劇場公開日 2025年4月11日

「アマチュアとは何か、という一つテーマを追いかけた作品。それは成功していて後味は爽やか。」アマチュア あんちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5アマチュアとは何か、という一つテーマを追いかけた作品。それは成功していて後味は爽やか。

2025年4月11日
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鑑賞方法:映画館

設定としてはジェイソン・ボーンのシリーズにやや似ている。組織を敵に回して徒手空拳で戦わなければならないところ。ヨーロッパ各地を協力者の力を借りながら転々とするところも似ている。
ただ主人公であるチャーリー・ヘラーは分析官であり、現場の工作員ではない。戦闘力を著しく欠いているところがボーンとは違っていて、それをどうカバーしていくかが見どころなのだが。
というかこの作品はそもそも暗殺者のアマチュアというのはどういったものなのかという問いかけをテーマにしている。
これについては答えが出ていて、「人を殺せない」ことがアマチュアであるという。だから彼は一度として直接的な射殺や刺殺という手段を取らない(というか取れない)時限爆弾を使ったり、プールに破壊工作をしたりして、復讐は果たすが逃げ道は残す、つまり100%の確率では仕留めないところがプロの仕事ではなくアマチュアであるとのことなのだろう。
ハッキングや破壊工作の細微には触れておらず、仕掛けの面白さにひかれるところは少ない。伏線(と思われる部分)が回収されずアレっと思うことも多々あった。
でもアマチュアを描くというテーマはブレることなく徹底され、最後も派手なアクションはないもののいかにもチャーリーらしい結末の付け方で後味は悪くなかった。
ラミ・マレックは役柄によく合っていた。

あんちゃん