「予想を上回ってきた」#真相をお話しします Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
予想を上回ってきた
原作は読んでないんだけど、ビミョーそうな雰囲気だったんだよね。
なので映像化されるなら、それで把握しようと思って観たの。
ハードル下げてたから「まあ、こんなもんかな」と思いながら観てたんだけど、ラストまでいったときにね、なんかハードル下げてたし良いかと思ってたところも下回ってきたね。
すごいよ。予想以上にダメだった。こんなの初めて。
テーマは同意なの。
少し前にさ、ドラマ脚本を自ら書いた漫画の原作者が、色々あって炎上してしまって、自ら命を絶ってしまったことがあったよね。
あれの一番悪いのは誰かっていうと、脚本家でもテレビ局でも出版社でもなくて、ネットで炎上させた奴らなんだよね。だからテーマは同意なの。
でも、そのテーマを描くのに、この題材はどうなのかな。
それでメインの話に入るまでに『真相をお話します』を三本やるんだけど、これ、いる?
しかも、そのどれもが大した話じゃないんだよね。
ようやくメインの話題に入って、ウダウダやった後で「お前らを当事者にする」「ルーを殺すかお前らの個人情報を晒すかを選べ」ってやるんだけど、こんなの「ルーを殺す」の一択でしょ。
そういう無責任な奴らが楽しんで観てるのが「真相をお話します」なんだよね。当事者になるほど引きずり出せてる感じがしないんだけど。
ここは、長いことネットやってると「ネットの匿名性」なんて絵空事だなと思えてきて、仮に本名がさらされても問題ない発言しかしなくなってくんだよね。だから「さらされちゃうの!? どうしよう」という感覚が自分にはなかったから、余計に空振り感があったのかも。
主演はMrs. GREEN APPLE ボーカルの大森さんなんだけど、なんか、演技いけてなかったよね。菊池風磨もうまいわけではないと思うんだけど、むしろ菊池風磨がうまくみえたもん。
だから岡山天音も本気で演技するわけにいかなくて可哀想だった。
なんでそんな作品に桜井ユキ、中条あやみ、栁俊太郎、伊藤健太郎、伊藤英明、福本莉子って、まあまあ演技うまい人を集めたんだよ。
そしてラスト。
『あなたは、どうする?』とスクリーンの向こう側に問いかけて終わりにするんだけど、これは最悪だと思ったな。
「ルーを殺すか個人情報を晒すか、そんな究極の二択選べないよ」って感じで観てたら問い掛けられて固まると思うけど、そういう感じじゃなかったしね。
投票の結果、ルーを殺すが圧倒的多数で、本当に殺すところまでやって欲しかったね。
それで「ルーを殺したのはお前らだ!」って言って欲しかった。
そんなわけなくて、大森くんと岡山天音が殺したんだよ。他人のせいにすんなよお前らってことが明らかになったと思うから。このテーマに対して、この問い掛けが機能してないことがハッキリするから。
たぶんこの作品、原作も今ひとつで、脚色もいけてなくて、キャスティングにミスがあって、いいところがないんだよね。
そんなわけで久しぶりに「観なくても良かったな」と思った一本でした。
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