陪審員2番のレビュー・感想・評価
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スクリーンで観たかった・・・。
基本的に映画館で観た作品しかレビューしないと決めてたんだけど、これは仕方ない。
「なんで?」という思いでいっぱいになりつつ、U-NEXTに加入した。
結局加入したんだから、映画会社の狙い通りってことなんだとは思うけど。
それにしても、イーストウッドが監督で、ニコラス・ホルトが主役で、トニ・コレット、JKシモンズ、キーファー・サザーランドが脇を固めてる作品をスクリーンで観ることができないのは、かなり悲しい。
名作「12人の怒れる男」をたどりながら、それを2ひねりくらいしたストーリーで、単なる法廷モノよりは、もう少し踏み込んで正義と裁きの問題を提示している。
ニコラス・ホルトは小心無垢な男を演じるのがホントに素晴らしい。
トニ・コレットは、シックスセンス、リトルミスサンシャイン、ヘリディタリーで「母さん」のイメージがついちゃってるので、ひっつめ髪の上昇志向検事ってのはちょっと違和感。
JK・シモンズの声を持っていればみんな説得できそうだとか、キーファーも年取ったなとか思いながら小さな画面に食いついてました。
このパターンが増えないことを祈ります。
映画は映画館で!
孤独な葛藤
荒唐無稽とまではいきませんが、かなり突飛な話だと思います。陪審員に召集されたジャスティン(ニコラスホルト)は事件の概要を聞きながら回想している間に、じぶんが車ではねて鹿だと思っていたのが人だったかもしれないと思い当たります。日時も場所も同じでそれが確信に変わるとJuror No. 2の孤独な葛藤がはじまります。映画のはじめからおわりまで真相を知っているのはジャスティンただひとりです。断酒会のスポンサーであるラリー(キーファーサザーランド)に打ち明ける場面はありますが、基本的にだれも真相を知りません。そりゃそうです。まさか陪審員が轢き殺した犯人だなんて想像もつきません。わりと勘の鋭いマーカス(Cedric Yarbrough)も、刑事なのに陪審員任命されていたハロルド(JKシモンズ)も解らず、車両から足がついてラストで検事補フェイス(トニコレット)がジャスティンの家のドアをノックする、ところで映画は終わっています。
映画「陪審員2番」が言いたいのは良心の呵責です。
検事補は地方検事選挙で勝つために楽勝案件をピックアップしたつもりでした。素行の悪いマイケル(Gabriel Basso)がやったにちがいないという確信をもって望み、大きな反証もなく陪審員の心象もつかんで即日結審する気がしていました。が、審議に入るとジャスティンただひとりが十二人の怒れる男のヘンリーフォンダのごとく有罪に反発します。ジャスティンにしてもそこで有罪にしておけば永遠に逃げにげおおせる話でした。でもかれは茨の道を選ぶのです。なぜか。良心の呵責というやつです。
かといって、ジャスティンは真相を暴露したいとか、じぶんが捕まればいいとは思っていません。妻アリソン(ゾーイドゥイッチ)は臨月だし、もし自白したならアルコール依存の過去をもつ彼には仮釈放なしの終身刑が下りラリーが言うように人生が終わるでしょう。
どうなるべきか、どうしたらいいか解らないまま、ひたすら良心がとがめて「もっと話し合うべきだ」と主張するのです。
他の陪審員らは十二人の怒れる男に出てくるような生活感ある人たちです。とっとと終わらせて子供らの世話をしなきゃならない主婦や、ドラッグディーラーでもある容疑者マイケルに敵意をもっている者もいます。ちなみにテラスハウス出演者の福山智可子が医学生という設定で単独セリフもあるけっこういい役でした。
熱心なジャスティンに触発され、ひとりまたひとりと無罪に与するものがふえていき、結果的にジャスティンはじぶんでじぶんの首を締めていくのです。良心の呵責がそうさせるのです。
おそらくジャスティンの願望は、気持ちが納得するところへたどり着きたい、ということでしょう。しかし、それは真相の解明=人生の終わりと同義なわけです。サスペンスフルな娯楽性を維持しながら、落ち着いたタッチで人間の深層心理を描いています。安定したクオリティに感嘆しました。
脆弱さと人の良さが同時にあらわれるニコラスホルトが上手でした。トニコレットとはAbout a Boy(2002)以来22年ぶりの共演だったそうです。
界隈ではこれが引退作になる可能性が示唆されていますがイーストウッドは明言していません。つくれるかぎりつくりつづけるのではないかと思いますしそうであってほしいと思います。
しっかしイーストウッドの作品群の高クオリティたるや・・・ペイルライダー、ミリオンダラー~、ミスティックリバー、硫黄島~、チェンジリング、グラントリノ、サリー、許されざる者、運び屋、リチャードジュエル。
いつもながら牽強付会かもしれませんが、日本の映画監督って一様に何をつくっても何本つくってもダメじゃないですか。上達もしなけりゃまぐれ当たりもない。基本的にみんな駄作製造機。黒沢清とか、あんだけ駄作連発している人が、巨匠とか持ち上げられている始末。
それに比べて、イーストウッドだけではなくあっちの監督は名前ある人ならそれなりにしっかりクオリティともなってきますよね。素朴なギモンですが、安定したクオリティで映画をつくるという日本の体制のなさに、どうなっているのか、と思うのです。これも牽強付会ですが、政治系のユーチューブで聞きかじった話ですが、NPO団体の映像産業振興機構(VIPO)というところに一年で750億円の補助金(税金)が支払われたという話を聞いて金がないってこともないのではないかと思いました。いいですか。7,500万円でも7.5億円でも75億円でもなく750億円です。なんなんですか。想像できますか、そんなお金。この映画Juror #2の制作費は推定で3,000万ドル(2024年時の換算で47億円)と言われています。300万円でつくったカメ止めなら、いったい何本できるんですか?
基本的にアニメ系に比べて映画をやる人の能力が低すぎる、ということをいつも思います。ほんとにばかは映画つくんないで、と思います。(ぜひ映像産業振興機構のHPをご覧になってください。日本語ですが何が書いてあるのかも何をしているのかも解りませんでした。)
良質の法廷スリラー
🇺🇸ではMAXでの配信予定を限定劇場公開に変更。🇫🇷🇬🇧等は通常公開。🇯🇵は劇場公開無し。U-NEXT独占見放題配信。吹替版無し。
日本では馴染みがない陪審員制度であるが、ストーリーは難しくなく、主人公と他の陪審員の心の変化が描かれる法廷スリラー映画です。
なお陪審員2番の2番は特に意味は有りません。主人公がたまたま振られた番号です。こんな邦題だと日本で公開されても余計に意味不明で遠ざいてしまう。
…………
バーで男女が口論の末、豪雨の中帰ってしまう。しかし、翌日遺体で発見される。容疑者はその彼氏。その裁判の陪審員に主人公ケンプが選ばれる。
ケンプはその日、豪雨での運転中に何か衝撃を感じる。回りを見回しても何も無い。有るのは鹿注意の看板。鹿がぶつかって逃げたのか?その1年後の裁判。
陪審員になって気づく、そして不安になる。弁護士に相談すると、過去に飲酒運転での逮捕歴があるから重罪も予想される。黙っておいた方が良い、と。
アメリカでの裁判は、一般から選ばれた12人の陪審員が原則全員一致で有罪か無罪かの評決を下す。有罪なら裁判員が刑期を決める。一致出来なければ別の陪審員が再選定される。
陪審員の1人。有罪だよね。早く帰りたい。他の陪審員も〜。有罪10対無罪2。
無責任だよね〜。他人の事だし。でもケンプは無罪側のひとり。事実知ってるしぃ〜。これで有罪になったら冤罪確定。もっと審議しようよ。
途中で6対6に。先入観で全く考えもせず有罪にする陪審員も。検察も初動捜査から決めつける。コレ どうしたらいいの〜。
…………
日本でも劇場公開して欲しいと署名運動も。私1人の陪審判断は〜〜。
公開しても良いかな。でも邦題は大きく変えてね。
C.イーストウッドらしい直球勝負
本作で引退とも言われているイーストウッド御大が僕らに託したもの
彼がいかにドラマと真摯に向き合い、それ描くことに長けているかということを再認識させられるような力作。さながら現代版『十二人の怒れる男』ならぬ"唯一人の悩める(秘密を抱えた)男"。
90年代まではよく作られていたものの、現代では(実話を基にした一部の黒人冤罪モノなど除いて)めっきり作られなくなったタイプの法廷スリラー(サスペンス、ミステリー)で、今最も目が離せない役者ニコラス・ホルトが道徳観や倫理観そのジレンマに苛まれ葛藤するさまを体現する、ポスタービジュアルのまま重苦しく鬱々とした作品。
大丈夫か?良心の呵責。自分が生きる上で大事にしている指標・行動原理に「後ろ暗いことはしない(後ろ髪を引かれることはしない)」という想いがあるけど、本作はそのよく描かれた脚本とストーリーテリングの巧みさも相俟って、息の詰まるような自分(私)事になっていく。正義と真実の天秤に揺れ動く圧巻の110分で、ひたすれ疲れる鑑賞体験。
共演にはこの裁判に自身の進退という政治的側面がかかっている検事トニ・コレットに、どうやらただ者ではなさそうなJ・K・シモンズ、そして主人公の妻ゾーイ・ドゥイッチなど。これだけ科学捜査など進んでいる現代でも様々な要素が絡み合って十分起こり得る冤罪に、"確証バイアス"確証がないのに協力的な目撃者の老人など司法制度の抜け穴も。
FAITH
ハイリスク妊婦
"Too many maybes are reasonable doubts."
LIFE ROSE ON(ライフ・ゴーズ・オンと掛けている)
司法制度に乾杯、完璧じゃないが無いよりマシ
「僕が家族を守る」
IN GOD WE TRUST
「疲れた顔ね」「嵐が去ったな」
世知辛いのはわかるけど、もったいない
アメリカでも公開館数は少なく不当な扱いを受けたイーストウッドの最新作、邦題 陪審員2番
今のムービーシーン、スクリーミングがメインになっていく潮流からするとリスクヘッジは当たり前で、(前作、cry machoが大コケしたので)そりゃお前たちオーディエンスがこないから、当然の処置だってのもわかる。ただアメリカのレガシーつくっていくひとつはムービーじゃないの?あまり蔑ろにしないでほしいなとは思う
当然、日本でも劇場公開しない。ただ𝐔-𝐍𝐞𝐱𝐭で20日から観れます。陪審員に選出されたニコラス・ホルトの苦悩をとてもうまく描きだしていて、ラストの余韻がまあ素晴らしい。94歳、イーストウッドの妙手、まだこんなの撮れるのかと敬服しました。映画ファンと自認するのであれば𝐔-𝐍𝐞𝐱𝐭でどうぞ。あーもう少しスリムなサービスにできないかね、𝐔-𝐍𝐞𝐱𝐭さん
恐らく最後の監督作となるクリント・イーストウッドが共同製作・監督、...
恐らく最後の監督作となるクリント・イーストウッドが共同製作・監督、ジョナサン・エイブラムスが脚本を担当した『十二人の怒れる男』を彷彿とさせる法廷サスペンス。
物語は注目を集めた殺人裁判の陪審員を務める男性が、被害者の死に自分が責任があるかもしれないと気づくが、、、
引き込まれるストーリーで役者の演技がさえる!
製作はイーストウッドが93歳だった2023年6月に始まり、ジョージア州サバンナやロサンゼルスなどで撮影されたが、2023年のSAG-AFTRAストライキのため7月に中断。ストライキの終結に伴い11月に製作が再開。2024年10月27日にAFIフェスティバルで世界初公開され、2024年11月1日にワーナー・ブラザース映画によって米国で公開。この映画は批評家から好評を博し、全米映画批評家協会によって2024年のトップ10映画の一つに選ばれた。
クリントとフランシス・フィッシャーの娘のフランチェスカ・イーストウッドも出演。
ニコラス・ホルト
ジャスティン・ケンプ
陪審員に召集されたジャーナリスト
トニ・コレット
フェイス・キルブルー
カーター事件を起訴する地方検事補
J・K・シモンズ
ハロルド・チコウスキー
元◯◯の陪審員
クリス・メッシーナ
エリック・レズニック
サイスを弁護する公選弁護人
ガブリエル・バッソ
容疑者ジェームズ・マイケル・サイス
ゾーイ・ドゥイッチ
アリソン・「アリー」・クルーソン
ケンプの妻で地元の教師
セドリック・ヤーブロー
陪審員マーカス・キング
レスリー・ビブ
陪審長デニス・アルドワース
キーファー・サザーランド
ラリー・ラスカー
アルコール依存症匿名会のスポンサー
エイミー・アキノ
テルマ・ホルブ判事
エイドリアン・C・ムーア
陪審員ヨランダ
福山智可子
医学生で陪審員の恵子
ゼーレ・アヴラドプロス
アイリーン
犬のトリマーで◯◯の交代陪審員
フィル・ビードロン
陪審員ヴィンス
ブリア・ブリマー
執行官ウッド
ジェイソン・コヴィエロ
庭師兼陪審員のルーク
フランチェスカ・イーストウッド
ケンダル・カーター
レベッカ・クーン
陪審員ネリー
ヘディ・ナッサー
陪審員コートニー
ドリュー・シャイド
陪審員ブロディ
オニクス・セラーノ
陪審員エリ
あなたはそれでも正義を行使するか
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