「『ニッポン』という国が見ている幻影」木の上の軍隊 ノーキッキングさんの映画レビュー(感想・評価)
『ニッポン』という国が見ている幻影
恥ずかしながら帰ってまいりました!
終戦を信じられず(知っていた⁉)グァム島のジャングルで28年間、暮していた残留兵、横井庄一氏の帰国第一声である。彼を迎い入れるニッポンという国は、彼にそう
“言わせた!“
太平洋戦争の南方戦では、日本軍の人肉食話が多く報告されたが、本作はその範疇ではない。時折、堤真一のコメディタッチも、のぞかせながら重くならず観られる。
弱っている上官•山下(堤)を救おうと、大和煮カンヅメの缶に“敵製品“を入れ替えて食べ続けさせていた安慶名(山田)、それに気づいた山下は、ふいに拳銃を安慶名に突き付けつけたりするが、米軍の宴会騒ぎを目撃し、彼等が去ったあとの残飯に飛びついて飽食する。物語は、上官•山下の精神的支柱である軍人勅諭の“かたくなさ“が氷解してゆく過程を丁寧に描いていて、堤真一はさすがの演技!
樹上の2人の会話は、もはや、戦時中という現実世界を離れ、次第に角が取れて、にんげん対にんげんの禅問答の様相を帯びることさえあるが、時には、大声で“キレ”て、胸の裡を吐露し、心の平衡をなんとか保とうとする。
だが、あの手紙によって終戦を知らされ、目的を失って愕然とする。自分達の時間はなんだったのか?もう、敵は去った。空虚さは埋めようもない。全編通じて上手いと思ったが、この辺の山田裕貴は絶妙!
安慶名に自分の息子を重ねていた上官、またヨナミネの幻影を多く見てきた安慶名、2人は手を取り合って帰ろうと言う。
この映画は沖縄戦の悲劇を十全に伝えるものではない!
しかし、堤真一、山田裕貴の演技は素晴らしかった。
こんにち、世界がまた、分断及び右傾化の流れに拍車をかけ、紛争も常態化しているなか、本作をこの時期公開の季節性のものと侮ってはならないと思った。
共感&コメントありがとうございました。
山田君は顔立ちも沖縄の人と違和感ないし、素晴らしかったですね。
缶詰を前にすると、しばらくこの映画が頭に浮かびそうです。
ノーキッキング様
共感、ありがとうございます。お邪魔します。
>こんにち、世界がまた、分断及び右傾化の流れに拍車をかけ、紛争も常態化しているなか、本作をこの時期公開の季節性のものと侮ってはならないと思った。
同感です。なんでそうなってしまうのか、1対1ならまだ何とかなるものが、集団、国家と大きくなってゆくと歯止めがきかなくなってしまうような気がします…。
赤ヒゲでした。
井上ひさしと言えば、「吉里吉里人」を書いた人だ、くらいしか頭に浮かびませんでしたが、「ひょこりひょうたん島」の脚本を書いていたんですか。主題歌は有名ですよね。キムタクが歌っていたのは知りませんが、『みんなのうた』でモーニング娘が歌っていました。リアル視聴世代でなくても、NHKをそこそこ観る人と、テレビ大好き世代なら、結構知ってますよね。懐かしの主題歌大集合とかの番組が結構ありましたから。
(あの方は、私も最初60代後半位の人かと思いました、最初だけですよ)
コメントありがとうございます。
名前呼びイベントは友情ものなんかでは定番ですが、本作ではより大きな意味がありましたね。
2人とも、装備と一緒に色々なものを脱ぎ捨てた、という演出も明確でよかったです。
当事者意識を消すのが戦争教育だと思いますね。敵は自分たちとは違う、だから手にかけても気にしなくて良い、政治家は自ら従軍する覚悟在るんですかね、後方に居るんじゃなくて。買った武器を使う必要ない立場ですからね。
この二人は皆が下りたのに最後迄当事者で居続けたとも言えますかね。
堤真一の山下少尉が、筋金入りの帝国軍人でかつ、近所にいそうなおやじで、とても「現物感」がありました。なるほど、実物の帝国軍人はこういう感じで存在していたのか、と思いました。
「兵隊やくざ」は、小学生のころ土曜日の昼間に父親がテレビで見ていたのを一緒に観て、あまりにも面白くて新聞のラテ欄のなんとか映画劇場をチェックしては観ていました。勝新の大宮が、狂暴なんだけど愛嬌があってかわいいんですよね。
コメントありがとうございました。山田さん、とても良かったですね。もともとスラっとした人ですが、本作では足がすごく細かったから、体重を落としたのかもしれないと思いました。飄々としているけど実は努力家、という印象を私は持っています。
私はこの方たちのことは知りませんでしたが、ちょっと詰め込み過ぎ感ありましたよね。
こういう作品にして柔らかい方の人間味があったのはとても良かったです。
初日舞台挨拶の動画を見て、山田裕貴さんが涙をながしていて、この作品への思い入れを感じることができました。山田裕貴さんの演技はネクストステージに向かっている気がします。
コメントありがとうございます。2人の距離感が少しずつだけど近くなって、でも教官としての使命感が強くて、ほんのちょっとでも弱さを見せてしまったら恐怖で平常心を保てないでしょうね、そのあたりもよく表現されてて良かったです、
共感・コメントありがとうございます!
「おい、太宰」でもそうでしたが、少ないキャストで小さな空間を使った演劇のような映画が、コスパが良いのでこれから増えてくると思います。
コメント有難うございます。けれども
”井上ひさしと言えば『ひょっこりひょうたん島』ですよね~。”
と言われても。私は、これ、年代的に知りません。『ひょっこりひょうたん島』ってNHKの昔の人形劇ですか???
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