Playground 校庭のレビュー・感想・評価
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居場所
小学校に入学し、いじめられるお兄ちゃんをみて心を痛める妹の話。
校門でお兄ちゃんや送ってきたパパと別れるだけで寂しくて不安で泣いちゃうノラから始まり、可愛らしくも微笑ましいのだけれど、何より演技力に驚嘆。
ホント海外の子役のレベルの高さは凄いよね。
そんなノラにも友達が出来て明るくなっていく姿をみせつつ、アベルのやられっぷりが加速していき、それをみるノラをみさせられて、どちらの気持ちもわかるモヤモヤっぷりが堪らない。
かなり堂々とイジメが横行しているのに、教師も監視員もポンコツ過ぎるけど。
小さな世界のことだけれど、彼らにしたら相当大きな話しだし、アベルではなくノラが主人公で、その機微と成長をみせるというのがお見事だった。
大人の階段を上る…とは、こんなにも残酷なものなのか
アカデミー賞あげたい
短編ドキュメンタリー風
ある兄妹が小学校で体験するいじめを、ドキュメンタリータッチで撮影した作品。
米映画でティーンのスクールカーストものの映画はよくありますが、ヨーロッパ映画で小学校低学年(たぶん)を主人公にしたものは珍しいと思って鑑賞。
徹頭徹尾、子供目線のローアングルで撮られた映像は学校の閉塞感と、不穏な空気が感じられてgood。校内の喧騒もリアル。
いじめはあんな風にさしたる理由もなく、些細なきっかけで起こるものです。
男子の虐めは暴力で、女子のいじめは仲間はずれ、はどこの国も一緒ですね。
外国の映画を観る楽しみのひとつに異文化を知ることがあるのですが、子供たちが「だるまさんがころんだ」にそっくりな遊びをやっていて、世界共通なんだと。
あと、休み時間に校庭で遊ぶ子供たちを見守るのは教師ではなく「監視員さん」と呼ばれる、それ専門に雇われている人がたった一人。教師も休み時間をしっかりとる、ってことなんでしょうが(労働環境にうるさいヨーロッパらしい)目が行き届かないし(案の定いじめが起こる)、親は不安しかないなと思いました。
原題は「un monde」(世界、世の中、社会)。
子供にとっての社会は狭い学校の中が全てで、その中で生き抜くしかない、というぞっとする感覚を久しぶりに味わえました。
カメラワークの妙
ある意味、「心理的ホラー作品」だ
ノラの行動力
公式様よりご招待いただきました。
ありがとうございます。
いじめだけがテーマとなっているわけではなく、
人と社会のコミュニティから
外されるつらさも繊細に描いていました。
カースト制度や差別についても。
学校という場所に対して
不安な気持ちを抱えていたあの頃…。
子供の頃に感じていた感覚が蘇りました。
些細なことがきっかけで
仲間はずれにされ、いじめを受ける。
場合によっては加害者にもなってしまう。
このグラデーションの描写に緊迫感あり。
最終的には希望が見えた作品でした。
いじめの理由や暴力の直接的な描写はなく、
観客の想像に委ねられます。
子供には見えて大人には見えていない。
大人の愚かさが露骨に表現されていました。
ノラ視点でのカメラワークは
言うまでもなく素晴らしいものでした。
不安や、少しずつ視野が広くなる様子は
ピントを利用。カメラ手法がお見事です。
また、演じる子供たちが
トラウマにならないように
ワークショップにて絵や人形を使って
伝えたという監督の配慮に感服しました。
本日は貴重な機会をありがとうございました。
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