「父親を求める気持ちが強すぎて引くけど、当の父親がいい湯加減で笑う」BETTER MAN ベター・マン 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
父親を求める気持ちが強すぎて引くけど、当の父親がいい湯加減で笑う
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ロビー・ウィリアムズの半生を、猿回しのサルになぞらえて描く自伝映画。まあ言ってしまえばよくある有名人の転落と復活もので、意外性のある話ではない。ただモーションキャプチャーとCGIを駆使して本人をサルに置き換えるだけでなく、ほぼ全編が主人公の心象風景であり、それが怒涛の音楽劇としてひとつながりになっているパワーに圧倒される。ただ、自分勝手な父親の愛情を求めてさまよう話は、いや、そいつはマジでヤバいからとっとと自分の道を歩みなよと思ってしまうのだが、愛情を注いでくれた女性たちよりも、結局は父親探しから逃れられない業みたいなものが貫かれてることは、新しいっちゃ新しい。そして禍の元である父親が、最後まで大きな反省をするでもなく、息子の愛情に乗っかって調子に乗っている姿には、思わず笑ってしまった。
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