「没入新体験ー時空を超えて」光る川 くみさんさんの映画レビュー(感想・評価)
没入新体験ー時空を超えて
旅をしてきました。岐阜の深い緑の山々。青々した清らかな川や滝。その大自然の中で出会い恋に落ちる山の民の若者と里の娘と。大きな使命を背負い山奥の道なき道を行く幼いユウチャと。彼らとともにに歩き、川のせせらぎの音、鳥たちのさえずりを聞き、轟く滝の水しぶきを浴び、木々のむせる匂い、穢れを浄化する空気の中にいたんです。そして、草笛が響く。その音色に鷲掴みされ。。。
原作小説がすごく好きで(自分的には副題の本家の上をいく)映画期待してみました。
松田悠八著『長良川 スタンドバイミー1950』にインスパイアされた金子監督の映画は、小説とはまた違うストーリーでしたが、作者へと、描かれた岐阜の自然と営む人々へのリスペクトとオマージュは、損なうことはなく、むしろより深まり神々しいほどでした。オールロケの圧倒的な映像美は、パンフにはー ロケ地を1か月ほど監督自ら探し歩き、その土地に息づく気配を感じ、民話や伝承から選んだーとあり納得しました。だからこそでしょう。客をスクリーンに引き込む装置が映画にセットされているに違いないと思うほど。これはですね、絶対に自宅のテレビではできない新たな体験だと言えます。映画館で見るべき映画だと実感しました。それにしても、美しく哀しい。そして優しさにあふれていました。
近年のマイベスト。お薦めします。
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