機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginningのレビュー・感想・評価
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あべこべ世界遊びの功罪と、後半の未達
宇宙世紀はフル視聴、それ以外もほぼ視聴で、どちらも楽しめるガンダムファンです。
そういう下地を持った者の感想になります。
先にざっくり感想をまとめると
・一年戦争ファンだけが大爆笑できて、それ以外の人は楽しみ方がわからない前半
・一年戦争ファンには特に、それ以外にも訴求の弱そうな後半
が81分でまとめて出てくる映画、でした。
以下、前半と後半、それぞれについての感想です。
------ビギニング(前半)について------
ギャグ漫画でお馴染みの「性格や能力が真逆! 反転あべこべ世界!」系のネタです。
一年戦争(1stガンダム)を舞台に、性格や能力が真逆ならどうなるのか見てみよう! という、肩の力の抜けたコメディ同人誌・同人アニメ的なエンタメでした。
・あのシャアが最初から優秀
・ジーンが出しゃばらず居残りしてる
・デニムが激昂せず冷静にコメンテーターしてる
・原作の台詞や画角を、立場を入れ替えてほぼそのまま再現ラッシュ
・パオロ艦長が冒頭で死ぬ←冒頭では瀕死でした
・ガルマが生きている←特攻して死にます
・さっさとビグザムを量産してぶつけてる←量産の暁には貴様らなぞ…とたられば論でした
・シャリアが若々しくて板挟みから脱出←ひどく老けていて板挟みで具合悪そうでした
・キシリアが「最後まで逃げない」宣言←真っ先に逃げていました
・マ・クベが「現実のために戦っている」←芸術のために戦っていました
・シャアがビットを動かせる←動かせませんでした。有線ビーム砲ですら自信なし
・セイラさんのMSがちゃんと強い←ガンダムがお姉さん座りになるほど弱かったです
・ワッケインが生き残る←死亡します
・ブラウブロ&ガンダムの最強タッグはサンダーボルトのパロディ
・終わりのシャリア独白はIGLOO1ラストのオリヴァー・マイ独白のパロディ
……
などなど、一年戦争ファンだと噴き出すのをこらえたくなるような悪ノリ祭りです。
本作でのシャアは最初から優秀で、彼がエースかつリーダーとして何もかもうまく運んでいくのを淡々と見る展開ですが、つまりこれは「原作ではシャアは超ポンコツだった」のコントめいた強調に他なりません。一方、原作で優秀すぎたアムロとララァは「存在すらしていない」ようです。あまりにも優秀すぎた二人は、この能力反転あべこべ世界では「存在を許されず、消失している」……というブラックジョークが、超優秀になっているシャアとの対比で抱腹絶倒。
「もしアムロがいなかったらどうなったか? if」の話という可能性も少しよぎりましたが、シャアはサイド7に入る前から優秀さを出しているので、それは筋違いでしょう。シャアはサイド7に入る前に、なんだか直観を得たというような一言を言っていますし。
私は古参なので全てのネタが手に取るようにわかりましたが、話や発想が上質だとは思いません。ドラゴンボールのファンが『転生したらヤムチャだった件』を見た時のような、「あははー、楽しい同人誌だなー」という、程度の低い笑いを自覚した楽しみを覚えました。まさにお祭りイベントの賑やかしOPムービーならギリギリ可、という具合です。庵野さんの出世作となったDAICON 3のオープニング・オマージュ作品のような。
反転あべこべ世界ネタは「元ネタを知らないと何も面白くない」宿命にあります。なので、もし1stを未視聴とか、ゲーム等で知っていても原作は観てないとか、そもそもガンダムは宇宙世紀もの自体全然知らない…とかだと、「淡々とシャアが活躍するアニメ」「どれが重要人物かもわからないアニメ(全部が新キャラに見え、全部理解しようと頑張るも、全部流されていってしまう意味不明感)」などの印象になり、楽しめないのは仕方ないと思います。確信的にそういう構造なので「なんだ、そうだったのか、内輪ノリの置いてけぼりアニメじゃないか」という批判が出るのは仕方が無いでしょう。その不満や批判は正当なもので、それに批判で返すようなみっともないことを古参はしない方がいいかな、と思います。
ビギニングは、そういうものでした。
------本編(後半)について------
そしてビギニングの結末から5年が経過し、宇宙世紀0085年。
話的には地続きですが、絵柄もノリもがらっと変えて続きます。
が、こっちは上のような古参へに目配せするテンションから外れ(そのことは非難されるべきではありません)、ちょっと同一世界観と言えるのか際どいほどに軽いノリになっています。とりあえず、一年戦争のリアリティラインを受け止めてきた古参は困惑する内容。
ではここから一気に非古参向け、新規ファン獲得狙いか? ……というと、たぶんそうしたかったのだろうけど、正直「夢中にさせる」品質、面白さの総量が足りていない感じです。
今の10代~20代が好きなプロセカ~カゲプロのノリをこんな感じかなと取り入れ、たぶん作っている途中でサイバーパンク・エッジランナーズに憧れてしまい真似するもうまくいかず、水星の魔女を横目にシスターフッドを百合と騒いでもらうことも意識して、ビルドファイターズっぽくしろと上意もあったのか、「視聴者にどこで吠えて欲しいのか」をまとめきれないまま出てしまっている印象。
オタク専用の前半を取り除いて考えても、後半これだけの鬼ヅモと作品時間を使って「バチクソ推せる箇所」が見えないまま終了となるのは、単純に脚本やキャラがダメだからでしょう。
とても強い動画クオリティ、星街すいせいの歌、米津玄師の歌、一年戦争ifジオン勝利後をやっていい権利、と強ヅモを超えた鬼ヅモをしておいて、この「なんかこの先何を推せばいいのか定まらない感じで終わった」のはちょっとひどい。ツモの強さはマーケ系プロデューサーの成果なのでそのPはすごいのですが、それで作ったものがこれなのはクリエイティブ系プロデューサーの未熟という感じです。
---雑感---
これは妄想レベルですが、最初に本編(後半)が出来て、それを見て「やばい、完全にスルーされて終わるやつだ」とPレイヤーが危機感を抱き、庵野氏になんとかしてくれと頼んで前半を足してもらった。庵野氏は「この惨状からせめて『賛否両論』に持ち込むには…」と原作のシャリア・ブルみたいにお腹痛そうに苦しみ、「じゃあもうあべこべパロディで! バカ要素を足すのでいきましょう! 古参と新参がぶつかればうやむやになるかもね! 後は知らんよ!?」と頑張った…もしかしあら、後半もかなり作っておいた展開を削って圧縮した(宇宙に消えたマチュがいきなり学校に通っててすでにジークアクスは預けてる所のつなぎとか)……のではないかと思います。
というのも、スタッフクレジットの脚本表記が、五十音順に反して庵野氏が2番目だったからです。↑のようなときは、そういう記載順によくなります。
なお、あべこべパロディ自体は「映像で見せてくれたこと」に感謝していますが、斬新とは思いません。というのも、ホビージャパン系列の読者参加ゲームでビギニング(前半)の流れは「みんなで作った」ので。ギレンの野望よりもそっちが元ネタな気がします。
シャアがガンダムを奪取し赤く塗り、重MA量産計画が通り、連邦はグラナダ攻め、ジオンの勝利…むしろ「とても懐かしく感じた」ぐらいでした。あの頃のガノタにはもはや共通文化ですよね。
ただ一点、ブラウ・ブロ&ガンダムがタッグを組んで無双はちょっとモヤっとしました。
というのも、それは今まさにクライマックスを迎えている『機動戦士ガンダム サンダーボルト』がブラウ・ブロを再解釈し、3年ほど前に発明的に描ききったものだからです。
その匂いを混ぜられると、同じ「一年戦争その後(0080年~)」を解釈の上で見事な一本の物語として丹念に描いている大傑作・機動戦士ガンダムサンダーボルトの下位互換という視点が出てきてしまいますし、許諾を取っているのならいいですが、もし知名度の差を使ってこの作品の成果のようにするつもりなら、それは嫌な感じがします。
---総評---
超古参……前半は楽しめる、後半は相当苦しい
それ以外……前半は楽しめない、後半もけっこう微妙
という、超古参もそれ以外も、それぞれの理由で50点満点から採点が始まってしまうような食い合わせの悪さ、伸びきらなさを感じる1作目でした。もちろん、世の他の映画やコンテンツは100点満点で皆受け止められる中で、です。
付け足しの緊急策のように思える前半をあえて記憶から消して考えても、やはり後半の「尺のわりに吠えや燃えや萌えが見当たらない、雰囲気アニメ段階で1作目終了」なのが大きく懸念点という気がします。外見はともかく、マチュ・ニャアン・シュウジ、どれも感情移入したり応援したくなったりする所まで来ていません。戦勝国ジオンのパイロットやクルーたち、難民ジャンク屋たちもそう。ペラい印象で出てきた全員が、魅力があるわけでもなくペラさを時間いっぱい証明して終わってしまった感じ。本作が吠えか燃えか萌えなのか、みんな確信を持てないまま体験は終了して、冷却期間に入ってしまいました。
この本編(後半)は、もし大筋を変えられずともマチュとシュウジの魅力と絆形勢を描ききり、二人が「マブ」になる所までに絞って全力で書いてくれた方が良かったように思います。マブって言葉は、運命ドリブンの脚本ではなくてマブダチの実感を受け取らせて初めて響く言葉です。(例えそれが、現代の若者にとって夢想的な憧れとして降ってくるものだとしても、です)
なので、例え映像的に楽に引きを作れるとしても、効果的に消化しきれないニャアンには尺を割かず、ジャンク屋は存在自体もっと減らしていい。「キャラを出すなら、魅力的にする。魅力的にできないなら、(まだ、も含めて)キャラを出さない」は、秒単位で引き込み速度が予後に関わる序盤は神経を尖らせてほしい。というか、昨年の同サンライズ『奪還のロゼ』はそんな感じのことをちゃんとやりきっていましたよね。同じサンライズのロボットアニメ・劇場先行公開ものとして比べると、作り手たちの物語造詣に差があると感じました。
以上になります。
私は、今後続編の劇場公開があったとしても、地上派や配信まで待つと思います。
「シン・ガンダム」って言っていいよね!
本作は、「ガンダム」シリーズ最新作「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」の劇場先行上映版です。スタジオカラーとサンライズがタッグを組んで製作したということで、めちゃめちゃ期待して公開2日目に鑑賞してきました。
ストーリーは、人類が宇宙に浮かぶスペースコロニーで生活するようになって半世紀が過ぎた宇宙世紀0079、宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑み、熾烈な戦いが繰り広げられる中、ジオンのエースパイロット・シャアが、搭乗した赤いガンダムごと忽然と消えてしまってから5年後、サイド6に暮らすアマテが、ジオンが開発した新型ガンダム・ジークアクスと赤いガンダムとの戦闘に巻き込まれる形でジークアクスに搭乗したのをきっかけに、非合法なモビルスーツ決闘競技「クランバトル」に身を投じていくというもの。
開幕早々、もはや誰もがDNAに刻まれているBGM、ナレーション、SE、サブタイトル等、ファーストガンダムを彷彿とさせる演出の数々に期待値爆上がりです。そして脳内に焼きついている、3機のザクのコロニー潜入シーンに懐かしさがこみあげます。しかも、その中にいるはずのない赤い彗星の姿が!おまけに、アムロが登場しないのをいいことにやりたい放題!まさかこんな夢のような展開を目にすることができるとは、激アツにもほどがあります!ビット装備の赤いガンダムを駆るシャアとブラウ・ブロのシャリア・ブルとのツーマンセルも眼福でした!こんな感じで、前半は1年戦争をサクサクなぞるのですが、できればもっとじっくり観たかったです。
ファーストガンダムの正史を忠実になぞると見せかけて、実際には誰もが一度は妄想した「if」の世界を繰り広げ、シャアの縦横無尽な活躍とそこから描くジオン勝利のシナリオに脱帽です。ザクの造形がちょっと好みではないけれど、エヴァンガンダムとして見ればこれもアリでしょう。いや、もうこれは、「シン・ガンダム」と言って差し支えないですよね!見事にやってくれました!
そこから、後半はいよいよ新シリーズのメインフェイズ突入となりますが、なんならこのままファーストリメイクの「シン」で観たかったかもです。とはいえ、アマテの物語もさまざまな謎や伏線を匂わせており、今後の展開に興味をそそられます。アマテはなぜジークアクスを操縦できたのか、赤いガンダムに乗る少年・シュウジは何者なのか、1年戦争の只中に消失した赤いガンダムと関係があるのか、そしてシャアはどこへ消えたのか。
前半ですでに「if」の展開を見せており、その前半の「シャア消失」を後半でも事実として引き継いでいます。しかし、消失時のシャアの残した言葉や後半のキャラデザの大きな変化を見ると、これは別の世界線と捉えた方がよいのかもしれません。となると、この世界線にも別のシャアがいるということでしょうか。それとも別の人間に転生しているのでしょうか。続きが気になります。
ガンダムと言えば、多彩なモビルスーツと迫力のバトルも大きな魅力の一つですが、本作でももちろん抜かりはありません。異次元のスピードで繰り広げられる圧巻のバトルが、とんでもないクオリティで描かれており、すばらし過ぎます!まさにスタジオカラーの面目躍如といったところでしょうか。今後もこのクオリティでテレビシリーズとなるのかと思うと、技術の無駄づかいではないかと思えるほどの質の高さに驚かされます。今から放送開始が楽しみです。
キャストは、黒沢ともよさん、石川由依さん、土屋神葉さんら。
Beginningだけで作品作れたよね
期待を持てるオモシロさでした!!だけど、、、
これはこれであり
あのシャアを中心としたifストーリーから始まる。ガンダムを奪ったからアムロの登場はなく連邦のエースパイロットはセーラさん。よって、一年戦争はシャアと一話しか出てこなかったあの人との活躍でジオン側の勝利。これが導入。その数年後からが本編ということでしょう。
シャアのストーリーは展開は早いもののとても見応えがありました。マ・クベとか脇役多数登場。
本編の方も含めてですが音楽がとても良かったです。
ファースト世代。驚きとニヤニヤが止まらない80分!
ネタバレ有。
話題の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX (ジークアクス)』、TV放送に先駆けた劇場公開に参戦。
わたしも1979年4月放送の『機動戦士ガンダム』(以下ファースト)の直撃世代。
土曜日夕方17時30分の初放送も観た記憶があるのですが、幼稚園児にはストーリーが難解で1話完結で単純明快だった前番組『無敵鋼人ダイターン3』ようには熱中せず、18時からの戦隊シリーズ再開第1弾の『バトルフィーバーJ』目当てにチャンネルを合わせていた感じでした。
因みに当日は17時30分『ガンダム』はじめサンライズ制作ロボットアニメ→18時00分『戦隊ヒーローシリーズ』→18時30分『タイムボカンシリーズ』→19時00分『まんが日本昔ばなし』→19時30分『俺はあばれはっちゃく』→20時00分『8時だョ!全員集合』→21時00分『Gメン‘75』→22時00分『テレビ三面記事ウィークエンダー』…TV黄金期、実に豪華&贅沢でしたね。
そのあとの1980年頃からの『ガンプラ』ブームからすっかり没頭。
平日夕方帯の再放送で再チェック、81年3月から全3部で公開された劇場版も完走。
もちろん「ガンプラ」も1/144、1/100、1/60のMSV含め全スケール全種類購入、コミックボンボン連載の『プラモ狂四郎』、『ホビージャパン』を読み漁る、完璧【ガンダム少年】でしたね。
6年後の『機動戦士Zガンダム』(1985)、1988年公開『逆襲のシャア』、1989年のOVA『0080 ポケットの中の戦争』まではフォローしておりましたが、2002年の『ガンダムSEED』は乗り遅れてしまい本日に至る次第。
公開前には今流行りのマルチユニバースと報じられ、自分の好きだった「ファースト」がどれだけ改変されているか不安でしたが、とにかく観てみないとはじまらないので劇場へ。
鑑賞終了。
自身を鼓舞して鑑賞して大正解。
ファースト信者には賛否両論あるかと思いますが、わたしは大賛成ですね。
「あの時のシャアの一つの判断」の違いだけで、歴史が大きく変わっていくストーリー構成が実に素晴らしい。何度観たファースト第1話のナレーション、SE、劇伴、セリフ、動きまで完璧に最新技術でトレース、最初の10分だけで鳥肌モノの感動でしたね。
たぶん脚本会議は、楽しく盛り上がったことだと思います。
シャア以下、マ・クベ、デニム、ティム・レイ、ワッケイン、カムランなどの脇キャラも再登場のなか、一番の衝撃はまさかまさかのファースト39話のみ登場のシャリア・ブル大尉の大フィーチャー。彼専用のモビルアーマー「ブラウ・ブロ」の活躍を45年後大スクリーンで鑑賞するなんて驚きとニヤニヤが止まりません。
1年戦争が終わった5年後の「サイト6」の描かれ方、特に平和を取り戻した日常がわれわれの世界との地続き感があって実に良いですね。
新キャラもいい意味でファーストに縛られない自由で躍動感があり、リデザイン、再設計された「ザク」をはじめとするモビルスーツも、思わず40年ぶりにガンプラを買いたくなるほどリアリティ感、説得力あるデザインに生れ変わって痺れました。
物語が進むうちにアムロ・レイをはじめとするお馴染みのキャラクターも登場するかと思いますが、どのようなシチュエーションで登場するのか、そしてあの人は登場するのかと想像するだけでも、子ども心に帰れますね。
ほんと、本放送も楽しみです。
つかみはOK
カラーガンダム
本編部分が正直…
うーん、こんなものか…?
というのが観終わった後の第一印象。感想は適宜追記。
もしかしたら、至極単純に現段階では伏線や設定など鑑賞者側の知らないことが多すぎて、まだ評価できる段階じゃないのかもしれない。
それでも一つの劇場映画作品として向こうが出してきた以上は1ガンダム映画として鑑賞したつもり。
なお、自分は20代だが初代含めガンダムや富野作品は観ている方なので、そういう人間の感想と承知して読んでほしい。
前半、つまりサブタイの通り”ビギニング”の部分はかなり好感触だった。初代をベースにしたifモノだが既存の設定との整合も適度に取りつつ、ラストは完全オリジナル展開!といった感じ。
パラレルデザイン的なMSのアレンジもとても好み。
芸の細かさが行き届いており画面が非常に見やすくメリハリがあるのも良かった。優等生的。
声が違う点などを踏まえると若干一昔前のなろう系転生モノ臭くてちょっと、と思ったが、この奇妙な違和感は意図したものだったのだろうか?
一方で後半はテレビへの助走ということもあってか正直失速気味。
ベースのプロットがぶっちゃけよくある平成ロボアニメなので、多少ロボアニメをかじっている人にとってはお約束通りすぎて既視感がかなり強いのが失速の大きな一要因。よく言えば王道、悪く言えば陳腐。平成アニメの良いところ悪いところがそのまま令和にアウトプットされている。それらプラス水星でも見られたようなオトボケ主人公を足した仕上がりでここも既視感。
キャラクターも主人公をはじめ何を考えているかよくわからない。それが物語上のフックになっているかというとそうでもない。
ガンダムに乗る動機付けもかなり弱く、劇場版用に尺を詰めた影響なのか、この描き方だとマチュはただの戦闘狂のサイコパスにしか解釈できない。考えるより感じる系の作品なのかな?と。
恐らく観客に伝えたかった動機であろう「地球の重力や宇宙への憧れ」+唐突に湧いた「軍警の顔に泥を塗りたい」=「ガンダムに乗れば一石二鳥やん」という部分はHBの鉛筆くらいには薄く書けているのだが、実のところガンダムとしては昔からのかなりありふれたテーマで、今更絶賛はしないかなぁというところ。ゼータとかクロボンで見た。
というか、あれだけ前半で尺使って「既存のガンダムをぶっ壊す!」ってノリを出しておいて、いざ始まった本編がこじんまりと既存の王道をなぞっていくっていうのが…無念、と言うか…まぁこれは前半の空気が面白くて期待しすぎたのが悪い。
主人公の異常な運動能力やオメガサイコミュを御する程度のサイコ能力など「説明は後でします」があからさま過ぎるのも平成だなぁというか、好きだけど食傷気味。
失礼ながら上映中、あれ、まだ終わらないんだ、と何度か思う程度には退屈だった。劇場用に作られていないテレビ第1話を馬鹿正直に映画館で流すとあまり面白くないんだな、という当たり前のことが分かった。(SEED1話とかのような爆発的な引き込み力が無い)
仮にこの本編部分が劇場版無しでそのままTVで流れたとした場合、ガンダムじゃなかったら平気で1話切り2話切りが視野に入るレベルで反応に困ってしまう微妙さ。
メイン3キャラクターの抱える問題(主に金銭の問題)が映画部分だけでも一旦解決してしまっているせいでもはや積極的に戦う理由がほとんどない上、
マチュは学生の身分で無理に戦う理由付けがないし、サイド6の警察機関の横暴も難民じゃないマチュには究極的には関係がないし…と、
マチュやシュウジの素性を除いて、先が気になる仕掛けがないのが勿体ない。
今作でもただ巻き込まれて周りをケアするだけの主人公になりはしないか、という不安は少しある。
また"難民(不法移民)"という、現実の世界情勢にもダイレクトに関わってくるきわめてデリケートな問題に対してのアンサーを「不法移民をMSという強制執行で取り締まる警察は悪いので倒す」で通すのだけはやめて欲しいと切に願う。そこのリアリティラインは守ってくれないと、マチュがあまりにも馬鹿な子になってしまう…
また「シャロンの薔薇」など回収する気があるのか分からないワードなど少し不安になる作品でもある。水星の「カヴンの子」などの意味ありげなくせに本編でまともに説明されなかったワードが頭を過ぎる。
薔薇については、巷では「登場しなかったあの女性」が恐らく薔薇の正体だろうという見方があるが、本編の描写やあの耳馴染みのある効果音を踏まえて、自分もそうだろうなと思う。ここの見せ方がどうなるかは楽しみかもしれない、が本編の本筋とはさして関係がないし、ここは庵野氏担当部分なので鶴巻氏が拾うかどうかも分からない。
前半は個人的に評価点なのは前述の通りだが、厳しく言ってしまうと、
そもそも本編を展開する上で初代をベースにする積極的な理由はあったのだろうか?という疑問がある。正直、無い。
なぜかといえば、本編部分は前半部分が無くても成立するからというのが一つ。舞台が政治的に複雑なサイド6で、警察組織はジムでもザクでもどっちでもいい。
ジオンが勝ったからと言ってサイド6にとっては飼い主が変わるだけで影響が無いんじゃないか?と、本編を観るだけでも思った。
赤いガンダムの出自について、わざわざファーストのパラレルを作ってそこと絡める必要はないのでは、という点もある。「戦後ジオン技術を接収して作られた試作型が消えました」くらいの話でいい。コレはコレでナラティブとやや被るが、既存作品とのネタ被り度合いで言えば本編もどっこいどっこい。
前半部分の出発点がそもそも本編に対する後付けで、画的なインパクトを優先した結果こうなったんだとは思うが…
結局のところ、前半部分(庵野氏)と後半部分(鶴巻氏)でそれぞれが自由にやった結果、接続がおかしなことになってしまい、どっちも中途半端に切り取った尺と物語になっていると感じる。
前半だけ続きを観たいという人と後半だけ最初から観たいという人に分かれるのは、単に初代を知っているかどうかということ以上に、そういった問題点のせいだと思う。
最後まで観た後に、「パラレル本編と絡ませる必要はあったんだ」と思わせてくれることを期待したい。
総評として、本編への助走としては正直物足りない出来。
肝心の本編部分を観た結果新しく分かったことが何も無い。情報量が0。既に公開されているあらすじをその通りなぞっただけの作品に仕上がっていた。
控えめに言って最高でした!・・・・が・・・
当方ガンダム世代で、ガンダムは初代、Z、08小隊が特に好き
今回情報は完全シャットアウトで見に行きました
とりあえずみんなそうだと思いますが、開始5秒でまず「???」となって、シャアがガンダムに乗った瞬間に「うおおおおおおおお!まじかーーーー!」と映画館で叫び・・・たいくらい興奮しました
ジオンが勝利した世界線・・・なるほどこれは面白いぞ!
ビギニングパートはオリジンテイストでキャラクターも初代風。とにかく細部にわたって情報量が多すぎるのでここでは割愛しますが「ジオン勝ったら・・・なるほど、こうなるよな・・・ふむふむ」と感心しつつ、新規声優さんの演技に聞き惚れ、少しエヴァっぽいガンダムのデザインを吟味・・・してたらあっという間にジークアクスパートに・・・
異世界系や、バトル系・・・どれも似たような設定とやりつくした演出でごった返す現代。
アニメ作品においてここまで見た者を驚愕させたスタジオカラーにただ、ただ脱帽です。
僕もクリエイターですが良いも悪いもここまで人に衝撃を与える事が出来るかと言ったら・・・なかなか難しいと思います。
なのでそれだけでもう5点満点あげたいくらいです。が・・・
ただ完全新規さんはちょっと難しいかなと。
少なくともファーストガンダムを3回はみないとついていけないんじゃないかなーと思いました。それでもあの短い尺で限界まで分かりやすくしてくれてましたが・・・
ザビ家だけでも沢山名前が出てくるので初見の方にはちょっとキツイですよね^^;
で、後半のジークアクスパートですが・・・・
映像や音楽、キャラはもう大好きです!素晴らしいの一言!
ジオン勝利後の難民の扱いなど視聴者に理解させながらストーリーが進んでいくとこも良かったです。モビルスーツの動きの脈動感は流石培ってきた映像技術が光ってました。
ただ・・・やっぱり前半のインパクトがありすぎて、ジークアクスパートは
正直「ジオン勝利後の妄想」がはかどっちゃって、マチュらが戦ってる時に「ああ・・・ランバラルも死なずにすむんだよなあ・・」とか「アムロは整備士にでもなったのだろうか・・・」とかそんな事ばかり考えてしまいました^^;
とはいえまだ始まりですので今後のアニメ放送を楽しみに待ちたいと思います!
君、カヲル君だよね?
ヤバい、ヤバい。
エヴァのカラーとガンダムのサンライズが一緒になったらという話がと思っていたら、なんとシャアが出てきてガンダムに乗る。しかも、カラーリングを赤にして赤いガンダムがビットを付けてジオンガンダムか?と思っていたら、シャア行方不明で男の子が乗って主人公の前に現れる。雰囲気カヲル君の不思議感が〜。
シャアの声優が違うので違和感。
いろんな知った名前が声優違うので違和感。
マチュの声優が黒沢ともよで彼女の新しい代表作になるかな。(やっと黄前久美子以外のヤツが生まれそう!)
色々楽しませてくれるからTVシリーズに期待が膨らむ作品でした。
Plazma
ガンダムはハサウェイ→水星の魔女をリアルタイムで見てきた人間なのでまだまだガンダム初心者ですが、今作はアニメ放送前に作品を拝めるという事に感謝しての鑑賞。
サンライズとカラーという長きにわたってアニメーションを引っ張り続ける制作会社と強力な製作陣と観る前からワクワクは止まりませんでした。
特典はビジュアルカードとプロモーションカードパックでした。
まさかまさかの展開にどっぷり引き込まれました。
初代のIFルートを辿る物語という事でガンダムでもこういうことをやってのけるか!と舌を巻きましたし、その後のジークアクスの物語もとても好きなやつで早く本編を見せてくれ〜!となるくらいとても良かったです。
前半パートにまさかのシャアが登場してくるのでどういうこと?とこんがらがっていましたが、これはシャアがガンダムに乗った世界線というルートで描かれており、アニメーションも音楽も少し年季を感じるものになっており、分岐前を堪能できるという面白さに惹かれっぱなしでした。
初代ガンダムを始めて見た時のような衝撃をまさか味わえるとは思わず、これにはしっかりやられました。
そこから6年後の世界からジークアクスの物語が始まり、予告で見ていたポップさの強いアニメーションとスタイリッシュなガンダム像を見せられ、これも好きだな〜という気分にさせられました。
近未来だけどどこか廃れているところもある地球と宇宙が良い雰囲気を醸し出しています。
短い時間の中でもしっかりとキャラが立っていたのがまず良かったです。
マチュは体が先に動いてしまうような子で最前線に立ちまくるので危なっかしいですが元気いっぱいなキャラクターで表情も豊かですから見ていて楽しいですし、そこに黒沢ともよさんの声が乗っかって魅力は増し増しでした。
ニャアンはガンダムのカートリッジを届ける闇バイトをしている子でダウナーな雰囲気を纏っていますが、頼み事は断りきれない優しさもありましたし、本編で深掘りされると思うのでそちらに期待したいです。
シュウジはクールに立ち回るのかなと思ったら、貧乏不思議キャラで立ち回りも不思議な子で、それでいてガンダムと意思疎通している感じもあったので、そこが深掘りされる本編も楽しみです。
シャリアブルが大活躍しているというところもこれまた面白く、先人たちが築いてきたものをさらに積み上げていくという製作陣の覚悟がガッチリ感じ取れるキャラ描写になっていました。
宇宙空間でのバトルシーンは流石だなぁとスクリーンに体を預けっぱなしでした。
モビルスーツを用いて縦横無尽に駆け回るアクションはド派手で楽しいですし、武器を使っての攻防は緊張が走りますし、マチュがキラキラを見つけてからの覚醒っぷりときたらもう盛り上がりまくりでした。
挿入歌込みでグググっと盛り上がっていきますし、「Plazma」の中毒性は半端じゃないです。
カラフルさの目立つ背景や作画も素晴らしく、これは映画館で観れてよかったなと思いました。
TVシリーズの放送が待ち遠しくなる1本でした。
製作陣の愛と熱をたっぷりお見舞いされましたし、ガンダムというシリーズに新しい風を吹かせてくれているなと思いました。
鑑賞日 1/17
鑑賞時間 17:40〜19:15
座席 P-36
何とも評価し辛い
少しネタバレを踏んでしまい、それってどうなんだ?と、不安と期待半々...
おもしれーじゃん!!
パラレルワールドというか異世界というか、今迄のガンダムシリーズより舞台背景を変えたこの作品、ホント斬新の一言。
鑑賞した人は、殆どが多分、出始めが、あれ?なんだこれ?と思ったに違いない。
色とりどりな塗装のガンダム、キャラのデザインが今迄のガンダム作品にでた登場人物にて出してるのになんで主人公クラスのデザインは違う?などとっつきづらいとこもあるけど
、そんなのお構い無しに、気にしなくなるほど面白かった。
GQ、……のGはあのガンダムシリーズの内容も
この作品に当てはめているのかな?
ともかく内容がいい。
今シリーズのオープニングとしての今回の作品、滑り出しは最高でした。
心配なのは、この素晴らしいオープニング後上手くコケないようにつなげるのはかなりのアイデアが必要だと思う。
次回も期待しています。
衝撃!まさかまさかのシン・ガンダム爆誕!!からの~ 最高です!
衝撃!
まさかまさかのシン・ガンダム爆誕!!
ファーストカット、サブタイトル表示の効果音からして、まさかの、ファースト・ガンダム!
単なるリスペクト流用かと思いきや、まともにファースト・ガンダムがリメイクされていて本当にびっくりした。
「どうせ、新作のキャラクター話、コロニーの日常で始まるんだろう」と、たかをくくってたので本当に驚きました。
続くお馴染みの・・・???マルチバースか!?
このファーストガンダム好きにはたまらない前半と、新たな展開が始まる後半、見事なバランスです!
単なるシリーズの冒頭数話の劇場公開では済ませられない、この期待感、高揚感!
さすがカラー、庵野氏恐るべし!
なぜ誰も拍手しない!!
最高でした!
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