劇場公開日 2025年3月7日

Playground 校庭のレビュー・感想・評価

全61件中、1~20件目を表示

4.0目隠し鬼の記憶

2025年4月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 突然の喧騒に、すっと引き込まれる。校門前で登校を渋る女の子・ノラとのやり取りに、親の顔は登場しない。不安げな彼女が顔を寄せる、たるんだお腹が大写しされるだけ。性別さえも分からない。その後も、子どもの視線で物語は進む。大人はほとんど登場しない。声が上の方から振ってくるばかりで、かがむか座るかして視線を落としたときだけ、彼らはふっと現れる。子どもの世界で、大人は単なる遠景、もしくは脇役。絡まっていく事態をほどくことは、とても期待できないのだ。大人の非力に気づき、絶望した子どもの、孤独なたたかいが始まる。
 友だちがふえ、彩りを得ていく妹・ノラと反比例するかのように、兄・アベルはいじめのターゲットととなり、追い詰められていく。そして、順調に見えたノラにも新たな影が…。
 めまぐるしく、容赦ないパワーゲームに気を取られながらも、ノラの友人たちのおしゃべりがちくりちくりと胸に刺さった。「サッカーやる子は差別主義者」、「差別主義者は自分が一番な人たち」、「無職者は怠け者」となどという短絡的な価値観を、彼女たちはどこで得たのか。無神経な大人の言葉が、子どもに取り込まれ、暴力性をあらわにしていくさまが生々しい。
 共に遊び、笑い合える瞬間がきらきらとするほどに、これがいつまで続くのかと、不安がよぎる。中盤、目隠し鬼のシーンが印象的だった。鮮やかな青い布ですっぽりと顔を覆い、ぐるぐると回り、歓声の中で手探りするノラは、目隠しを外すのが少し怖かったのではないか。子どもの遊びには、目をつぶったり目隠ししたりと視覚を奪われるがものが色々ある。そういった遊びは少し非日常でワクワクするけれど、ちょっとした怖さもある。目を開いたとき、周りはどうなっているのか、目の前に広がる世界が様変わりしていないか、自分だけ取り残されていないか…。そんなひんやりとした記憶が、ふっと蘇った。
 ラスト、ノラが選んだ必死の行動は、ささやかな光だ。すさみかけた、観る者の心を温めてくれた。けれども、解決とは言えない。問題は、そこからだ。もし、大人が彼女と同じ行動を取ったら、どうなるだろう。そもそも、同じ行動を取れる大人は、どのくらいいるだろう? だからこそ、必死のバトンを受け取れる大人になりたい。ほろ苦さを噛み締めながら、そう思った。

(追記: ほとんど情報なく劇場に駆け込んだので、鑑賞後に、ちらしを改めて手に取った。フランスではなく、ベルギー作品だったのか。ベルギーと言えば…と思ったら、ローラ・ワンデル監督の次回作は、ダルデンヌ兄弟が製作に加わるとのことだった。納得。期待!)

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cma

4.0不安・恐怖・成長の追体験に誘う“子供の情景”

2025年3月9日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

被写界深度をごく浅く設定したカメラで撮影した映像が特徴的。主人公の7歳の少女ノラの目線の高さにカメラを合わせ、ノラの表情や彼女が見る対象をフォーカスが丁寧に追い、それに伴い周囲の視界がボケる。本作が長編デビューとなるベルギーのローラ・ワンデル監督の狙いは、ノラが目にする世界を観客に体感させること。それはすなわち、誰もが通ってきた幼少期の、幼稚園や小学校に入り見知らぬ大勢の中に放り込まれたときに感じる不安や恐怖を追体験させることでもある。幼い頃は余裕がなく、身の回りの見える範囲が“世界のすべて”だったことを思い出させる。フランス語の原題「Un monde」の意味はずばり「世界」だ。

冒頭からノラは心細くて泣いている。コミュニケーションが苦手のようで、仲間外れなどの軽いいじめにあう。だがより深刻なのは3歳上の兄アベルのほうで、心身のダメージを伴う攻撃を数人から受けている。大好きな兄が校庭や校舎内でいじめられているのを目撃したノラは、なんとか兄の力になろうとするのだが……。

演技を感じさせない子供たちの自然な表情と言葉(もちろん監督の演出の賜物でもあるだろう)が、ドキュメンタリーを観ている錯覚さえ起こさせる。多少なりとも人付き合いに苦手意識がある人、新しい集団に馴染むのに苦労した経験がある人なら、ノラの心情にきっと共感するはず。そして、泣き虫だった彼女がつらく苦しい体験を経て成長する姿に、不安や孤独を克服した幼い自分を思い出して重ねるに違いない。

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高森 郁哉

3.5眩しすぎるほどに暗い

2025年8月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

人格形成の段階。なんて言うが実際は人なんて一度でも人生を諦めたら、それが小学生の時であろうと決定的に人格は変わるし以前の自分と比べると文字通り"終わって"しまう。それが人生や一般常識から見た時の善し悪しは視点によって変わるが、元に戻ることは決してない。悪人が更生しても幼少期の善人に戻るわけではない、悪人を経験した善人があるだけだ。もっとも善悪なんてものがそもそも在るのかは置いておくとして、この映画はその心、人格が移り変わる瞬間をできるだけ映画に収めよう、再現しようとしていたように思う。現実ではないがフィクションとは言い切れない、あまりにも現実的で現実世界を濃縮して72分にしたような映画だった。

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ezio

3.0兄妹の演技がすごい……けど

2025年8月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

これもまた…
子どもの世界はこうだよね。自分も通ってきた道。
だからこそアベルの判断が自分には全くない発想過ぎて理解に苦しむ。

自分が虐められる▶親介入▶ヤラれる側に戻りたくないから加害者になる

え?なんで?
ヤるかヤラレるかしかないの?
あれだけ人がいてなんでそのグループの人としか居られないの??

自分の過去を振り返る。
心ない女の子からの突然の御達し→「今かららまちゃんと口聞いた人は絶交ね」→自分の身に降りかかる女子グループからの完全無視。もちろん身に覚えはない。
そりゃされていい気分はしないけど、初めてされたときは悩んだけど、理由もないのにきまぐれに繰り返されてたら、そのうちに振り回されるのが馬鹿馬鹿しくなってきて自分の方から試合を降りた(?)とでもいうのかな。おかげでそれまで挨拶くらいしかしなかった子とも仲良くなれた。

この映画のアベルのような目に今、現実で遭ってる子からしてみたら辛いし、綺麗事言うなーって感じだとは思うけど、「このままこの人達と付き合っていかなきゃならない」という自分を縛っている呪縛みたいなものを解いてから考え直してみてほしいなー。

ノラの癇癪はさらにあたしには完全理解不能。

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らまんば

3.5なぜ、なぜ、なぜ、の連続

2025年7月14日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

知的

7歳の内気な少女ノラは3歳上の兄アベルが通う小学校に入学したが、なかなか友だちができず校内に居場所がなかった。ある日、兄が大柄な少年にいじめられている現場を目撃しショックを受けたノラは大好きな兄を助けたいと思ったが、兄から、イジメがひどくなるから黙っておけ、と言われてしまった。その後も兄へのいじめは繰り返され、トイレに顔をつけられたり、校庭の大きなゴミ箱へ入れられたりと兄へのイジメはエスカレートしていった。せっかく出来た友だちからも、臭い兄が居ると仲間はずれにされて再びひとりぼっちになったノラは、ある日、校庭で兄が黒人の子をいじめてる姿を目撃しショックを受けた。そして・・・そんな話。

ベルギー作品、という事で、フランス語かな?オランダ語かな、なんて思ってたら、フランス語だった。
ずっとノラ目線でのカメラワークが彼女の気持ちに入れる様になっててとても良かった。唯一、平均台のシーンだけ下からだったので、あのシーンもカメラをノラ目線まで上げて欲しかった。
なぜ母が居ないのか、なぜ父は仕事をしていないのか、兄がいじめられる様になったのはなぜ、など、いくつもなぜが有るが、ノラ目線だとわからない事も多い、という事なのかも。
ベルギーの小学校には監視員という人がいるんだと知れたのは良かった。
ノラ役のマヤ・バンダービークが目力が有って涙を流すシーンなども素晴らしかった。しいてあげれば、笑顔のシーンも見たかったかな。

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りあの

4.0いじめの連鎖

2025年5月5日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

難しい

子役の子の演技が上手かった。
リアルに起きている校内いじめと、教員監視員の無関心さ。人数不足。

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たー

4.0ある意味ホラー映画より怖い😱

2025年4月29日
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ひでちゃぴん

3.5【学校は社会の縮図って言うけれど、大人社会より厳しくないかい?けれども、そこで社会性を学ぶんじゃないかな。あとは、苛めが酷い時には逃げる(転校)ことも恥ずかしい事じゃないと思うな。】

2025年4月28日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

幸せ

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NOBU

3.5まるで刑務所みたい!?

2025年4月27日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

大人になる為、社会に出る為に、、、みたいな、もう最初から嫌なんだよ、学校も、することやること、兄から離れること、全てが。

大人になったら我慢しなきゃならないことばかり、子供の頃から教養を、でも大人になって過酷なら子供のうちは嫌な事から逃げても良いんじゃ??

ノラの不安げな表情から徐々に逞しい姿が、でも安心する事はできない、別れる先生に絵をプレゼントする健気なノラ、でも絵にカメラは向かないし、全てはどうすることもできないノラを映すだけ、学校だけの生活を描き、家庭での生活の場面は一切無く、校庭で遊ぶ集団の雰囲気からも刑務所に見えて来て!?

兄弟で抱き合う、う〜ん、その終わり方は、腑に落ちなかった。。。

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万年 東一

4.0子供にとって学校がすべて

2025年4月24日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

前情報無しで鑑賞しました。
まず子役の演技力が秀悦で、特にノラ役の子の自然な仕草と表情に引き込まれました。
また映像が子供目線で撮影されていて、実際子供の頃って目線低くて、周りがほとんど見えてなかったなぁと思い出しました。
肝心なストーリーはHPあらすじに書いてある通りですが、上記表現がとても良かった為、リアルにノラの不安と恐怖感が伝わってきて、途中から観るのが辛くなりました。
作品としてのクオリティはとても高いと思いますが、見た後辛くなるので私はもう観れないと思います…(汗)

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イケ大

5.0ラスト5秒で涙腺崩壊

2025年4月20日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

ドキドキ

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hayato

3.5タイトルなし(ネタバレ)

2025年4月19日
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りゃんひさ

5.0痛いほどわかる

2025年4月17日
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自分の小学校の頃の出来事を思い出しました。
集団に入る事の恐怖感。
良くわかりました。
そして、いじめる方もされる方も
問題を抱えている事。
担任の先生によって、こんなにも
子どもの心が、揺さぶられる
すごくリアルに描いてました。
ラストも良かった!

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Billy

4.0閉塞感の連続

2025年4月11日
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子供の世界や視野の狭さを巧みに表現した映像で、引き込まれました。とてもリアル。

いじめを扱った作品は多くありますが、妹目線で妹の心情を中心に描いているのが興味深いです。そして、この妹役の演技が素晴らしい。セリフが無くても、胸の内が痛いほど伝わってきました。正直、最初は男の子だと思っていました。

どんなふうに締めくくるのかとても興味がありましたが、結末も含めてとても良かったです。まだ幼い妹の立場でできる、精一杯の行動だったと思います。

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SING SING

3.5こどものゆらぎ

2025年4月9日
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hkr21

5.0弱肉強食

Mさん
2025年4月9日
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今や世界中がそんな世界になってきてる気がする。
自分の子どもを小学校に入れるのが怖くなる。

追記
世の中には一定数、息をするように人をいじめる人がいる。そんな子の親も似たような人格のことが多いので、なかなか自分達でいじめを解決するのは難しい。
しかも、いじめは連鎖するので、いじめがあるような組織に馴染む努力をするより、そんな組織からは逃げた方がいいのかもしれない。

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M

2.5タイトルなし

2025年3月30日
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悲しい

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Mr. Planty

4.0自分に置き換えて観た

2025年3月30日
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悲しい

難しい

10代の自分思い出す映画

いじめ問題は万国共通なんだと思い知らされる

ただ

ハグする瞬間のシーンが唯一の安らぎだ

短編映画だけど
2時間映画観たくらいな感覚になる

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アプソ

4.5子供たちを主人公にした大人に向けた作品。

2025年3月29日
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子供の世界。そこに大人は介入することもできなければ求められてもいない世界。
子供達の中での生存競争に、どんな子供たちも避けて通ることはできず、絡め取られていく。そこは慈しみや情けなど微塵もない残酷な世界。
そんな小さく濃密な世界の中でも暗闇を照らす蝋燭の炎のような、儚くか細い愛が存在し、深い傷をゆっくりと浄化する。
国境や民族、宗教など関係ない、すべての大人に向けた作品であることは間違いない。
劇場を後にしてから涙が溢れた。

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ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。

4.0きっと、大人は判ってくれない。

2025年3月27日
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Mr.C.B.2
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