雪風 YUKIKAZEのレビュー・感想・評価
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連合艦隊の最後
海軍記者として活躍された伊藤正徳氏は著書「連合艦隊の最後」の冒頭「250余隻、百六万トンの連合艦隊が出撃し、戦い終わるや、戦艦0、重巡0、小型空母1,軽巡3,潜母1,特務2,駆逐艦30,潜水艦12,合計49隻しか残っていなかったという惨敗を、開戦の前後に何人が予想したであろうか」と述べている。
明治維新後必死に欧米先進国の後を追い、維新から70年後には大和、武蔵という約7万トン級の世界最強の軍艦を有する連合艦隊を作り上げた大日本帝国。
本映画は駆逐艦「雪風」が参加したミッドウェー海戦、ソロモン海戦、マリアナ海戦、そして事実上連合艦隊の戦力が消滅したレイテ海戦、大和の海上特攻を描くことにより連合艦隊が失われていった歴史を描いている。
世界海戦史上空前絶後の大和の特攻作戦は伊藤整一第二艦隊司令長官が引き受けることになる。伊藤司令長官は駐米経験もある傑出した人物で大和の特攻には賛成ではなかったが、草鹿参謀長の「1億玉砕に先駆けて立派に死んでもらいたし」との最後通告を得て止む無く特攻作戦を率いる。(なお彼の息子も空の沖縄特攻で亡くなっている。)
明治維新以来血のにじむような努力で築いてきた大海軍は亡んだ。
しかし、戦後25年日本は力強い歩みを進めていることを示してこの映画は終わる。
雪風は日本を再建する次の世代の命を救ってきたのだった。
とても良かった。また観たいです。
戦争映画と言えば、何処まで忠実に史実に基づいて描かれているかとか特撮やCGなどの映像処理のクオリティはどうかとか目先の事を評価される方が少なくないと感じます。
勿論、それも大切な事ではあると思います。
ただ、最も大切な事は、純粋にそれを観てどう感じたかのか?という事ではないでしょうか?
第二次世界大戦末期の混乱の中で、雪風という駆逐艦が存在したという事実。艦長、先任伍長、を筆頭とした乗組員の思いと敵味方問わず救助活動を行ったという事実に、私は感銘を受けました。
命の重さはみんな同じです。混乱を極める状況の中でもそれを貫く意志の強さには頭が下がります。
「普通でいいな」と艦長が話した言葉は大切な事だと思います。争いの無い平和な世の中こそ目指す姿であり、今後もそうあらねばならない姿なのだと思います。
「普通である事の尊さ」に私達は気付かなければなりません。戦争を通して「普通である事の幸せ」をこの映画は気付かせてくれます。
再び同じ事が繰り返されない事を祈ります。
再編集できないですかね
皆さんのレビューが厳しかったので、覚悟の上で見てきたせいもあり、まあまあ楽しく鑑賞することができました。竹野内豊、玉木宏らベテラン俳優陣はとても良かったです。
皆様ご指摘の通り、万博とラストのお手振りは全てカットした方が良いかと思いました。むしろ駆逐艦雪風が主役なのだから賠償艦として中華民国に渡った後の記録を見せて欲しかったです。
戦後80年でメッセージを伝えたいなら、孫の世代を描いてもよかったのでは?
CGとクオリティとアップシーンの連続は予算の関係なのでしょうね。
題材として有意義なので、余計なシーンをカットして再編集できたら良いのにと、勝手ながら思った次第です
父母や祖父母世代への感謝の想いを再確認
戦争をエンタメと思っている方に
様々な方がラストシーンに【必要なし】とのご意見がございます。もしも、小説の行間を読むような深い知見で戦争映画を観るのならばカメラワークの単純さや、参謀たちの髪型や、CGの稚拙さなどは取るに足らないものと思います。それら些細なことに気が散る方は戦争をエンタメ視しておられるように思います。逆に本当の戦争に近づくと心が痛んでいくだけだと思いませんか?名もなき日本兵ではなく、だれかのひいおじいちゃんなのですから。制作側も意識されており、亡くなる先任伍長は架空の設定ですので心痛い方がいないようにされております。私はそうした心遣いに感銘を受けました。
ラストシーンで台無しとおっしゃられる方は、制作陣から見て【何も考えない人でも分かるようにしなければ】という配慮であると思います。
もしも、ラストシーンをカットしても映画をもって伝えたいことがしっかり伝わるならば、あのシーンは無かったと思います。
つまり見る側の質が下がっていると思われているということです。
私見ですが、あのラストシーンは要らないことには同意します。
末筆ですが、雪風の乗組員の証言はyoutubeにもありますので一度見てから劇場に行かれたほうが良いと思います。海に落ちた人は目と口だけが白く後は重油で真っ黒になっていたと証言しております。映画では語れない真実の重みがございます。できれば【葉隠れ】も一読されたら良いでしょう。武士道の理解に役立ちます。大東亜戦争の流れも理解しておかれた方がさらに良いです。
賛否両論、個人的には良かった
戦争映画としては甘口だが、それが良い。しかし・・
これはなかなかの佳作。
ことさらに悲惨さを強調しないので、幅広い層に進められるお気楽寄りの戦争映画かと思います。登場人物もみんないい人。戦争の悲哀を残酷な描写ではなく、人それぞれの覚悟で表現しているところが素晴らしいと感じましたし、役者さんの演技もそれに相応しい見応えのあるものでした。
また、私個人が嫌いな「対空機銃を撃つとき、やたらワーギャー叫ぶ」という、生死かけて集中してる時、人はそうはならんやろ演出がなかったことにも救われました。
本当は★4~4.5でもよかったんですが、気になった点はCGシーンがまあまあ手抜きなこと。どうせ大和とほとんどモデリング変わらないんだから、シブヤン海でチラッと武蔵の大破等を映せばインパクト稼げるしもっと栗田艦隊のギリギリ具合が演出できたのに、と思うのと、大和の沈没(?)シーンは突っ込みどころあり過ぎで笑ってしまいました。
あと最大の減点は、「永遠のゼロ」よろしく、なぜ最近の邦画は最後にああいう台無しのメタなシーンを入れないと気が済まないのでしょうか?言いたいことはわかります。しかしあれは本編内の演出や台詞でメッセージ性を伝えるべきもの・表現すべきもので、ドラマ作りの手法としては失格の禁じ手です。
せっかく後の世代に繋がるきれいなオチがついていたのに、もったいないです。
とはいえ、多少なりとも家族的雰囲気といわれた駆逐艦勤務の話でしたので嫌な人間関係もなく、アマプラで公開されたら暇なときにもう一度くらいは見ようかな?という気くらいにはさせてくれる内容でした。
制作陣(監督含む全員)は何を伝え、そして、それをどう伝えたかったのか
戦争を知らぬ、肌で戦場を感じたことがない、平和に溺れている23歳の社会人男。
そんな私が見た後、どう考え、どう結論を出し、最終的に評価を下した本作「雪風 YUKIKAZE」へのレビューとなる。
ただし、稚拙な文章となってしまう点、ご理解頂けたい。
1.見た後すぐ
悪くない映画ではあった。
戦後80年という節目の年に、こういったシンプルで、詳しくない人にも親切な戦争映画という点では悪くない映画だった。案の定、戦後80年という背景もあって、当時の戦争について考える時間はできたのだがら、そういった意味では成功してる映画ではないだろうか。
2.冷静になった時間
少し経って、適当な居酒屋で一杯の酒を飲んだ後、別の店へすぐに移動した。
今作についての考えに耽るには、賑わいのある居酒屋ではダメだった。
静かな店へ移動した後、適当に料理をつまみながら、考えに考え抜いた。
結果、一つ出た、やっと納得したワードが出てきた。
「まるで道徳の教科書を読んでる気分だった」
私がこのワードを思い浮かべる前に、そもそもの話、まず本作の評価の仕方を考えた。
一つは、戦後80年という節目であり、日本が歩んできた歴史的背景をかんがみて、本作に求められた、もしくは求めるべきことは何か。
二つは、一つ目に上げた戦後80年とか、そういう「色眼鏡」「背景を見ない」という視点で、純粋な映画として見た時はどうか。
まず一つ目の評価の仕方は簡単だった。
戦争とはなにか、当事者ではない私が戦争について考えるというのは何か、どういう意味があるのか。こういったことを私が考えた時点で、本作は大成功している、と言える。
少しだが、他のレビューを見た時、不満、疑問点?に唐突な死をよく挙げられていた。
個人的にだが、少し疑問である。
表現が些かおかしいかもしれないが、これが戦争というものではないのか。
唐突な死、理不尽な死、無慈悲な死。
これが戦争を構成し、誰しもが戦争を嫌う第一の理由ではないのか。
皆誰しも、死を恐れ、死にたくないと願うものではないのか。
だから戦争をしたくないのではないのか。
一つ目の評価の仕方で見た時、「唐突な死」は戦争をよく表していて、普段戦争について触れもしない層が、最も戦争について衝撃を受ける描写ではないのか。
戦争について、最も分かりやすい描写ではないのか。
「戦争はこうもあっさり人が死ぬんだぞ」という、制作陣の意図を汲み取る必要があるのではないのか。
もっと書こうか。
「たった一機の戦闘機のパイロットの気分次第で、もしくはパイロットがその気になれば、搭載された機関砲、機銃、もしくはロケット、爆弾で、君の隣にいた戦友、友人、家族、上司、先輩、恋人、ありとあらゆる日常に生きる生命を簡単に、一瞬で奪うことができる」
これが戦争だ、人殺しの兵器が大活躍するのだから。
さて、色眼鏡たっぷりの評価を下した。
二つ目の評価の仕方に移る。
映画として純粋に見た時、全体的に説明口調すぎる。
一つ一つのセリフを取っても、なんだが、台本をそのまんま読み聞かせてもらっているだけで、何の感情も感性も芽生えない。
これは演技が悪いとか、そういう意味ではなく、セリフが臭すぎる。
臭すぎるというのは、あまりにも「媚びてる」「まるで日本が全く悪くないように」という点である。
先に上げた「まるで道徳の教科書を読んでる気分だった」というのは、主にこういった点を指している。
事実を淡々と描写、描くのではなく、若干盛っているのではないかと感じられずにはいられない。
節々から感じられる「お涙頂戴」「戦争はこういうもの」「日本が世界相手に戦争をしていた事実」を、なんか見せつけられているようで、もう本当に不快でしょうがなかった。
勿論これは、冷静になった後、評価を下していく段階で生まれた思考である。
しかし、一瞬で死ぬ、という描写を見た時、ほんのわずかだが、あの戦闘機に恨みを抱いた。これが戦争というものかと思うのと同時に、自分が気持ち悪くてしょうがなかった。
さて、ここまで長々と書いたが、最終的な評価を下したい。
ここでは、星なしとさせていただく。
というのも、本作は評価するとか、そういう次元に存在してはいけない気がするのだ。
これは神格化とか、そういう意味ではない。
戦争を題材にした以上、本作に低評価をつけるのは「あの戦争」を否定している気がして、凄く気分が悪いからだ。
純粋な映画として見た時の評価は、無論星2くらいが妥当である。
しかし、戦後80年というワードが重くのしかかり、どうしてもその評価を下せない。
ここまでレビューを読んで頂いて感謝する。
最後に一言だけ、添えさせていただきたい。
「気持ちで映画を作っちゃいけない」
いい映画なのでぜひ1度見てほしい
観た方が良い映画とは思うが………
38隻をあった駆逐艦の内、たった一隻のみ太平洋戦争を生き残った「幸運艦」と呼ばれた「雪風」。子どもの頃は、旧日本海軍の艦船にかっこいいと思って、プラモデルを作って楽しみ、今も、艦船ゲームにはまっている。戦争映画を多数観てきて、今回も「木の上の軍隊」を観たあと、続けてこの映画を観ました。望まなくても、徴兵され、否応なく戦場に放り込まれる時代。その中でどう生きるのかが問われる。軍隊は命令が絶対で理不尽でも従わざるを得ない。それでも人間性を失わない生き方を可能な限り貫いたのが雪風の艦長以下の乗員だったのだと思った。戦後10、20年後の日本が普通がいいなと答えた艦長の返答が殺し合いのない平和な世の中の到来を願っていることがうかがわれる。映画としてみると、戦後は復員船として奮闘するシーンで終われば余韻を残して終わったと思う。その後の海上自衛隊の江田島の学校の遠景、艦長の娘が海上自衛官として、水難救助の場面、雪風艦上の乗員総出でのメッセージは蛇足としか思えない。海上自衛隊の協力とクレジットにあったからだと思うが戦争法制定強行以降、専守防衛の自衛隊から米軍の尖兵の役割を負わされている現状をみると艦長の意思を継いでいるとは思えない。残念なラストだったと思う。
いろいろ盛り込みすぎて印象が散漫
今年の夏、必ず見ようと思ってた映画なので観てきました。「雪風 YUKIKAZE 」
個人的な評価は星2つ★★☆☆☆。駄作でした😰雪風を見に行ったはずのに、ほとんど竹野内豊と玉木宏のドアップばかり見せられました(笑)。もっと艦を見せてくれ〜(逆に2人のファンの方にはおすすめ)
雪風は開戦から終戦までほぼ全ての海戦に参加したので、そのストーリーを追うだけで忙しいのですが、さらに銃後を守る女性や自衛隊の災害救助も描かれていて、はっきり言って蛇足でした。脚本に口出しする人が多かったんだろうなあと思います。
艦船CGはゴジラマイナス1.0で超精細CGを見ているので、それに比べるとだいぶ見劣りします。雪風以外の艦船、例えば戦艦大和は、はっきり「絵」とわかるレベルの代物です。
良かったのは伊藤整一長官を演じた中井貴一で、中井貴一が出てくると映画が締まります。そこだけ空気が違います。中井貴一すげ〜と思いました。
というわけで結論としては、有村架純をそこで使うんか!と腰抜かしたい人にはオススメの映画です!
雪風
●物語
第2次大戦下、マリアナ海域で旧日本軍が米軍に圧される海上戦が淡々と進む。フィクションを織り交ぜてあるが、戦況を荒々しく描くのではなく、海に投げ出された船員を救助する面に着目して描かれる視点が秀逸。大戦末期には軍部内でも進軍か撤退か分かれていた面が描かれる。
雪風艦長の「争いは始まってしまうと終わらない。」はどの国際関係にも共通する。
ミサイル砲撃を受ける中で冷静な判断を下す任務は、並々ならぬ覚悟が必要だ。
艦長が故郷に一時帰還した際に残した一言
「普通がいい」
戦争に明け暮れた軍人だからこそ重みがある。
●演出
わざわざ有村架純を無理やりチラッと起用する必要はない。
エンドロールのUruが歌う曲は、切なくも胸に刺さる声で、重厚な作品に最適だった。
雪風 YUKIKAZE
ただの戦争映画やなかった。 心にドスンと落ちてくる “生き様” やった。
この作品は、第二次世界大戦で“沈まなかった駆逐艦”として語り継がれる「雪風」の物語を描いた作品です。単なる戦争映画というよりも、そこに生きた人間の「覚悟」と「誇り」を真正面から描いていました。
映画の中で強く感じたのは、「生きることは責任」だということです。
仲間を思い、国を思い、最後まで信念を貫いた兵士たちの姿には、観ているこちらの胸が締めつけられるようでした。特に、戦闘で命を落としていく者たちの背中と、それを見送る仲間たちの表情には涙が止まりませんでした。
「雪風」はただ沈まなかった船ではなく、信念を曲げず走り抜いた象徴です。嵐に叩かれようと、仲間を失おうと、旗を掲げて最後まで進み続ける姿には、今を生きる自分たちにとって大切な“生き方のヒント”が込められていると思いました。
現代の私たちは銃を持って戦場に立つことはありません。
ですが、SNSの中で飛び交う誹謗中傷や情報に振り回される毎日、人間関係の中での孤独や裏切り──これも一つの「現代の戦い」だと思います。
だからこそ、この映画が伝えている「信じ抜く力」「自分を貫く心」「仲間と共に生きる誇り」は、決して過去の話ではなく、今に生きるテーマだと感じました。
また、この作品を通して改めて考えさせられたのが「平和とは何か」という問いです。
それは、争わないこと、人を憎まないこと、人を見下さないこと。
そして「愛」と「優しさ」を持って人と接すること。
「ありがとう」「大好きだよ」という何気ない言葉が、未来を変える一番の武器になるのだと強く思わされました。
戦争を直接知らない世代の自分にとって、「雪風」はただの歴史を学ぶ映画ではありませんでした。
これは“命の証”を感じ、未来への責任を背負うきっかけとなる映画です。
「同じ過ちを繰り返さないためにどう生きるのか」を真剣に考えさせられる一作でした。
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