「小池ルパンがここで終わることがにわかに信じがたい」LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族 まな板の上のネギさんの映画レビュー(感想・評価)
小池ルパンがここで終わることがにわかに信じがたい
次元大介の墓標、銭形と二人のルパンを視聴済み。峰不二子の嘘、血煙の石川五右衛門は時間が無く未履修。
上記の状態で、ルパンが映画館で観られるという興奮を抑えながら観に行きました。
オープニングはこれまでのLupin the thirdシリーズと変わらぬモノクロの洒落たデザインで始まり、親切なことにこれまでのLupin the thirdの簡単な解説を行ってくれました。もし今までのLupin the thirdシリーズを未履修で今後観る予定であればネタバレを食らう可能性があります。観る予定がなければ前情報を理解してから本編を楽しめる良いシステムでした。
さて、いよいよドキドキの本編。銭形と2人のルパンの終盤の部分から流れるように始まります。詳細は省きますが、全体的にルパン一味の活躍にやや欠けていたのかな、と感じました。勿論、全員かっこいいシーンがちらほら見られますが、見せ場がドーンとあるか、と言われると首を傾げてしまいます。次元には一度大きな見せ場があったのですが、横やりが入り中止。五右エ門も一回だけありましたが三分にも満たないあっけない終わりで、あとは雑魚の相手。不二子も、今回脇役のような扱いで、もう少し活躍させてほしかった。ルパンも、不死身の正体を解説するシーンまではあまり華やかな見せ場はありませんでした。
これまでのLupin the thirdシリーズは一人の主役にスポットライトが当たり、その一人の華やかな見せ場があったのでその状態を期待すると白けてしまうのかもしれません。
それにしたってもう少し一味のかっこいいシーンがあったって良かったのかもしれない、と考えてしまいます。今回一番活躍していたのはむしろ銭形のような気がする…。
終わりのシーンも少し物足りなかったです。もう少しクールに終わってほしかった。
エンディングは良かったです。これまでのLupin the thirdシリーズのエンディング動画を繋ぎ合わせ、B’zの音楽が流れる。小林清志さんの名前を見つけてしんみりしました。
脱線しましたが、「すべてのルパンに繋がる」かと問われると物足りないです。もう少しルパンの活躍が欲しかったですね。
小池ルパンはこれまで大衆向けに作られたギャグ路線のルパンとは一線を画し、渋くて、ハードボイルドで、原作寄りの大人向けルパンです。墓標、銭形と2人のルパンでルパンの本来の姿、そしてダークな世界観に一気に引き込まれた私としては、このような終わり方はあまりにもあっけないと思います。到底かなわないような敵が居るのは別にいい。でも、せめてルパンひとりでも構わないから、華やかで、鮮やかな手際で敵を欺くところを見せてほしかった。
もう一度、L峰と血煙を履修して観直して来ようと思います。ちなみに銭形と2人のルパンは必修です。あれを観てからでないと作品の理解が浅くなるように思います。他のシリーズは後でもいいので絶対に銭形と2人のルパンを観てください。
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