「タイトルバックは最後のシーンに被せれば良かった」リライト やまちょうさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルバックは最後のシーンに被せれば良かった
大林宣彦監督の尾道三部作は「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」はいずれ劣らぬSF青春ロマン?の傑作ですね。今作は全編尾道ロケ、「時をかける少女」のオマージュの匂いプンプンするストーリー、尾美としのりさん、石田ひかりさんなど大林監督作品に常連の懐かしい俳優さんもキャスティングしてくださったこともあり、冒頭はボーイミーツガールの純愛青春ものと錯覚しておりました。
しかし、作家になった美雪のもとに高校生の美雪がいつまでたっても現れず結果、タイムループが完成せず・・・彼女の想定外の事態に陥るサスペンス仕立てのお話に豹変いたします。
途中のストーリーは割愛しますが、最後、まあまあ想定内のヴィランが主人公に対峙し、種明かししつつも直接対決はせず物語は幕を閉じるのですが・・・このままだとつまり、全世界規模でおそらく最悪な結末を迎えることになりますよね?
タイムリープという最強の手段、この時代ではオーパーツともいえるものをほぼ自由に使える立場にある拗らせヴィランを過去の自分を使い限られた最小コマンドでいかに無力化するか、それが自身や他者の犠牲もなくできるのか、という新たな課題が発生しました。
このタイミングで「リライト」というタイトルバックを入れればとてもインパクトがあり、かつ最低限の前向きな方向性は示せたんじゃないかな、と思いました。
では。
本作の友恵は、解釈によっては優しく切なくも見えました。
保彦への想いがありつつ、彼を未来に帰すためにループを完成させようとした、とも取れますので。
少なくとも、原作の彼女と比較したら…
共感ありがとうございます!
タイトルバックのタイミングは私も同感です。監督も脚本家も、映画でのアバンの大切さを理解していないんじゃないかと考えちゃいました。
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