「スパイス」映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
スパイス
天カス学園以降、調子を落としてしまったクレしん映画。
昨年は個人的にクレしん映画ワーストだと思えるくらい酷かったので、今作でなんとか巻き返してくれと願いながら鑑賞。
不安をよそに面白くなっていて安心しました。
ボーちゃんにスポットを当てたという点でも画期的でしたし、友情というところを強く押し出しているのもあって感動よりも熱狂が勝つという近年では珍しいスタイルの映画でした。
ボーちゃんと暴君を掛けたネタからここまで広げられるのはうえのさん脚本のパワーを味わえたなと思いました。
不思議な紙に吸い寄せられたボーちゃんが力を手にして、己の私利私欲を全解放してしまうのを防ぐために野原一家とカスカベ防衛隊がファイヤーするというシンプルな感じで進んでいきます。
ボーちゃんがめちゃくちゃ流暢に喋り出す話って今までもあまり無かったのでやっぱしインパクトは強烈でした。
固定観念ってやつをぶち壊す勢いで突き進んでいくボーちゃんに困惑しつつも、裏テーマ的にあった自分らしさというのを揺さぶりながらのストーリーは面白かったです。
今作は完全にインド映画に寄った作品になっており、要所要所に「RRR」をはじめとしたこれぞインド映画モチーフなシーンが多くあったり、ミュージカルシーンもたくさん盛り込んでいました。
「オラはにんきもの」のインドミュージカルverが見れたのはめっちゃ嬉しくて、こうやって過去のOPが流れるってのもいいなと思いました。
中の人繋がりでトップガンのテーマソングがこんにちはしてきたのは熱烈パロディで良かったです。
ただインド映画に寄せすぎてクレしん映画らしさは若干薄くなっていたなとは思いました。
やっぱ独自のジャンルを開拓してきたシリーズなので、そこが薄れてしまうのはちと悲しい気も。
しんちゃん映画よろしく、全言語を網羅するエージェントコンビにテクノロジー駆使しまくりハイパー金持ちに、ジャパニーズアニメ大好きアイドルと色んな人物がミックスしながら登場してきながら渋滞していないのもお見事でした。
エージェントはええ声の2人がしっかりふざけ倒してくれるので見応え十分です。
山ちゃんの名前連発はいかつすぎました笑
普段あまり見ないコンビで進んでいくというのも今作の面白さに繋がっており、ネネちゃんと風間くんのタッグやシロとマサオくんのタッグ(こちらは完全にコメディ)、波長の合うという面でのしんちゃんとボーちゃんの組み合わせも良い意味で意外性ありまくりで良かったです。
ラストバトルは熱い展開になっており、ここまで戦ってきた全員で立ち向かい、あなたもあなたも参戦するんですか!?ってくらい集結してくれるので絵面的にも楽しいですし、こうゆうのを求めてたんだ!という期待にバッチリ応えてくれました。
テイストとしてはインド映画なので、そこが受け付けない人だったりは苦手かもしれませんが、あいにく当方インド映画大好き人間なのでキャッキャ笑いながら観れました。
ギャグの切れ味も前作が鈍すぎたのもありますがキレッキレで言葉遊びもふんだんに盛り込まれていたりとでとても良きでした。
来年は妖怪ということで3年連続で既存のジャンルとしんちゃんのミックスという事で、今年はなんとか軌道修正できましたが来年はどうなるのか、そこんとこに期待しながら来年を待ちます。
鑑賞日 8/11
鑑賞時間 18:15〜20:10
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。
