「scenario」リライト ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
scenario
上田さん脚本のタイムループもの、あぁこれは観にいかなあきませんわという事で鑑賞。
序盤は人間ドラマの盛り上がりが見えずかったるいな〜と思っていましたが、徐々にギアを上げていきタイムループが解剖されていってからの加速っぷりは凄まじかったです。
未来人の保彦がやってきてから日常が不思議な方向に行き、その中で小説を書くことを約束した美雪が10年の時を経て過去の自分にメッセージを伝えようとするが、過去の自分はやって来ず、自分の本がピンチになったり尾道の同級生たちとすれ違ったりと色々なズレが発生していく中でタイムリープを探していくといった感じで一筋縄ではいかないタイムリープものもとい青春ものになっていました。
序盤はどうしても土台作りのためなのもあってよく見るちょっと不思議な青春と淡い恋模様って感じでかなりベタなやつで、松居監督らしいなーと思いつつも意外性はあまり無かったのでボヤボヤしながら観ていましたが、その展開すらも伏線にして超えてくるのでお見事としか。
茂が人知れず32人分のループの流れを保彦と共にやっていたのは気苦労が半端じゃないわ…と関心するのと同時に絶え間なくやってくる保彦に対応しまくるスピーディーさに思わず笑ってしまったりもしました。
要所要所に感じた違和感、展開のつぎはぎなところの答え合わせをこれでもかってくらい丁寧に回収してくれて最高でした。
旧校舎の崩壊で全員なんで飛び出ていくんだろう?と思ったところはみんな保彦を助けようとしていたんだと繋がりましたし、茂はなんでこんなに色んな人に話しかけているんだろう?というのは全員と保彦を合わせないようにするためっていう細心の注意を払っての行動だというところで繋がったり、花火大会での立ち回りなんかも観てたらそりゃ花火見て感動して泣きたくもなるわなとなりました。
このコメディさが強まるタイムリープこそ上田さん脚本が大好きな所以で久々に感じられて良かったです。
終盤にかけての友恵のムーブは中々にワルいやつでした。
タイムリープに気づいて保彦を独り占めしようとしたり、小説の答えに一足早く気づいて他の同級生たちを足止めしたりと行動はもうヴィランそのものですが、しっかりやり切るところは正々堂々ヴィランやっていて気持ちよかったです。
橋本愛さんが最高に魅力的で全出演作の中でもぶっちぎりの良さを発揮していたと思います。
様々な選択の豊かさを活かしながら人生を紡いでいくっていうフィクションならではの良さが全開で良かったと思います。
変に溜めたりしない爽やかな終わり方もとても良かったです。
とりあえず原作を読みにいくのと、見ようとして見ていなかった「時をかける少女」も見なきゃなと思いました。
鑑賞日 6/15
鑑賞時間 20:15〜22:25
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