かくかくしかじかのレビュー・感想・評価
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描けーっ!
永野芽郁と大泉洋という魅力的な二人が出演しているので観賞。
漫画家東村アキコの自伝的漫画を永野芽郁主演で描いた作品。
恩師である絵画教室の日高先生を演じている大泉洋が昭和の男っぽくて非常に良かった。
竹刀を持って教えるスパルタ方式で現代だと体罰だとか暴力教師だとか騒がれそうな先生だが、根はまっすぐな面倒見のいい昔懐かしい先生像といえる。
大泉洋が演じているのでスパルタ教師であってもなんか魅力的に見えてしまう。
生徒の嫌がることも平気で言うし、デリカシーの欠片もない先生なのだが。
でも、なぜかそんな絵画教室に人が集まり絵も上達していく。
永野芽郁演じる明子は本当は漫画家になりたいのに美大出身という経歴が欲しいという不純な動機で美大を目指すのだが、そんな明子が美大に合格できるよう本気で絵を教える日高先生。
明子は大学に入ると絵はそっちのけで彼氏を作って遊びにあけくれる毎日。
そんな明子を大学に入ってからも気にかけ、わざわざ大学まで訪ねてくる日高先生を疎ましくさえ思う明子。
すれ違う二人の気持ち。
がっかりしたであろう日高先生が黙って酒を置いて帰っていく侘しさ。
大泉洋が本当に上手かった。
明子の才能を認め、自分が叶わなかった大学での勉強をする明子への期待。
明子の気持ちもわかる。
自分の本心をなかなか日高先生に伝えられないのもわかる。
日高先生はどんなときも「描け、描け、描けーっ!」としか言わないが、その場面場面で描けの中にいろんなメッセージがこめられているように感じました。
もっとよく観察しろ!弱音を吐かず頑張れ!悩んでいても解決しない、前に進め!緊張せず描きたいものを描いたらいいんだ!…etc
夏休みの課題を力技で無理矢理描かすところは今ではできない指導なのかもしれませんが、立派な自画像三部作が完成し教授にも認められた。
具合の悪くなった日高先生との別れのシーンも胸にくるものがありました。
永野芽郁も期待どおり好演していました。
原作漫画は読んだことありませんが、東村アキコ氏の日高先生への感謝の気持ちと贖罪の気持ちがまっすぐに伝わってくる良い映画だと思いました。
※仲居さん役の斉藤由貴はすぐ気づきましたが、あの下がりかたはギャグですよね?
こんな大森南朋、初めて見た!
原作ファンである。
正直、大泉洋(=先生)と大森南朋(=父ケンイチ)は逆の方がいいのでは?と思っていた。
が、蓋を開けてみたら大泉洋はちゃんと「先生」だった。舞台仕込みのしっかりした発声が先生の「描け―!」に活かされてたし、よくハの字になる眉毛が、なんだか面倒くさそうな人って感も出していたし、その一方で情け深くも見える。普段はただの「ボヤキ顔」がまるで(本当の意味で)能面の様にいろいろな表情に見えるのである。
そして何より大森南朋の「ケンイチ」が良い塩梅に振り切れていてすごく面白かった。父親が主役の「ひまわり!」ファンでもある自分が言うのだから間違いない。大森南朋がギャグテイストにあんなにキビキビ動けるとは知らなかった。かと言ってやりすぎることもなく、ちゃんと「父」の温かさも感じさせてくれた。
ちなみにケインイチがやらかすシーンはあまりに自然過ぎて思わず「あっ!」と声を出してしまった。
永野芽郁も当初は「とぼけた感じ」が合ってると思っていたが、それだけではなかった。コミカルなシーンはもちろん、泣いたり怒ったりが思いのほか良かった。特に大泉洋とのとあるガチンコシーンが素晴らしく、アキコの色々な感情が突き刺さってきて、思いがけず泣いてしまった。原作ではこのシーンでは泣かなかったのだが。ちなみに彼女はビジュアルも原作者の東村アキコ先生に近い。顔の輪郭やパーツの配置が似ている。着物姿などは衣装さんやメイクさんの研究もありかなり「東村アキコ」感がある。
その他のキャストもかなりよい。
北見(原作では二見)役の見上愛もイメージ通り。声が低めなのも良い。しかしながら他の作品ではそう思ったことがないし、大河ではむしろ高めだったように思う。声色も意識していたのだとしたら今のキャリアでそこまでできるのはかなり凄いのではないか。
鈴木仁は初めて知った時はまだ未成年で、若いのに色気のある子だなと思っていたのだが、本作ではその色をすっかり消し、ヤンキーだけど素直で憎めない「今ちゃん」になっていた。
畑芽育も単に可愛いだけではない。ちょっとした間合いの勘が良い。
そして森愁斗の「川崎君」。「ミーラクルガール♪」のくだりが地味にツボで吹き出してしまった。
MEGUMIはさすが。器用だな~。
「西村君」の神尾楓珠は本来の原作者のストライクゾーンのど真ん中ではないと思うのだが、「一目惚れする」というにはこれくらいイケメンの方が説得力はある。シーンは多くないがやはり存在感がある。
それにしても斉藤由貴が出てきたのには笑った。実はちょっと前に今回の騒動の話を高校生の子どもとしていたら、たまたまTVに彼女が出てきたので「この人こそ平成・令和の不倫の女王だよ」と教えていたのである(どんな親!?)。「奇跡の画!」と密かに盛り上がってしまった。ちなみに本当にちょい役だがなかなか良かった。特別出演とのことだったが何繋がりだったのか気になる。
映画化を知った時は「ついに!」と興奮し期待していたが、その思いは裏切られることのない良い作品であった。
強いて言えば若干リズム感が自分の好みではないところと、挿入歌の入れ方がうるさかった。
なお、終盤は原作には無いシーンで、ある種王道中の王道、東村先生レベルの人にとっては禁じ手とすら言えるのでは?そもそも私がそういうの好きじゃない!って始まった時には思ったのだが、大泉洋と永野芽郁のやり取りがとても良く、終わった時にはそんな気持ちは吹き飛んでいた。あと宮崎の海も良かった。映画館で見てよかった。
日高先生が日高先生だった
宮崎県民からすると宮崎弁が物足りない、、、
私もこんな恩師に出会いたかった
本当に若い時って目の前の嫌なことから逃げる事って、たくさんあるんだよね。
だから、毎日楽しいことしかやらない。主人公が特別ではなくて恩師に出会った事が特別。
大人になるとこれがよくわかる。怒られた時に嫌な思いもするけど我慢出来るようになってるわけ。
今の人達は体罰とかうるさいから、昔はガンガン殴られたし、怒られたけど、あんなに優しい先生じゃなかった。
おんぶなんてされた事ないし、バスが来るまで一緒に待ってるなんてありえない。だから、先生の葬式で涙が止まらないんだよね。わたしは従姉妹の叔母さんがそうだった。
うちの両親共働きだから、躾がイマイチ教えきれてなかった。小学生の頃、夏休み母が病気になって動けないから叔母さんの所に預けられた時は大変だったけど、大人になってから所作とか教えてもらったことが大人になって社会に出て恥ずかしい思いをしたことは一度もない。もう亡くなったけど叔母には感謝します。
絶滅危惧種
漫画をそのまま映画にした感じ
なんで少し面白みに欠けます
東村アキコさんと日髙先生はめっちゃ似てました。
東村アキコさんがキャスティングしたはず。
大泉洋 まんま日髙先生でした
先生は最高の教え子だと思っていると思う。
劇中の東村アキコが書いた絵と日髙先生が描いた絵はそれぞれ別の人が描いてるけど東村アキコの方は漫画で見たまんまの絵が再現されててすごいと思った
金沢美大の受験のエピソード弱かった。
カニと引き換えにあの像は少年だからあんまり筋肉ついてないし平たい感じに書くとかアドバイスもらってて、次の日は筋肉を消しまくった。その次の日その男の子いなくなってたのにエピソードが省略されてた…
あのエピソードがないとなんで受かったんって感じになると思う
映画化よりもアニメ化の方が良かったかも。
映画は体調の良い的に見ましょう
いい映画でした
予告は、原作を知っている人向け?
この作品を観るきっかけは、予告編でした。
予告編は、観たい映画であれば、見ないようにしています。
なぜならストーリーがわかってしまうから。
ところが、この作品はまったく見る事を予定していなかったので、
予告編を見てしまったと言う事です。
予告編を見て、観る事になったのであれば
予告編自体良いと思うかもしれませんが、問題は内容です。
物語の核となるべくネタバレが、予告編には入っていて
本編を見て、そのネタバレが出てくるのが、すぐにであれば問題はないのですが、
なんと上映後、1時間40分過ぎに出てくるストーリーの核となるネタバレなのです。
それを知っていて見るのと、見ないのでは、楽しみが全然違い
ほぼラストを知って作品を見ていくという、残念な結果になってしまいました。
こんな予告編を作ったのは、やはりこの映画自体、原作を知っている人向けなのかな?
と思いました。
まだ、ネットニュースを見て、興味関心を持ち、見ようか悩んでいる方
予告編は決して観てはいけません。
予告編を見ないで、見て大丈夫です。とても面白い作品です。
見終わってよかったと思える作品です。
色々な意味で話題になっている作品ですが、映画はそのような話題とは、関係ありません。
素敵な俳優さん達の、素晴らしい演技で、楽しむことができます。
さて、この作品は原作があります。
次は原作を読んで、映画では載っていない、行間のストーリーを楽しむことにします。
それもまた、原作がある映画の楽しみ方です。
素晴らしい映画作品をありがとうございます。
わかるのは大抵いなくなってからなんだよね。
大泉洋さんがいい!彼だから成立する映画と言っても過言ではないと思いました。
なんとなく思ったのは不器用でもまっすぐに思いを伝えて続ければいつかどこかに響くのだと思いました。たとえ届くのに随分時間がかかっても。あぁ、人生ってこうなんだろうな、気づいた時には遅いんだよね。ただ彼女はだいぶ成功してるところが私とは違うけど笑。
よくある師弟物語
原作未読、予告編が良かったので、鑑賞しました。
僕の娘は、主人公と同じように、漫画家or画家を目指して、幾つかの絵画教室を経て、日芸に通ったので
画家を目指す子供を持つ親目線で、この映画を観る事が出来ました。
「1日休むと、腕が鈍る」のは、芸術家だけでなく、音楽家や運動選手にも共通したことなので、
その"道"を究める為には、日々の修練がたいせつなのは、切に思いました。
主人公が、画家として"どの程度の素晴らしい絵"を描くのか、劇中に魅せてくれなかったので
絵画教室の師匠が、これほどまでに主人公に入れ込んだ理由が、理解できませんでした。
もしかしたら、原作者の師範に対する 恋愛的な思い入れを、この原作の中に綺麗に整える為の想起作だったのではないかと、感じました。
ヤンキーな後輩は必然性が無かった気がします。
永野芽郁さんに不倫問題が出ていますが、それは"芸の肥やし"ということで
なにも問題ありません。そういう職業です。
彼女は、爽やかで 明るく 奇麗で演技・表現力がある素敵な俳優さんなので、
今後は、長澤まさみさんが居たポジションに入れ替わって活躍して欲しいと願います。
師弟映画としては、スパルタではないが「ベスト・キッド(1984年)」が1番印象に残っています。
場面展開がいい
高校生から漫画家になる社会人までの時間配分が最高にいいと思える作品でした。
高校、大学、社会人それぞれがちゃんと描かれていて、重要なポイントも分かりやすく表現されているため凄く見やすい映画です。
面白くはありますが、動きが若干コメディよりのシーンが数ヶ所あって、個人的にはリンゴとバナナのシーンのような笑いでとどめておいて頂く方がいいかなぁって思います。
最後のシーンは先生の登場と無数の紙が舞う映像はない方が泣けた気がします。
コメディタッチの自叙伝の体で主観描写ばかり、原作者に脚本を委ねた重大ミス
自らの来し方を感傷的に描く、一種の自叙伝。主演2人のキャスティングがピタリとはまり、笑って泣いての佳作に相応しい。もう、すっかり漫画家は社会的地位を確立し褒章の域、NHKの朝ドラ「半分、青い」2018年(なんと永野芽郁が主演でしたね)から、昨年の「ルックバック」2024年も、漫画家そのものが対象。描かれた漫画を原作に至っては枚挙にいとまがない、と言うより、漫画原作がなければ邦画もドラマも成り立たない実態がある。
そんな状況で人気漫画家・東村アキコ氏の描いた原作漫画の映画化のようです。2015年の自らの表彰式からさらに遡る1990年代の宮崎を舞台に、絵が上手いと煽てられた少女と、無頼派画家先生によるスパルタ教育を描く。ただし本人の目標はあくまでも漫画家志望であることを隠して、絵の上達を目指して画家の指導を仰ぐ祖語が本作の芯に横たわる。「漫画家なんぞに・・・」と本人そのものに卑下意識があった時代。孤高の画家は独自の愛情をもってとことん厳しく生徒に接する。その軋轢が本作の要。
しかし、一度は嘘をついてまで逃げ出したこのスパルタに耐える心情の変化と、特異なキャラクターである画家の方法論を受け入れる心情も、終始挿入される主人公自身のモノローグで、サラリと触れられるのみ。金沢の彼氏との別れも何にも描かれず「遠距離恋愛は終わりました」のセリフで終わってしまうあっけなさ。何を描きたいのか? まるで見つからない暗中模索の苦難が映画の根幹のはずなのに、画家に強制的に指導されたままの自画像で評価されたらそれで良し。あれほどに娘に理解の両親が突然就職を厳命する違和感。キーワードである「描けよ!」の連呼の深淵も結局うやむやのまんま。同じ絵画の土壌である昨年公開の「ブルーピリオド」演出の足元にも及ばない。
ひたすら永野芽郁のダイアローグが全編流れ、画家・日高健三の心象に寄り添うカットは一つもない。親友であるべき見上愛演ずる北見は芸大に受かるもあっさり中退が永野芽郁扮する林明子にまるでインパクトを及ぼさない。何のために見上愛にキャスティングしたのか意味がありません。要するに描いているのは主人公・林明子ただ一人、周囲の人間なんぞ背景でしかない。両親役に大森南朋とMEGUMIの理想のキャスティングなのに、オーバーなコメディおバカ演技ばかり強いる愚挙。これらすべての欠陥は脚本を原作者に委ねてしまった必然なのです。本作を制作するのに、これを受け入れるなんて正に映画作りを自ら否定するようなもの、プロデューサー失格ですよ。監督にそんな悪条件をはねつける力もないのは明らか。自分の事しか書いて無く、自分の理解しか描かない、これじゃいい映画になるはずもない。挙句はお涙頂戴で締めるとは。
ひょっとしたら、原作者が制作者にも名を連ねるのであれば、それが条件だった可能性がある。なにしろ昨年はテレビドラマの原作者が、意に染まらぬ脚本に嫌気さし自ら脚本に乗り出し、結果自死される悲劇があったばかり。映画は原作とは異なって当然で、全くの別媒体、原作者は任せる勇気がないのであれば映画化を拒否するべきでしょう。なぜなら、本作の結果が答えなのですから。
こんな致命的欠陥を抱えていながら、佳作とまで言えるのは、主演2人の造形と演技力が相乗効果を奇跡的に醸し出せた事に尽きる。まともな脚本家と監督に任せれば、こんなに素晴らしい題材と演者は大傑作に昇華出来たであろうに。無垢がごく自然に漂う永野芽郁は、けだし逸材なのは確か。それ以上に、圧巻の存在感の大泉洋は流石にダイヤモンドの輝きです。
どっちの気持ちも分かる
未熟な青春時代
あなたの若い頃はどうでしたか
自分の若い頃と正直に向き合う事って難しくないですか。若くて未熟で愚かだった自分。自分のことを真剣に怒ってくれた師匠。これは、そんな未熟な自分と亡くなった師匠に対する愛をこめた鎮魂歌です。
原作は全5巻ですが感覚的には7割くらいに端折られています。エッセンス部分は残して映画のためにほんの少しだけ追記した感じ。しかしながら原作を読んだ者からすると、ちょっと物足りない感じがしました。ちなみに原作のあき子さんは、映画以上にカッコ悪いし、後悔が半端ない感じですよ。日高先生の印象は変わらないですけどね。
最も印象に残ったのは先生の死後、お弟子さん達が集まって先生を偲ぶところかな。今ちゃんへの、そして全員への最後の言葉が「描け」。先生らしいなと皆、思ったでしょうね。
それとあき子さんの後悔の象徴、先生が残していった高級焼酎。あれを思い出すといつでも辛くなるやろうと思います。ホンマ詰まらないことで人生に数回しかないような機会を逃したと。先生を笑顔にできる機会を永遠に失ってしまったんやなと。時は戻せない。切ないね。
出演者の皆さん、宮崎弁でがんばっておられました。大泉さん、永野さん...みなさん、お疲れ様です。
★追記
色々書いてるとレミオロメンの3月9日を思い出した。日高先生の存在や「描け」の言葉は、あき子さんを強くしてくれたのでしょうか。そういう人と出会えることは幸せだと思います。でも、それは自分が年を取り、先生を喪ってから初めてわかる。切ないものです。
原作者が脚本を担当している安心感
原作者の東村アキコさんが、脚本も担当しており安心して楽しめます。全体的に原作よりライトな印象を受けますが、先生との想い出のシーンはちゃんと泣かせてくれます。宮崎県への愛情も感じられました。
最後の方は主人公の心象描写が多くなり、原作と乖離しますが、永野芽郁さんが長尺で大画面に映し出されるシーンは見応えがありました。
全339件中、81~100件目を表示
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