「最後で全て台無しとなってしまった」雪風 YUKIKAZE AZUさんの映画レビュー(感想・評価)
最後で全て台無しとなってしまった
戦後80年の終戦記念日に上映ということもあって、期待値が上がっていた。
だからこそ、すごく良かったとは到底言えない作品だったのが残念でならない。
まず良かった点は2点
①「雪風」という駆逐艦の存在を知れたこと。
②主要キャラクターの俳優陣の演技が良かったこと。
特に主演の竹野内豊さんの、冷静に武士道を貫き責務を全うする姿は素晴らしかった。
しかし、それ以外が残念すぎる。
戦争映画は数字がなかなか出にくいのもあって、製作費の予算が出しにくいのも分かるが、VFXやCGの進化が凄まじい昨今で、このリアリティの無い偽物感溢れる映像を見せられると、没入したくてもできなくなる。吹っ飛んだ腕の作り物感もすごい。カメラワークもワンパターン。見せ場である人命救助シーンが、ほぼ引き上げるために手を伸ばすアングルのみなのも残念すぎた。
そしてセリフも演出もベタすぎる。特にドラマパートがベタすぎて、この状況でそんなこと言うかな?と思うシーンが何度もあった。
極め付けは最後。蛇足とはまさにこのこと。
見ている観客をそんなに信用できないのか?言葉にしなくても監督が言いたいことはわかるのに、あんな風にされたら押し付けがましくて拒否反応が起こってしまう。
大変申し訳ないけれど、過去見てきた映画作品の中で、1番最悪な演出はなんですかと聞かれたら、これですと答えられるぐらい、最悪な演出をラストにやられて激萎えだった。
見る側も予告やあらすじを見て、唯一生き残った駆逐艦というのを知って見るために、撃沈されない安心感もあり、戦争映画が苦手な人も見やすい題材ではあると思うし、豪華な俳優陣が揃っていただけにすごく残念。
同じ戦争を扱う今年の映画作品なら「木の上の軍隊」の方が数億倍良かった。
予算が足りなかったのか、CGにはがっかりしましたね。
戦闘シーンに関しては手抜き感が否めませんでした。
雪風の活躍を観るなら、ゴジラ-1.0の方がはるかに良いです。
役作りに関しても「木の上の軍隊」の堤真一は坊主頭にしていたが…
軍帽や制帽を被っていれば多少の違和感で済みますが、内地の作戦会議のシーンでは頭髪に違和感ありまくりです。
出演者の都合もあるのでしょうがとても残念でした。
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