは、先生のモデルになった日岡兼三氏について何も言及がないこと。
原作者の自伝的作品とはいえ、いろいろ現実とは違う点があるし、先生の名前も変えているので、「この作品は事実を元にしているけど、あくまでフィクションです」というスタンスだということは理解できる。
でも、エンドロールの最後くらいに一言くらい触れるべきだろう、と思う。
日岡氏は実際すごい画家だし、作品もすごいのに、氏の画家としての業績に全く触れないのは、敬意に欠けているというのは言い過ぎだろうか?
試写会のCMはちょっと…
朝イチで東村アキコが語るのを観て、そこまで言うなら観てみたいと行きましたが…試写会のCMは東村アキコファンのコメントなのかとしか思えなくて、開始7秒からずっと、どこが泣けるんだろう?とそればかり気になって、あのCMのせいで入り込めなかった気がしてとても長く感じました。
泣ける映画と言うよりも、私は東村アキコのファッションや色彩の方が興味深かったです。
観た後しばらくして余韻のように亡くなる前に大泉洋の先生が描いていた絵をもっと見てみたかったし、2人展を観てみたいと思いました。
先入観無しで観ました。そして、2回観てしまいました。
「良い作品」でしたよ。昔であれば、小中学生相手に学校で上映しても良いくらい。
自分の生き方、目標の設定、良い先生との出会い、そしてお別れ・・・
東村アキコ先生が直接脚本を担当されたとの事で、自伝的要素が強く、まるで先生の「講演会」でお話を聴いているような感覚になった。
自伝を2時間という制限に納めるのは大変。話をかいつまんだ様なダイジェスト版になってしまうのは仕方がない。それでも充分過ぎるほど、東村先生の「想い」というのがひしひしと伝わってくる。
・・・これだけ親身になってくれる先生がいらっしゃるのか・・・
・・・先生に可愛がられる生徒って、いいよな~・・・
「かけーーーー! かけーーーー! かけーーーー!」
一日だって描かなければ、腕が鈍る。とにかく描け、かくしかない。
かくしか、かくしか、かくかくしかじか・・・。
途中、唐突に初恋エピソードが入ってくるが、これはドキドキした。
「うわぁ、この感じなのかぁ。」
永野芽郁って、スゲェ女優だ・・・。これはハートがやられるわ。
(以下、思わず涙したシーン)
終盤、病でもう苦しいはずなのに、まだ描き続ける先生。「もう時間が無い」と、病院にも行かない。明子に自分の生きざまを見せつける。背中で演技する大泉洋がいいんだよ~。
クライマックスの海岸でのシーン、とてもいい。
BGMもなく、明子と日高先生のやり取りをじっくり時間を取って描いた。
救われた気分。
永野芽郁って、まだ25歳だよ。奇跡的な女優だ。
必ず復活してほしいと思った。
本作は、永野芽郁の代表作になるし、大泉洋の熱演が観られる素晴らしい映画だと思った。
ハートフルコメディ
東村さんと云う漫画家の、今に至るまでを描いた作品。
コメディタッチで淡々と人生の半生を描いているので、結構単調だったりするのかな。
事件がない。
スパルタ先生と、主人公のやりとりが面白い。
話は単調だが、全然見てられる。
そしてちょっと泣ける。
途中音楽シークエンス?点描に挿入歌が流れるのが寒過ぎた…
結構ハイセンスなトーンだっただけに。残念。
永野芽郁さんって作品が暗くなり過ぎなくて、良い女優さんだと思うので、これからも頑張って貰いたい。
みんなきっと、美大に行くために先生のところに通って、いつかは描かなくなっていく。
日高先生はそう云う生徒をいっぱい見てきたんだとおもう。
好きな事好きじゃなくなる切なさをなんか感じた。
先生とのやり取りが目に沁みる
画業で食べていく基礎を叩き込んでくれた(文字通り!)美大受験のための画塾の先生、確かにピュアで、はっきり言えば今なら不適切度2000%くらいの前時代的な熱血漢で、確かにこうして記録する価値のある方だと思う。
東村さんが先生から離れて自分の道を歩くため、自分がなりたいのは漫画家であって先生のような芸術家ではないことを分かってもらおうとして結局、先生に数々の鋭い言葉を放ってしまうくだりが私の中でのこの映画のハイライトなのだが、娘時代から東村さんはおっとりしているようで実はしっかりしておられたんだな、と思う。そして、ご両親もただの甘々な親ではなくて「卒業したんだからちゃんと仕事せい」と突き放す時を心得ておられて、だから漫画家東村さんが誕生したんだな、と納得した。
先生の遺作となった絵がとても美しかった。
基本を繰り返す大切さ
漫画家 東村アキコの自伝的作品の映画。騒がれている永野芽郁さんですが、映画の中での喜怒哀楽の表現が、とても良かったと思う。熱血先生役の大泉洋も的役だと思いました。今の時代、こういう先生はアウトですけど、昔はたくさんいましたし、ある意味懐かしく思いました。画家や漫画家は、描くことが基本。野球だとキャッチボールや素振りが基本だと思います。基本をしっかりと繰り返すことによって次のステップに行ける。そして、さらに努力をすることによって成功するチャンスを得られることができるということかもしれません。日高先生(大泉洋)の「書け、書け、とにかく書け」という言葉は、あながち間違ってないと思います。
いい物語
だったような、そうでもなかったような。
見上愛という女優さんが素敵な感じでした。
大泉洋さんいいですね。
最終的にはよくわからない物語でしたが、人生とは誰でもそんな感じでしょうか。
古き良き時代の師弟
原作者本人が脚本に名を連ねている点からも本人の気持ちが入り込んだ物語となっている。
2人の出会いから別れまでを主人公の気持ちの揺れ動きと合わせ描いてて、その感情の揺れが観てる者にとって身近に感じられ、コンプラ度外視の人間臭い良い時代を思い出させてくれた。
特に大学へ進学した主人公の元を訪れるエピソードは気持ちのすれ違いがとても切なく感じられ後悔という言葉の重みを感じさせてくれた。
ボロ泣き
主人公・林明子と、絵の恩師・日高先生の絆と失敗や後悔、葛藤など。その関係性が物語の軸となります。
厳しく恐い先生だけど、心の根底は真っ直ぐで純朴で優しい人だと思った。そして強い。
世話になった方への不義理や、楽しさに流されて何もせず過ごしてしまう学生時代など、自分の過去とも重ねて胸が痛かった。
映画終盤は特に大泉洋さんのお芝居に引き込まれ、ボロ泣きでした。
作品とは直接関係無い雑音で、映画を観ない
という話を聞くと本当に残念です。
みっちゃん。あの教室にもし居合わせていたとして、リンゴとバナナを目の前で食べ出したら、腹よじれて食べてる弁当吹き出していたと思う。
絆が結ばれることがあるなと思う
絆で結ばれる時、理由はないな いつのまにか信頼していたり、心配していたり 関係性以前の、魂レベルの出会いなんだろう
日高先生の、朴訥とした人間性、とにかく描くこと、描いて描いて描くことで何かを得ていくと信じている 片や明子は先生を疎み、本心を言えずに逃げている それでも2人は繋がってる そんな相手とは誰もが人生で出会えるとは限らないなと思う
いつか二人展をやるぞと伝え続ける日高先生が愛おしく思える 宮崎から東京まで、明子と飲み明かすのを楽しみに訪ねていった時は、どんなにがっかりしたのかと身につまされる 死の床では、二人展をできなくなってすまないと明子に心を飛ばしていたのではないかと胸が痛い
不器用で言葉が足りないので人に理解されにくかっただろう日高先生の、笑顔にすがる思いがした
日高先生!あなたの存在は明子を支えていますよ
あなたとの日々は明子の人生に深く生きていますよ
大泉洋さんと芽郁ちゃんだったから、心に染みわたる映画でした
やり続けることの大切さ
宮崎の美しい海岸にある美術教室。厳しいけどまっすぐで嘘偽りない先生。
とにかく人物を描ききった脚本が素晴らしかった。俳優陣も最高の演技。監督も音楽も。
残りの人生が少ないのに、咳き込みながら書き続ける日高先生の姿に感銘。命が燃え尽きるまで、真摯に何かをやり続けることが大切なんでしょうね。
永野芽郁は化け物を実感。これから出なくなるのかな。改めて、惜しい。
描け
作品とは一切無関係とは言え、最悪のタイミングでの公開。
渦中の主演女優の事ばかりSNS上で炎上しているが(“相手”はほとんど叩かれていない男尊女卑のような謎、何の圧力かワイドショーで一切報じられていない謎)、一番気の毒なのは原作者だと思う。
ファンの間でも名作と誉れ高い原作者・東村アキコの自伝的コミック。
思い入れあって、映像化のオファーは断ってきたほど。
が、お気に入りの女優が演じてくれる事で、承諾。
プロデュースや脚本も兼ね、入魂のほどが窺える。絶対に失敗は出来ない。
その矢先…。
作品とスキャンダルは別。感動した! キャストの演技が良かった! など絶賛の声の一方…
不倫女優の映画なんて見たくない! 最低! 中に作品もろとも誹謗中傷の声も…。
本人たちもコメントを出さず、双方の事務所も否定しているが、何も無かった訳はあるまい。身の振り方、対応の仕方、浅はかだったと思わざるを得ない。
しかし、この作品が“あの不倫スキャンダル中の…”と記憶されるのだけは余りに惜しい。
原作コミック未読だが、私の耳にも心にも、先生のあの言葉が忘れられない。
描け!
宮崎に住む林明子は、小学生の頃に漫画に一目惚れ。
将来の夢は決まった。漫画家!
絵を描けば親や学校の先生は褒めに褒める。天才だ! 宮崎のゴッホだ!ピカソだ!手塚治虫だ!
もう漫画家になるしかないじゃん。
一応美大に通っとこう。さすがにそう簡単には受からない。塾みたいに絵画教室にでも通っとくか。
同じく美大を目指すひねくれ同級生・北見の紹介で、海辺にあるという絵画教室へ。月謝は5000円。安ッ!
何枚かデッサンを描いて、意気揚々と。
そんなに褒めないで。
…ところが!
「ハイ、下手でーす!」
初めて言われた酷評。
私にそれを言い放ったのは、この絵画教室の講師、日高先生だった…!
絵画教室と言えば、小綺麗なアトリエ風で、生徒たちが優雅に絵を描く。先生は勿論物静かで穏やか。
…何、ここ?
木造のボロ教室。生徒たちは何かに取り憑かれたように一心不乱に絵を描き続ける。
最たるは、講師の日高先生。ジャージ姿で常に竹刀を持つ。
下手くそ! 何描いてんだ!? よく見ろ!
竹刀と共に飛んで来るのは、罵詈雑言、暴言の数々。
二言目…いや、一言目から言うのは…
描け。描け描け描けェーーーぃ!
何なの、ここ~ッ!?
今なら完全コンプラ的にアウトのスパルタ。
生徒たちはビクビク。明子も初日からうんざり。
だけど、有名な先生ではあるらしい。美大には通わなかった異端児。
確かに絵は上手い。お手本で描いたデッサンにぐうの音も出ないほど。
いつもいつも、怒鳴ってばかり。怒ってばかり。
だけど、笑う時は大声で笑う。
珍しく褒める時はストレートに褒める。
真っ直ぐ。熱い。
そして面倒見が良くて、根は優しい。
腹痛仮病を装い、母親が迎えに来てくれると嘘まで付いて早退した明子。ところが教室に、迎えが遅くなると母親から本当の連絡。
日高先生が凄い形相で追い掛けて来る。
バレた! 殺される…!
しかし先生は、迎え遅くなるって言うのに、どうやって帰るんだ?
バス停までおんぶ。バスは行ってしまい、次のバスが来るまで一緒に居てくれる。
バスが来て帰り際、一日で治して明日必ず来いよ。そして描け。
このシーン辺りからかな。日高先生の事が好きになり始めたのは。
日高先生は見る目も確か。
当初は貶した明子の絵に才を見出だし、指導はさらに厳しく。
描け描け描け。
その甲斐あって、明子の絵は上達。本当に美大を目指せるまでに。
目指すは東京の美大か金沢の美大。
まずは東京の美大の受験。手応えあり。受かったんじゃない?
しかし、結果は…。しかもそれを、苦戦の金沢美大受験中に知ってしまう。
普段は楽観的な明子だが、メンタル弱い点も。すっかり自信を失ってしまう。
日高先生からは鬼電。お前、絶対受かれよ! 落ちたら承知しねぇぞ!
プレッシャー掛けないでよ…。でも、それが刺激に。
結果、自信無かった金沢美大に見事合格!
これで私も晴れて美大生。しっかりとした絵の勉強が出来るキャンパスライフを…。
地元・宮崎を離れて…いや、もっとよく言うと日高先生から解放されて、絵を描かなくなり…。
新しく出来た友達と遊び呆けて、イケメン同級生と色ボケして…。
ちゃんと描いてるか? 時折掛かってくる日高先生の電話にもうやむやに…。
せっかく上達した絵も才気を失い、教授からは厳しいお言葉…。
学校だから課題が出る。夏休み中に大型キャンバスに自由課題で絵を。
帰郷して絵に向かうが…、絵が描けない。
怖くなって、私は何を描きたいの…? 塞ぎ込んでしまう…。
心配した両親が日高先生に連絡。駆け付けた日高先生だが、当然優しい言葉を掛けてくれる訳がない。
何しとんじゃ!
描けないんよ! 描きたくないんよ!
だったら死ぬ気で描け! 描くしかないんじゃ!
文字通りぶつかり合って、明子は絵に向かう。
今の自分の自画像。完成して提出したら、教授から褒められた。
不思議と日高先生から叱咤激励を受けると絵を描ける。
しかし、ひと度離れると…。またまた怠惰なキャンパスライフに逆戻り…。
今は漫画家として成功。だけどあの頃は、ダメダメ愚かでバカな私。
そんな私に先生が教え、叩き込んでくれた事。
今思い出すととっても大切な経験や日々。そして後悔…。
明子のナレーション。先生、あの時はゴメンね。とっても後悔してるよ。先生と居酒屋に行ったのはあの時一回だけだったね。タイムマシンがあったら…。
などの台詞から、何となく予想は付く。
それがまたしんみりさせる。
登場人物たちもダメ人間が多い。明子は然り。明子の両親も親バカでバカ親。娘思いだけど。
日高先生も頑固で、人によっちゃあ嫌いなタイプ。教室の女の子をチンパンジー呼ばわりするのはさすがに…。和田アキ子と同レベル。
人は必ずダメダメな部分がある。それも踏まえて、触れ合い育んでいく様が堪らなく愛おしい。
美大卒業後を悩んでいた明子。
日高先生の強引な口利きで美術を教える仕事に。
…かと思ったらそれがダメになって。
せっかく戻ってきたのに。仕方なく、教室で教える事に。ほとんど無給。
そしたら、高い金出して美大行ったのに帰って来てろくに仕事をしない娘を、バカ親が珍しくお怒り。父親の会社のコールセンターに就職。
うんざりする仕事、嫌な先輩。
ここから脱け出すには…
漫画。色々回り道したけど、漫画家になりたかったんだ、私は。
漫画に打ち込む。仕事、教室、漫画の三足のわらじはキツい。疲労で倒れる事も…。
現状を変える為に。かの集英社の新人賞に応募。
結果は…。入選。賞金も。が、この時規定に反していた為デビューとはならなかったが、担当者からは期待を寄せられる。
明子は漫画を描き続け、絵も上達。才能を開花。
そして遂に、漫画家としてデビュー。
ヤッター! 夢にまで見た漫画家! 会社辞められる~!
ちとここら辺、とんとん拍子過ぎてご都合主義のようでもあるが、実際も概ねそうなのだから文句は言えない。
元々才能はあり、美大にも受かり、漫画家デビューも果たした。ミラクルガール!
だけど、一つ問題が…。
漫画家が夢だった事を日高先生に打ち明けていなかった…。
きっと日高先生は、私が画家を目指している前提で、目を掛け厳しく指導してくれていた。
それが漫画家を目指していると知ったら…。
漫画だァ!? そんな下らんものは辞めろ! 画家になれ! 俺の跡を継げ! 描け!
…って言うに違いない。
いつまでも隠し通せるものではなく、恐る恐る漫画家デビューした事を打ち明ける。すると…
これ、お前が描いたんか? 凄いな!
こういう人なのだ。人が一生懸命やってる事や夢は絶対否定しないし、褒める時は褒める。
しかもお金も稼げる。どんどん描け!
その上で、二人展。日高先生がずっと言い続けている事。
二人で絵を描き溜め、展示会を開く。先生の夢。
いや、違うんよ、先生。私は二人展をやりたい訳でもないし、画家になりたい訳でもない。漫画家としてやっていきたいんよ。
だけど、日高先生はやはり言う。それでも描け。とにかく描け。
日高先生が二人展をやりたかったのは本当だろう。その為に絵も描いていた。
日高先生が言う“描け”とは、漫画家であっても画家であっても、描くという事を怠るな。
どんなに描いたっていい。それが無駄になる事は決してない。
日々描く。それは絶対に自分の身となり、為になる。
スポーツ選手が基礎トレーニングを怠らないのと同じ。大谷だって特別な練習をしてる訳じゃなく、何度も何度も、今も、バットを降り続けている。
基礎が最も大事。
だから、描け。
漫画家デビューして世間的には“立派な人”になった明子だが、描くという事、その意味…いつしか忘れていた。
漫画は描き続けていたけど、締め切りに追われて。
上京してお洒落な東京生活にもエンジョイ。
だからまた後悔している。
ある時日高先生から電話。また“描いてるか?”とか二人展の事かと思いきや…、
癌になってしもうた。後4ヶ月だと。
…えっ?
忙しい中、帰郷。先生は入院せず、絵を描いていた。
二人展を諦めていない。時間が無い。自分にも、描け。
そんな事より入院して! 自分の身体を労って。
そう念を押して東京に戻ったけど…
現実逃避するかのように、仕事に没頭。
また同じ後悔。向き合う事が出来なかった。
ある時、電話。もう察しは付いた。
あまりにも早く、日高先生は逝ってしまった。
300年は生きると思ってのに…。
葬儀。教え子たちが集う。
在りし日が蘇り、笑い、泣く。
散々怒鳴られた事も、厳しくされた事も。
時々褒められた事も。
今となっては全てが良き思い出。
失って気付く。その存在。
居なくなって気付く。その言葉。
描け。
日高先生、ゴメンね。私はちゃんと描けているのかな…?
スキャンダルは残念だけど、永野芽郁の女優としての才に一点の曇りナシ!
キュートさ、抜群のコメディセンス、喜怒哀楽メリハリ、芝居の間やテンポ…。
原作者の太鼓判に間違いは無かった。
今は苦境かもしれないが、このまま永野芽郁という才能がフェードアウトしてしまうのは惜しい。いずれ…。
今年も続く大泉洋無双。今何をやっても絶好調男に、またまた。
大泉洋本人はこんなにおっかなくて厳しい人物ではないのはバラエティーやワイドショーなんかで見るユーモア&ナチュラルな人物像から分かるが、びっくりするくらいピタリとハマる。
熱くて、優しくて、面倒見がいい所、周囲を虜にする所は本人にも通じる。
特に良かったシーン。明子の後輩で不良から画家になった今ちゃん。個展でライブ・ペインティングを披露。が、いつぞやの明子と同じく描けない。そこに、日高先生が。もう車椅子で身体は弱り、絞り出すような声で、いつもの一言。
描け。
この時の“描け”がかっけぇ~! 私の身体にも電気が走った。
主演二人の好演、二度目の共演となる絶妙な掛け合い。
大森南朋とMEGUMIの憎めないバカ親っぷり、出番は少ないが注目株・見上愛のクールな佇まい。
ベタな演出や展開も見られるが、日本映画の良心とでも言うべき良作。
東村アキコから日高先生への、これ以上ないラブレター。
原作コミックも読んでみたくなった。
ラスト。海辺での明子と今は亡き日高先生の対話シーンが良かった。
もう二度と会えないけど、もう一度会いたい人とこんな風に再会出来たら…。
後悔を謝り、話したい事、伝えたい事、いっぱいいっぱいの感謝を。
あの時厳しくしてくれて、叩き込んでくれて、教えてくれて、今の私を描いてくれて。
なら、もう大丈夫だな。
別れは寂しいけど、私の事を見てくれて、一人一人を見てくれて、いつも真っ直ぐで、誰よりも真人間だった。
描け。
耳にタコだったあの言葉を、今はそう思わない。
描け。描き続けろ。
先生、私は描いてるよ。
それは先生からのエールでもある。
生きろ。自分の人生を、しっかり生き続けろ。
誰の心にも響く金言。
描け。
🥺
永野芽郁と見上愛目当てで映画館に足を運んだので作品自体は期待していなかったのですが、予想以上に良い作品でしたね。
スポ根ドラマに出てくるような熱血教師との長年にわたる交流が素晴らしいです。
原作が漫画ということもあって、漫画チックでコメディタッチの展開なのですが、後半はウルウルきてしまうように盛り上げてくれました。
教師の絵画に対する一途な愛情に心打たれました。
ただ、共演の見上愛は去年の大河ドラマ「光る君へ」で藤原道長の娘、藤原彰子役を演じてからファンになりましたが、この映画では出番が少なくて残念でした。
最初から最後まで「かけー!かけー!」
大泉洋の「かけー!かけー!」がうるさ過ぎて、そこしか思い出に残らない…。実際にそうだったとしても、もう少し何とかならなかったのだろうか⁈この作品に対する東村アキコ氏の思い入れは格別で撮影は全て氏が付きっきりだったらしい…。
アキコ氏の恩師へのレクイエムなのは分かるが…
偽りには成ってしまうが物語りとしては、もう一つ脚色してでも盛り上がりが欲しい所。
だって映画なのだから…これがTV版のスペシャルなら解るが、観客は2時間弱の物を観る為にその前後の何時間かを潰し劇場へ行き約2千円弱の料金を払い特別に観るのだ。其処を考えて欲しい。
「嘘は伝えたく無い!」←分かるよ! でもね映画にした時点でそれはもう「ホント」ではないんだよ。だって最後の恩師とのやり取りだって想像の世界でしょっ‼︎
アキコ氏の思いが強過ぎた作品となってしまった。
描けー時間がたっても変わらないもの
永野芽郁は、ちょっとどじだけど、変なところに一生懸命な、古いところだと、『スチュワーデス物語』の堀ちえみのような、「不器用な主人公の一生懸命さ」を演じさせたら右に出るものはないです。昨今の週刊誌記事の影響で、どうしてもフィルターを通して見てしまいがちですが、とてももったいないと思いました。『そして、バトンは渡された』でも泣かされましたが、今作も素晴らしい演技をしています。
破天荒な日高先生役の大泉洋は、当て書きかと思うぐらい役にフィットしていて、この役は他のだれもできないと思いました。
時間がたっても変わらないものというのは、「本物」を指していて、それを描くということは、「ごまかさずによく生きること」ではないかという気がしました。そういえば、『海の沈黙』でも本木雅弘演じる津山竜次は、最後まで渾身の力で海の絵を描いていました。やはり、「海」は生命の源なのですね。
でも、斉藤由貴が出ていたのには気が付かなかった。
私もこんな恩師に出会いたかった
本当に若い時って目の前の嫌なことから逃げる事って、たくさんあるんだよね。
だから、毎日楽しいことしかやらない。主人公が特別ではなくて恩師に出会った事が特別。
大人になるとこれがよくわかる。怒られた時に嫌な思いもするけど我慢出来るようになってるわけ。
今の人達は体罰とかうるさいから、昔はガンガン殴られたし、怒られたけど、あんなに優しい先生じゃなかった。
おんぶなんてされた事ないし、バスが来るまで一緒に待ってるなんてありえない。だから、先生の葬式で涙が止まらないんだよね。わたしは従姉妹の叔母さんがそうだった。
うちの両親共働きだから、躾がイマイチ教えきれてなかった。小学生の頃、夏休み母が病気になって動けないから叔母さんの所に預けられた時は大変だったけど、大人になってから所作とか教えてもらったことが大人になって社会に出て恥ずかしい思いをしたことは一度もない。もう亡くなったけど叔母には感謝します。
場面展開がいい
高校生から漫画家になる社会人までの時間配分が最高にいいと思える作品でした。
高校、大学、社会人それぞれがちゃんと描かれていて、重要なポイントも分かりやすく表現されているため凄く見やすい映画です。
面白くはありますが、動きが若干コメディよりのシーンが数ヶ所あって、個人的にはリンゴとバナナのシーンのような笑いでとどめておいて頂く方がいいかなぁって思います。
最後のシーンは先生の登場と無数の紙が舞う映像はない方が泣けた気がします。
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