「オカルト誌の記者ってタフだなぁ…」近畿地方のある場所について U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
オカルト誌の記者ってタフだなぁ…
石が出てくるまでは面白かった。
序盤から不穏な空気が漂っていて、ドキッじゃなくてゾクゾクする。
ショッキングな映像やエピソードがふんだんに挿入されているが、全ての伏線を回収したかと言えばそうでもないような気がしてる。
編集長の失踪後のエピソードなんかまさにそうで、あの状態が消化できない。彼的には真相に近い確信を得た状態なのかもしれないけれど不可解なのである。
片目が抉られてる状態で、半狂乱で獣じみた妻がいる。
この状態は何とリンクするのだろうか?
にしても、オカルト雑誌の記者はタフだなぁ。
目の前で人が2人も死んでるのに、取材優先だ。倫理観を置き去りにせねばやってられないのだろうか?
1人は飛び降り自殺で、1人は自ら顔を串刺しにする。
…とりあえず通報なんじゃなかろうか?証拠のビデオもあるわけだから。
この前後くらいからなんだかズレてくる。
振り返ってみると、首吊りにまつわる呪符と石関連の話は接点がないようにも思う。
赤い服の女性が母親で、あの呪符の起点だとしたら、彼女とまさる石の接点が薄い。どこかであの宗教と結びついてあの呪符が形成されたのだろうか?
猿を「ましら」とも言うし、昔話を紐解くと恐ろしい真実に辿り着くなんて事も小説のネタになってたりもするから、まさるが人ではなく、山猿の妖怪が正体であったとしてもあの造形の意図が見えてもこずで…転がる柿は何とリンクしてたのだろうか?
身代わりが必要って伏線はあるものの、まさる石の話には生贄の話は出てこない。亡くなった母の代わりに嫁をもらえと至極当然な話が展開される。
なんせ色々と好奇心をくすぐられるエピソードが石以前には展開されるはする…。
物語中、「了」が先だっけど、本来は「女」が先にあって、それがまさるの呪符で、あの宗教の札みたいなもので、あの赤い服の母親が「了」と書き換えたとか…で、首吊りの家の少年も赤い服の母親も、実はまさる石に願いを請うた犠牲者で、生者になんとかメッセージを伝えようとしてたとか…じゃあ商店街の失踪した家族は何を願っていたのだろうか?とか。落とし所が定まらない感じ。
え?考察系オカルトみたいなジャンルなの?
「見つけてくれてありがとう」は誰の言葉だったんだろうか?まさるなんだろうけど、その意図がリンクしないようにも思う。
そもそもまさると首吊りは接点がないとして、流布された後、大衆によって変貌し融合し、より強固で凶悪な呪詛となるみたいな…人は潜在的に恐怖を求めるなんていう哲学的な裏テーマがあったりするのかしら?怪異を生み出しているのは他でもない自分達なんだよ的な。タイトルも想像力を掻き立てられるような物だしなあ。
いや、3つなのかな?
まさる石と首吊りの家と赤い服の女。
…そんな訳ないなw
瀬野は取材の中で石の真相に気がついたのだろうなぁ。
赤い服の母親が撥ねられたのには驚いたわ。実体が出来る程の思念体って事ですか?
で、まぁ、明らかにこの世ざらなる者達と遭遇してるのに邁進する記者2人。瀬野の落とし所はあるものの、小沢君、君はとても有能で優秀な記者なのだろうなぁ。
彼らの行いは「好奇心は猫を殺すか?」へのアンサーのようだ。
そう思えば、劇中に瀬野が口にする「このネタはヤバ過ぎる。手を引くなら今だよ」という言葉が怖い。
つまり…
記事になるようなものはその程度のものなのだ。実際は、胆力があり、超常現象に慣れっこな記者達でさえ「まずい」と尻込みするネタがあるという事でもある。
…お蔵入りしているネタが1番怖いのだろうなぁ。
ラストもなんか理解に苦しむなぁ。
SNSというツールを使って、マサルの映像を流す。おそらく人の好奇心は煽れるだろう。
炎上を狙い、第2第3の生贄を量産する目論みなのだろうと思う。自分の息子を元通りに戻すには足りないのであろうな。
こんな考察で良かったですかね?
なんかもって違う展開と結末になって欲しかったと、前半が良かっただけに思えた作品だった。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。