「今作を大変面白く観ました!」リライト komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)
今作を大変面白く観ました!
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
(レビューが溜まっているので短く)
結論から言うと、今作の映画『リライト』を大変面白く観ました!
今作の面白さの肝は、この映画の主人公・石田美雪(池田エライザさん)が、物語の本筋においての主人公ではなかった!所にあると思われました。
石田美雪は、タイムリープして来た転校生・園田保彦(阿達慶さん)の目的の人物ではありませんでした。
そして、物語上の主人公として相応しいのは、本来作家としての劇的な人生と才能ある雨宮友恵(橋本愛さん)であったのです。
この事は、石田美雪含めて、自分こそが転校生・園田保彦に選ばれた主人公だと思っていた(雨宮友恵以外の)クラスメイト達が、全てこの物語上の脇役に転じる瞬間でもありました。
もちろん私達も、(自分自身は自分の物語の主人公だと思っていても)現実においては世間的な主人公として振舞えるのは、生い立ちと才能と努力と運を持った一握りの人間でしかないのだと知っています。
であるので、(転校生・園田保彦に選ばれた雨宮友恵以外の)クラスメイト達がこの物語上の脇役に転じる感情は、私達観客多くの人生的心情とシンクロしていたと思われます。
今作から受ける感銘の正体は、脇役になった登場人物と私達とに、人生において通じるところが分厚くあった所にあると思われました。
(今作の映画上の主人公)石田美雪は、それでも(生い立ちの深さと才能ある雨宮友恵の後塵を拝しても)作家として生きられています。
そして、母の大槻和美(石田ひかりさん)や何より夫の石田章介(篠原篤さん)が、石田美雪を心の底から支えていたという、この物語の着地は、脇役の人生にも確かな光を与えていたと思われました。
実はこの最後の石田美雪の母や夫との深い関係性への着地によって、観客それぞれが大切な関係性ある人物を想い出し、(世間や周りの人々にとっては脇役の人生でも)自分にとっては自分が主人公の人生だと、想いを転換する瞬間が生み出されたと感じました。
今作の映画『リライト』を優れた秀作と感じ、大変面白く観ました。